2020年は、新型コロナウイルスにより就職活動が難しくなる年です。
公務員は毎年就職したい職業ランキングの上位に入るほど人気ですが、特に人気が出るタイミングが不景気になった時です。
ただ人気に惑わされて公務員(税務署)に就職すると、後悔する可能性もありますので、税務署に12年勤務した私がメリット・デメリットを説明します。
1:公務員のブランド力と職の安定性を舐めてはいけない
公務員に就職する最大のメリットは、職の安定性。
新型コロナウイルスの影響で、多くの大企業や業種が売り上げを下げている現状があります。
ボーナスカットでとどまればマシですが、リストラや会社倒産の危険にさらされている会社も少なくありません。
しかし公務員は、違います。
不祥事を犯さなければ仕事をクビになることはありませんし、給料が急に大幅カットされる心配もありません。
新型コロナウイルスの影響で、おそらく公務員の給料は下がるでしょう。
私の体験談を出しますと、東日本大震災の時は、財源確保の観点から公務員の給料が平均7.8%が下がりました。
それでもあの震災の大きな被害があった時ですら、給料が下がったのは2年と、限定的なものでした。
公務員の給料は、民間企業の給料が反映されるので、これから給料が下がることは予想されます。
それでもクビにならず、ボーナスをもらえる職場は、公務員以外には考えられません。
2:一般の公務員と税務署職員とでは支給される給料がそもそも違う
公務員の給料は俸給表といわれる給料表に従って支給されます。
俸給表には種類があり、一般公務員が対象の『行政職』や税務署が対象の『税務職』など、業種によって異なります。
また税務署職員は、高度な知識を必要とする職務であるとの観点から、一般の公務員よりも俸給表に設定されている金額は、1割ほど高いです。
<行政職・税務職の給料の違い>
〇行政職
1級1号俸・・・135,600円
〇税務職
1級1号俸・・・151,500円
出典:俸給表(人事院)
公務員の給料自体は、学歴や勤務年数、そして役職などが加味されて、決定します。
それでも、税務署職員は、最初の時点から一般の公務員よりも、1割高い給料がもらえるのは強みです。
なお税務署以外では、危険手当が支給される警察官も給料は高いです。
3:税務署職員に最も必要な能力は納税者からの苦情に耐える精神力
税務署職員として働く場合、納税者からの苦情は避けて通ることができません。
公務員は国民全員が相手ですので、どんな人でも一旦対応する必要があります。
そのため苦情への体制や、苦情を受け流すスキルは必須レベルです。
また税務署は税務調査を行うため、調査の際に苦情を言われることも少なくありません。
そのように、税務署は外部からの目線が厳しいため、精神的に病気がちになったり、出勤できなくなる職員もいました。
不景気になれば、公務員に就職することにより魅力を感じるかもしれませんが、その分不景気の不満の矛先は公務員に向けられますので、覚悟しましょう。
4:飲み会など職場の付き合いは公務員でも特出すべき多さ
市区町村の役所ではあまり飲み会は開催されないと聞きますが、税務署の職場では飲み会は本当に多いです。
飲み会好きの先輩や上司に捕まると、毎日のように飲みに誘われます。
仕事は17時に終わっても、終電まで飲み会に付き合わされた経験は何度もありますので、税務署に就職した際は、ある程度覚悟してください。
5:公務員は業種によって労働環境は異なることを理解すべき
公務員と一口に言っても、沢山の業種が存在します。
- 市区町村の役場職員
- 税務署
- 教師
- 警察官
- 消防士etc…
当たり前ですが、税務署と学校の先生では仕事内容は180度違います。
税務署は職場によっては、残業をほとんどしない場合もあります。
一方、学校の先生は部活なども含めると、休日すらない場合も少なくありません。
そのため公務員に就職したい人でも、試験を受ける業種の仕事内容は下調べを必ず行ってください。
ご参考になれば幸いです!