公務員を職業として考えた場合、備えるべき嫌な出来事があります。
公務員の仕事の効率性や必要性についての議論は活発に行われるべきですが、公務員の人柄について否定するのはナンセンスな話です。
なんて思われるかもしれませんが、些細な一言が時に職員を苦しめたりします。
もちろん人それぞれ考え方も違いますし、受け手が敏感になってるだけのケースもあります。
(私がそのタイプの人間でしたので)
それでも、せっかく公務員に就職したのに、後になってから「こんな場所で働きたくない…」と思ったら、就職までの過程が徒労に感じるかもしれません。
もちろん【職業】公務員としての良い部分もたくさんあります。
ですが、今回は【職業】公務員の悪い部分をご紹介していきますので、ご覧ください。
1 公務員の仕事=楽との嫌味発言を普通に言われる
自分の仕事をそんな風に言われたらあまりいい気分はしませんよね。
友人同士なら冗談で通じるかもしれませんが、税務署時代には来署して初対面の人に「公務員の仕事って楽でいいよね」と言われることもしばしばありました。
若者があなたの年齢に達する時には満足に年金も貰えないのですけど、それについてはどう思いますか?
なんて当時はそんな言葉が口からでそうになりましたが、100%揉めるのでグッと抑えてました(苦笑)
(言ったら100%苦情に発展します)
仕事の内容が楽かどうかは仕事をする人によって変わります
早起きが苦手な人が毎朝5時に起床するのは苦痛でしょう。
少食の人が毎日大盛ご飯を食べるのは辛いです。
自分の苦手な事を想像してみてください。
その苦手な作業について「えっ、そんな楽な作業を大変だと思ってるの??」なんて聞かれたら嫌ですよね。
ですが、公務員に対しては日常的に存在します。
2 給料が上がることに対して文句を言われる
先日公務員のボーナスが引き上がりました。
平成30年は4.45か月分の給料がボーナス(賞与)となります。
朝日新聞 2018.11.6付
民間企業で給料が上がったニュースがあれば「景気が良くなってきている」、「もしかしたら、うちの会社もあるかも」などの好意的な意見がでます。
ですが、ヤフーニュースなどのコメントを見ると好意的な意見はありません。
etc…
公務員の給料は税金なのでそこから捻出される金額が増えるのが好まれないのは理解できます。
ですが、公務員給料が上がったことを喜びたいもの。
でも公務員の職員が表立って「給料が上がった!」と言ったら袋叩きにされるのは目に見えていますので、同業者以外で言うことはありません。
公務員の給料が上がって喜んでくれるのは身内だけです。
友人関係ですら嫌味を言われる(冗談だとは思いますが)世界なので、肩身が非常に狭いのが現実です。
3 不祥事は常日頃の愚痴のはけ口にされる
不祥事時代はあってはいけなのですが、そこまで不祥事の件数が多いわけではありません。
それでも些細な事件でも全国放送でニュースになるので、公務員=汚職のイメージが定着しています。
実際に業種別の犯罪率が公表されていないので明確な数字は不明ですが、一番犯罪率が高いのは(失礼ながら)おそらく無職の人でしょう。
公務員も一番少ないとは言えませんが、それでも業種別でみれば高くはないと思っています。
しかし、ニュースで報道されると税務調査の際に小言を言われたり、全く別業種の不祥事や国会議員の汚職についての文句を言われます。
言いたい気持ちはわからなくもないですが、果たして言っても意味があるものなのでしょうか。
まぁ、そこまで考える人が言うとは思えませんが・・・
4 公務員全部を知っていると思われる
公務員は本当に分野が分かれています。
税金にしても、国税・地方税(県税、市区町村民税)
国税の中でも、所得税・法人税・登録免許税など多岐渡ります。
税務署=全ての税金を管轄しているとの気持ちはわかりますが、全く別分野の業種について聞かれて「答えられません」と回答すると、「そんなことも知らないの?公務員のクセに」と言われます。
(実話です)
