公務員の平均給与は高いです。
平成29年の国家公務員の平均月給は月額410,719円
ボーナスは4.5か月分ですので、単純計算すると1,848,235円
410,719×12ヶ月=4,928,628円
4,928,628+1,848,235=6,776,863円
参照データ
公務員全員が680万円の年収だったら就職したいですよね!
私は税務署辞めましたが
ですが、公表されている数字は金額はあくまでも公務員全体の平均です。
公務員の平均年齢は43歳前後で推移しているので、当然平均年齢を下回る人は給料も下がります。
また、公務員の場合、給料は右肩上がりの直線で伸びません。
30代後半から急に給料の金額が上昇します。
したがって、若手の給料は低くなり、中高年になると給料は高くなるのです。
また、今後定年が伸びればも更に平均年齢が上がりますので、その分平均給料が上がる可能性も。
しかし、これはあくまでも公務員全体の話。
平均給与が高い業種でも、平均年齢が高ければ給料にも差が出ます。
実際にどの業種が一番給料が高いのか知りたくないでしょうか。
私は元税務署職員ですので、税務署のリアルな給料はすぐにご紹介できます。
※こちらの記事には30歳までの私の源泉徴収票を掲載しております。
また、給料が良くても現実的ではない業種(医師)もありますので、それを除いたところで公務員の中で給料が良い職種をご紹介します。
1:現実的な公務員の職種なら警察官が一番給料が高い
前提として、基本給に関してはそこまで大差はありません。
もちろん、事務次官などのキャリア官僚などは別格ですが、普通の30歳公務員で基本給で何百万円も差が出ることは考えにくいです。
ですが、給料の金額に差が表れるのが諸手当です。
民間企業でも扶養手当や家賃手当があるかもしれません。
公務員にもそれらはありますが、それ以外にも多くの手当が存在することはあまり知られていない事実です。
画像が見えにくい方はこちら⇒◎
こちらは国家公務員の諸手当表ですが、地方公務員は原則国家公務員に従っていますので手当金額に大差はありません。
基本給に違いが無いとなると、給料の差が出てくるのが手当をもらう頻度と適用種類の多さです。
その中で特に手当の多い職種のが警察官なのです。
警察官が給料が高くなる手当は2つあります。
- 危険手当
- 夜勤手当
危険手当は総称なのですが、死体処理や鑑識など警察官が行う業務に対しては複数の危険手当が設けられています。
(警察官は地方公務員なので都道府県によって違いはあります)
また、夜勤手当については時給1.25倍、休日出勤ではそれ以上の支給があるのも給料の違いとなって現れます。
もちろん危険性や夜勤など勤務体系に応じた支給なので不当なものではありません。
ですが、それらが苦にならない人であれば自ずと給料は上昇するので結果的に一番給料が高くなってくるのです。
2:税務署職員は一般公務員より1割増で給料が高い
警察官よりは給料は低いですが、それでも公務員の中では税務署の給料も高い部類になります。
理由は簡単で、そもそも支給される基本給が一般公務員よりも高く設定されているからです。
一般的な公務員は行政職となり、行政職の俸給表の適用となります。
それに対して税務署職員は、税務職の俸給表の適用となり行政職よりも1割程度給料が高く設定されています。
行政職俸給表(一)
1級5号俸 138,400円
税務職
1級5号俸 155,800円
※ 高卒税務職員の最初の1年間は行政職扱いなのですが、当時私は1級5号俸からスタートしました。
俸給表をご覧になりたい方はこちら⇒◎
因みに俸給表は17種類存在します。
- 行政職(一)
- 行政職(二)
- 専門行政職
- 税務職
- 公安職(一)
- 公安職(二)
- 海事職(一)
- 海事職(二)
- 教育職俸給表(一)
- 教育職俸給表(二)
- 研究職俸給表
- 医療職俸給表(一)
- 医療職俸給表(二)
- 医療職俸給表(三)
- 福祉職俸給表
- 専門スタッフ職俸給表
- 指定俸給表
国家公務員は全体で約25万人いるのですが、行政職の職員が最も多く約14万人
次の多いのが税務署職員で約5万人、その後公安職員と続きます。
イメージとしては専門職や危険度の高い職種になるほど給料が上昇します。
なので、海上保安庁などは給料は高いです。
ですが、通常のお役所仕事をイメージする場合には税務署の給料も悪くはありません。
3:公務員個人間での年収の違いは残業代の違い
公務員全体の基本給はそんなに大差はありません。
諸手当はありますが、基本給の何倍となることはありません。
ですが、それでも年収が100万円単位で違ってくることがあるのです。
それは、残業代の支給です。
公務員も全部の職種が満額残業代が支給されるわけではありません。
ですが、公務員がそれをやったら誰も守らなくなるので、最近はきっちり残業代をつける傾向になりつつあります。
となると、残業を多くした方が給料が高くなるのは自明の理。
残業代は時給換算の1.25倍の単価がありますので、副業するよりも残業した方が効率が良かったりします。
もっとも、公務員の残業代の増加は行政の歳出増加になるので抑制しないといけませんが。
因みに年間の平均勤務時間は約2000時間です。
2000時間の根拠
週休二日制⇒104日
年末年始+お盆+有休=11日
365 ー(104+11)= 250日
1日8時間×250日 = 2000時間
2000時間と聞くと、長時間の労働時間に感じます。
ですが、毎月100時間残業する人は1年で1200時間残業にもなりますので、1.5倍以上労働していることに。
ただ、労働に伴った金額は支給されます。
1200×1.25倍(残業)=1500時間分
通常の給料が2000時間分に対して支払われているのに対し、毎月100時間労働をすると給料の受取金額が75%増。
月40万円であればプラス30万円されます。
ですので、公務員で給料を多く受給したい場合には、長時間労働がある職種で働くと一番効率が働き方となります。
もっとも、私は全く勧めませんが・・・
4:別に公務員にこだわる必要はない
本記事をまとめますと、以上になります。
- 警察官が採用倍率の観点からも給料は高い
- 税務署も一般公務員より割高給料
- 手取りを増やすには残業が一番
- 中高年になるまでは我慢
ただ、ここで考えていただきたいのが、「別に就職先が公務員じゃなくてもいいのではないか」との考えです。
警察官の仕事や税務署の仕事に魅力を感じるのであれば問題ないですが、単純に給料が高い方がいいのなら公務員である必要はありません。
現に、私は税務署職員を退職しています。
また、現状は給料が良くても公務員がこのまま給料が上がる可能性は低いです。
定年が70歳となれば平均的に給料は抑制されますし、国の財政が逼迫されれば公務員の給料も削減対象です。
なので、安易に公務員=高給取りではなく、働きたい職種を吟味して就職の選択肢にしてください。
ご参考になれば幸いです!