2018年7月末に税務署の職場を辞め、2021年7月で3年になります。
公務員を退職してからブログ運営とライターとして活動していますが、幸いなことに3年を経過した現在でも生活できています。
今回は公務員を退職して3年経過したリアルな状況をお話したいと思いますので、一つの生き方としてご覧ください。
退職して1年後、2年後の状況については、下記の記事に記しています。
1:公務員を退職してからの収入状況の推移
私は公務員を退職後、ブロガーとして生計を立てることを目標にしていました。
ただ3年後の現在、ブログ収入は私の収入全体の1%程度しかありません。
① 1年目はブログのみ活動で月収は5万円以下
私がブログをはじめた2018年は個人ブロガーが多く誕生し、知識がなくても収入を得られる人が多くいました。
例えるなら2020年にYouTuberが激増したのと似たような環境です。
ただブログは検索してもらってなんぼの世界なので、ブログを開設した当初は全然アクセス数はありませんでしたし、収入も無かったです。
ブログ以外の収入を持っていなかったので、残念ながら年収はほぼゼロに等しく、公務員時代に貯めたお金と、退職金で生活する日々でした。
収入が入らないのは当初から予定しており、貯金を切り崩す生活も想定内です。
ただそれでも貯金が確実に減少していることを毎日体感するのは精神的に辛く、かなりの節約志向になりました。
② 2年目はWEBライターとして生活できる水準の収入を得る
ブログを半年以上継続しているとアクセス数も徐々にですが伸びてきて、1年半後には数万円の収入が得られる月もありました。
ただ収入が増えたと言っても、ブログだけで生活するには程遠い金額であり、正直ブロガーとして生活することは断念しました。
そこで次に収入を確保するための手段として選んだのは『WEBライター』です。
前職が税務署だったこともあり、税金知識を活用してライター業に力を入れることで数か月、退職して2年3か月後でようやくアルバイト程度の月収を稼げるようになりました。
公務員は退職しても収入を得られる手段はなく、辞めるべきではないとの風潮があります。
私も公務員が民間で収入を得るのは大変だと思っていましたし、実際に現在も痛感しています。
しかし稼げるか否かは本人の努力次第であり、公務員だから転職に成功しないといった発言は一般論で個別で当てはまるものではありません。
ブロガーだけで生活するのは断念しましたが、ライターになる選択肢は税務署を辞める前から考えていましたし、退職前に退職後の生活のことを考えていれば案外なんとかなるのが辞めてから3年経過した私の実体験です。
③ 3年目はWEBライターの仕事を継続して収入をキープ
WEBライターとしての活動は幸いなことに順調で、ライター2年目(自営業3年目)には収入が500万円を突破しました。
しかし自営業は公務員や会社員と違い、その収入が継続するとは限りませんし、翌月の収入が半減しても不思議ではない厳しい世界です。
なので私はライターとしての収入をキープすることに力を入れ、多少変動があったものの、生活できる水準の収入は現在も稼げています。
ブログ収入については、Googleアップデートの影響によりアクセス数が激減し、収入源として考えるのは難しくなっています。
ただそれでも毎日ブログを訪問してくださる方がいるので、今後もブログを更新し続けますし、あわよくばブログで稼ぎたいとも今でも考えています。
2:税務署職員時代と比べて収入は上がった?下がった?
公務員は、基本的に勤務年数に応じて収入は上がっていきます。
私の税務署職員時代の最高年収は500万円であり、収入の推移を知りたい方は『【給与明細公開】大卒と比べても高卒公務員の年収も待遇も悪くない!』をご覧ください。
① 自営業3年目でも税務署退職時の年収には届いていない
自営業として収入500万円は超えましたが、収入と年収は違います。
公務員・会社員の年収は手元に入るお金ですが、自営業の場合収入から経費を引いた金額が手元に残るお金です。
よく年商○○億円とアピールする会社がありますが、年商は売上なので、それ以上に経費が発生してれば赤字です。
私の公務員時代の最高年収は500万円なので、年収計算で考えると現在は8割から9割くらいです。
ただ3年も経てば私の同期は順調に給料は増えていると思いますので、公務員として働き続けた場合と比較すると、フリーランスになって確実に収入は減っています。
② 収入の不安定さは想像以上にハード
自営業と公務員・会社員は、収入の安定性が最大の違いと言っても過言ではありません。
収入が不安定だと「来月も同じように稼げるのか?」とか、「将来どうなるのだろうか?」とか不安が募ります。
公務員時代には収入面の不安はゼロでしたので、収入の不安定さによる精神的な負担は想定通り重かったです。
③ 収入に対する満足度は上がった
私自身優秀な公務員ではありませんでしたが、それでも相応の働きはしてきたつもりです。
しかし公務員の仕事は意味のない内容も多々含まれており、不可解な作業をすることによる労働の満足度は低かったです。
WEBライターの仕事は大変ですし、ストレスからお腹を下すなど精神的な負担もあります。
しかし自ら選んだ仕事であり、自分の作業成果が収入に直結するので、一定の満足感は得られています。
3:3年経過しても公務員を退職したことは後悔していないのか?