本当は管轄外の税金についての知識も多少ありますし、質問によっては回答できるケースあります。
ですが、自分の専門外の分野を話すと法律違反になる可能性があるので説明はできません。
あまり知られていないのですが、税金関係については有償・無償を問わず申告書の作成や個別相談を受けてはいけません。
税務署関係の税金であれば、相談や申告書作成代理をしていいのは、税理士登録をした人と公職として行う公務員だけです。
(税務署の職員であってもプライベートで友人の申告書作成をしたら税理士法違反で処罰の対象です)
また、税務署の人間であっても許可された税目以外の税金の相談をなどの説明すると法律違反になります。
本当はそこまで説明できればいいのですが、相談の都度説明するのは難しいところではあります。
5 納税者の相談を拒否する権利がない
日本人であれば基本的に日本国内どこに住んでも問題になりません。
逆に市区町村民になればその住所から追い出すことはできません。
税務署の場合だと住所によって管轄が決まっていますので、その住所に住んでいる人の相談であれば聞かなければいけません。
もちろん必要な事もありますし、それが仕事なのですが、中には自分の愚痴を聞いてもらいたいだけの人やクレーマーも存在します。
企業であれば拒否することもできますが、税務署の場合それが難しいです。
もし対応を間違えてそれが拡散されると二次被害がでるので、現場は対応に苦慮します。
6 高給取りと勘違いされる
公務員は別に高給取りではありません。
(一応)毎年人事院が民間企業の給料を基に給料を決定しているので、大幅に多くなることはありません。
そもそも高給取りとはいくらなのでしょうか
相当曖昧ですよね。
テレビのタレントさんが、
などと、何千万円と稼いでいるタレントが庶民の代表となっています。
何千万の給料が庶民であれば、何億稼げば『高給取り』になるのでしょうか。
夫婦共に公務員であれば家庭としての年収は1000万円以上にはなりますが、それは民間企業で働く方も同じです。
公務員の給料の適正金額についての疑問はあると思いますが、高給取りとのイメージは変えてほしいです。
もし、公務員=高給取りのイメージで公務員を希望し、そのまま就職した人が実際の給料をみたら幻滅をしてそのまま退職してしまうかもしれません。
(公務員自体の平均年齢がかなり高いので平均給料が高く見えるだけで、若手は給料はそんなに多くはありません)
7 行動が制限される
公務員は利害関係との接触は厳しく制限されています。
税務署が平均2,3年で転勤になるのは癒着を防ぐためであり、また基本的に職員が住んでいる場所の管轄税務署に勤務することはできません。
(例 鎌倉市民の職員は鎌倉税務署に勤務することはできません)
当たり前と言われれば当たり前なのですが、常に意識していないと思わぬ場所で足元をすくわれるので注意していました。
「その程度かよ」と思った人は是非公務員になってください!
これらの話を聞いて、「そんなもん知らないよ」、「愚痴みたいのは民間企業も普通にあるよ」、「むしろそれだけしか苦労が無いなら楽だよね」と思われた方もいらっしゃると思います。
- 今の仕事に満足していない人
- これから就職活動するけど就職先に困っている人
- 社会人1年目だけど転職したい
今現在このような状況下で悩んでいる方に一つ提案があります。
是非公務員になってみませんか?
公務員と言っても様々な業種が存在しますが、まずは国税庁の採用情報からご覧ください!
真面目な話をしますと、この記事で書かれている内容を実際に苦痛と感じて身体を壊してしまう職員が多数在籍します。
本当は公務員の実情をもっと広報して、少しでも理解をしてもらう努力が必要なのですが、根本的な解決が出来ないのが実情です。
だとすれば、適応能力が高い(苦に感じない)人が公務員の職に就いた方が身体を壊す職員のリスクは軽減されます。
興味が湧きましたら公務員を選択肢に入れてみてください。
ご参考になれば幸いです!