この記事をご覧になられている方の多くは、現役公務員で仕事について悩んでいる人が多いと思います。
私は30歳の時、12年勤務した税務署を辞め、フリーランスになりました。
辞めた直後の心境や、辞めてから1年以内の話はよく話題になりますが、退職後2年経過した時点で振り返っている記事はあまり見かけません。
ですので、私が公務員を退職して経験した「収入」・「体調」・「生活」の変化について、お話ししていきます。
公務員を退職したことを後悔するくらいなら最初から辞めない方がいい
退職してから約2年経過していますが、フリーランスとして生活できる収入は現時点で確保できています。
ただこれからも公務員時代と同じくらい、稼げるかは不透明です。
そんな私から申し上げられるのは、「退職することに後悔することを考えるくらいなら退職しない方がいい」ということ。
幸いなことに、退職後2年目で生活できる収入を得ることが出来ていますが、仮に収入が得られていなくても後悔しないくらい、現役中に悩んで、そして退職の道を選択しました。
税務署退職!公務員辞めて収入0円になったが辞めた選択に後悔はない
逆に後悔することを後悔するかもしれないと考えているなら、もっと悩んでください。
なぜなら公務員の職は、一度退職すると戻ることは極めて困難だからです。
収入面の変化:公務員時代の8割程度までの収入を得ることができた
転職や起業をする際、一番不安になるのが収入面です。
とくに私はフリーランスになりましたので、公務員とは真逆の収入の不安定な職に就きました。
退職して2年経過する私の現在としては、公務員最終年の8割程度の収入は得られています。
⑴ 1年目はブログだけで稼げず収入がゼロだった
2年間を振り返ると、1年目は本当に悲惨でした。
なぜならブログで収益を獲得するため毎日ブログを更新していましたが、まったく収入が無かったからです。
半年ブログを書き続けても、月収は1万円以下。
覚悟はしていましたが、結果が出なかったのは辛かったですし、収入が無いために節制をしていたのも覚えています。
ただ1年目は当初から収入がゼロの覚悟はしていましたし、それ以上に公務員時代に経験できなかった行動をしようと心がけました。
その結果、人気ブロガーのヒトデさんに会いに行ったり、札幌や名古屋にブロガー交流会に参加して、経験を積む機会を得られました。
⑵ 2年目はライター収入で生活できる程度まで稼げるようになった
フリーランス1年目と2年目の大きな違いは、2年目からライターとして本格的に活動したことです。
私は主にWEBライターとして、WEB上の記事を執筆する仕事をメインの収入源としています。
そんな時にお世話になったのが、「名もなきライター」さん。
今まで『名もなきライター』さんの存在を知らなくて後悔している件
トップライターとして活躍されている名もなきライターさんのサロンに加入し、ライターとしての活動やプロセスを学んでいきました。
サロンなどに必ずしも、加入する必要はありません。
ただサロンに入るべきか検討する判断力は、フリーランスに必要となりますので、高額なサロンでなければ、1度加入してもいいかもしれません。
⑶ 1か月だけであれば、公務員時代の収入を超えた
ライター業は競争が激しく、自己アピールできないと時給数百円程度の仕事で生活をしなければいけないケースもあります。
実際、ライターとして活動しはじめた当初は、アルバイト生活費くらいしか稼げませんでした。
私がアルバイト月収からさらに稼げるようになったのは、税務署で働いてきた経験・知識や、1年間ブログを継続して運営したスキルを活用した結果だと思います。
そしてライター1年目の途中で、税務署時代の月収を超えるくらい稼いだ月もありましたが、収入が増えればその分仕事量も増加し、ストレスによる体調不良に悩まされることに。
そのため現在では、少し仕事量をキープしながら仕事を行っています。
ただそれでも、公務員を退職して不安な日々の中、自分の力で稼げた事実は大きな自信となり、今後もライター業をメインに活動していく予定です。
⑷ 公務員時代の安定した収入を超えるのは難しい
税務署職員時代の最高年収が約500万円で、今現在の私は年間ベースで400万円くらいの収入があります。
正直30歳超えた人の年収としては少ないですし、公務員として働いてた方が間違いなく稼げていたでしょう。
それくらい現実は厳しいですので、公務員の収入で満足出来ない人は、退職した後に公務員時代を超える努力が必要不可欠です。
健康面での変化:ストレスフリーで働ける環境なんて存在しない
私が税務署退職した理由の一つには、健康面での不安がありました。
税務署の職場環境は悪いとは、今でも思っていません。ただ私には合いませんでした。
そんな税務署の職場を離れた現在ですが、ストレスとは無縁な環境で働いているわけではありません。
むしろ公務員時代よりも、ストレスがかかる場面もありますので、ストレスフリーではありません。
⑴ 仕事をする上でストレスが無くなることはあり得ない
当たり前ですが、仕事でお金がもらえるのは、労働が対価となっているからです。
なので対価に見合わない仕事は、相手にとって満足できるものではありません。
私はライターとして活動していますが、ライターには必ずクライアントが存在します。
クライアントは私の作成する記事に代金を払いますので、代金に見合う記事では無いと当然修正や指摘を受けます。
私自身クライアントからキツい言葉をかけれるケースもありましたし、契約が打ち切られた経験もありました。
また記事を納品する際は今でも緊張しますし、毎日のようにお腹を下していた時期もあります。