現役公務員の方が転職や退職を検討する際、最も気になるのが「退職して後悔ないのか?」という不安です。
私は税務署職員として12年働いてきましたが、退職しなかった大きな理由に公務員を退職したことによる後悔がありました。
① 何年経っても公務員を辞めたことに後悔することはない
公務員の現役時代には、退職後に後悔しないか不安でしたが、退職する時点で不安材料や悩んでいるポイントをすべて整理したので、今現在も後悔はしていません。
後悔していないのはライターとして稼げているからではなく、収入がゼロの時点でもそう思っていました。
なぜ公務員を退職したことに後悔しないのか。
私の場合の理由は明確で、公務員(税務署職員)として働き続けても、自分が職場環境に満足することはないと理解したからです。
寿司職人になりたいのに、洋食レストランで働き続ける人はいませんよね。
洋食レストランで働いていて、和食が作りたいと思ったら和食の修行ができる環境に移るのが普通だと思います。
価値観は人それぞれですが、私は公務員の環境にいても人生の満足度を満たすことはできないことを理解したので、退職しても後悔することは今もありません。
② 後悔する人は辞める前に退職後の人生プランを設計していない
自分が選んだ退職の選択を後悔している人は、退職する前に退職後に起こることを想定していなかったり、退職しなかった場合の道筋をイメージしていないケースが多いです。
公務員を辞めた人で後悔する理由としては、収入面と福利厚生がほとんどで、自営業がこの2点で勝るためには相当仕事を頑張らなければ達成は不可能です。
公務員として一生懸命に働けなかった人が、どうして自営業になった途端一生懸命に働けるようになるのでしょうか。
失敗している人は、やる気スイッチがあると思いこんでいるフシがありますが、やる気スイッチなんて存在しませんし、自転車と同じでペダルを漕がなければ一歩も前には進みません。
そのくらい前途多難な道のりを進むことを覚悟しないで、公務員を辞めるのは少々甘い考えでは?と個人的には思っていまします。
4:今から公務員に就職・転職するのはアリ?ナシ?
公務員の仕事がオススメできないと言うつもりも毛頭ありません。
私は公務員を就職先に選んだこと自体に後悔はありませんし、今の生活にも公務員時代の経験が活きているため、無駄になったとも思ってません。
ただ公務員=楽な仕事と考える人ほど、苦労しますのでそこは勘違いしないようにしてください。
① 公務員の仕事内容に惹かれるなら就職して問題はない
公務員と一括にしても、会社員と同じくらい仕事内容の幅は広いです。
教師と消防士、警察官も公務員である一方、市区町村や税務署職員も公務員です。
就職を考える年齢になって、「会社員になれればいい」と漠然としたイメージを抱えている人は少ないと思います。
公務員もそれと全く同じであり、公務員を目指す人は公務員のどの職種で働きたいかを考えてください。
国家公務員と地方公務員でも待遇面は違いますし、国税組織でもキャリア組とノンキャリア組では出世具合も残業する時間も全然違います。
本当に公務員の安定性だけえられればいい人を除けば、公務員を目指すのではなく、どの公務員として働きたいのか検討しないと就職後に後悔するかもしれません。
② 公務員の職場環境は現在よりも悪化する可能性はある
公務員の年収は民間企業の賃金が反映されるため、景気が悪くなれば収入は下がると思ってください。
日本の現在の状況は、どう考えても良くなる要素がありません。
局所的見ればよくなる業界もありますが、公務員は社会全体の状況によって左右されるため、今よりも待遇面が悪化することは避けられないでしょう。
5:退職した元公務員は悪い部分しか言わないので要注意
私を含め公務員を退職した人間は、基本的に公務員の悪い部分しか言わないケースがほとんどです。
公務員の職場環境が良ければ退職していませんので、公務員の良い部分について発言する人は表面に出てこないと思ってください。
私にとっては公務員の環境は合いませんでしたが、公務員の職場環境や待遇面は悪いとは思いませんし、今から公務員になる選択肢を持っても何もおかしくはないと考えています。
良し悪しの判断は自分で行う必要があり、他人に判断を任せると後悔することになります。
私が公務員を辞めて後悔していないのは、ライターとして成功したからではなく、公務員を辞めることを自信を持って選択したからです。
もし進路に悩んでいる人は、悩みが解決されるまで悩んでください。
悩む途中で生まれる考えや想像は、選択した後に活かすことができますので。
ご参考になれば幸いです!