身分が守られている公務員と比較すると、一時にかかるストレスは公務員時代を超えていることは間違いありませんので、その点の心構えはして損はありません。
⑵ 自営業の強みは自分でストレスを管理できること
公務員は与えられた場所で仕事をしなければなりませんので、自分自身でコントロールができない環境で働くことになります。
もちろんフリーランスとして働いていても、ストレスを感じる機会は多いですが、公務員時代とは異なりストレスを自分で管理できます。
たとえば仕事量は、増やしたり減らしたりできますし、相性が悪いクライアントがいれば断ることも可能です。
仕事量を減らせば収入は下がるのは、自営業の宿命です。
そのため仕事量をコントロールできるのも一長一短ですが、ストレスから自分の身を守る選択をできるのは自営業の強みと言えます。
⑶ 最大の不安は継続した収入を保証されていない点
体調面で切っても切り離せないのが、収入面の不安です。
収入の確保に考えが向くと、どんどん不安になりストレスが溜まります。
また、クライアントから継続案件が終わるか毎月気になってしまうのは、フリーランスあるある。
よく「安定した職」を求めて公務員に就く人もいますが、私はそれも正解の選択肢の一つだと思っています。
日本経済が悪化しても、公務員の身分は最後まで保証されているでしょう。
そう考えると、収入の不安に耐えられない人は公務員のままの方がいいかもしれません。
生活面での変化:自由を楽と勘違いする人にフリーランスは向いていない
フリーランス=自由に仕事ができる
そのようなイメージは世間的に今でもありますが、それはただの幻想です。
その証拠に、誰でも自由に仕事ができる環境が整っているなら、もっと多くの人がフリーランスとして働いているはずですが、現実では正社員を目指す人がほとんどです。
⑴ 運動や食生活は公務員時代よりも自覚しないとすぐに乱れる
フリーランスは自分で仕事量を調整できる面もありますが、運動や食事も同様に自由です。
勤め人の場合、出勤時間や出勤日・休日が決まっていますので、それに応じて時間や生活スタイルを調整します。
それを強制的と考えることもできますが、出勤時に運動をしたり食事をする時間が制限されるともいえます。
逆にフリーランスは、時間に制限がないため、自主的に運動することを心がけないと、すぐに運動不足になりますし、体重も増加します。
私自身1年目は毎日のように散歩をしていましたが、仕事が忙しくなってきた2年目は明らかに運動量が減りました。
30歳を超えると意識的に運動しないと、体調不良に繋がるため、自己管理意識が乏しい人はフリーランスには不向きかもしれません。
⑵ 公務員時代よりも1日の時間を自由に使えるようになった
フリーランスでも働かないと収入は得られませんが、働く時間は自分でコントロールできます。
私は長時間連続して仕事をするのが苦手なので、
- 早朝
- 朝
- 午前
- 午後
- 夜
に分割し、仕事をしています。
また体調が悪ければ仕事量を減らしたり、逆に忙しければ休日予定を返上して仕事をするなど、時間を自由に使うことが可能です。
何も仕事をしないでも勝手に給料が振り込まれる公務員とは違い、フリーランスは働かないと収入は得られません。
ただ一方で、働く対価はしっかりと得られますので、無意味な労働時間は公務員時代よりもはるかに削減できました。
⑶ 自営業は有給がないので体調管理は相当シビア
フリーランスで収入と同じくらい大変なのが、有給がないこと。
体調不良で収入がゼロになるのはまだいいです。
しかし体調不良でも、納期を遅れるのは絶対にやってはいけません。
公務員であれば、風邪を引いたら他の人が手助けをしてくれますが、フリーランスは自分のことは自分だけで全部処理する必要があります。
つまり精神的なセーフティネットが無い状態で、常に仕事をすることになりますので、不安症な人は少し辛いかもしれません。
(私も納期が連続すると胃が痛くなります)
⑷ 新型コロナウイルスで実感する職場が存在することによる制限
2020年は、新型コロナウイルスの影響もあり、民間企業ではリモートワークが盛んに行われています。
ただ公務員は仕事の性質上、リモートワークをできない内容がほとんどであるため、出勤していたことは想像に難くありません。
私自身は新型コロナウイルスをそこまで脅威に思っていませんでしたが、高齢の家族と一緒に住んでいるため、勤務仕事であれば感染リスクへの懸念はありました。
しかし、在宅勤務で仕事ができるライター業のおかげで、感染リスクを極限まで下げられましたので、そういった意味ではフリーランスとして働いてよかったと思います。
別に公務員としての生き方が悪いわけではない
公務員とフリーランス(ライター業)を比較した場合、双方にメリット・デメリットが存在します。
なので私は公務員として働き続けることが、悪いとは全く思いません。
ただ自分が公務員の仕事が合わないと思っている人は、別の仕事先についても考えてみてください。
公務員に固辞するあまり、仕事する目的を見失っては本末転倒です。
私は公務員として働き続けることに、価値を見い出せなかったので退職しました。
ですがもし公務員時代に結婚し、扶養家族がいたのなら公務員として働き続けることを選択していたかもしれません。
それくらい職は、立場によって価値は変わります。
フリーランス3年目が、好転するか暗転するか予想ができませんが、努力することは可能です。
逆に努力しないまま、フリーランスとして生きるのは難しいでしょう。
そんな職業でも私は税務署を辞めたことに後悔はありません。
「後悔がない」と言い切れるくらい、悩みに悩んだ末の結論ですので。
ご参考になれば幸いです!