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雇用対策は無意味!?国家公務員の中途採用の拡大で正社員は増えない

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2019年11月26日、政府は就職氷河期世代の雇用を確保するために国家公務員の中途採用枠を拡大する方針を固めました。

参考:就職氷河期世代を国家公務員で重点採用へ(ライブドアニュース)

具体的な採用内容は現時点では確定していませんが、個人的には国家公務員の中途採用枠を増やしても、雇用対策にはならないと思っています。

1:国家公務員の新卒採用試験の条件は年齢制限だけ

国家公務員にも大卒や高卒の採用枠がありますが、実は年齢以外の受験資格の要件はなかったりします。

私の場合は税務職員採用試験(当時の国家三種相当)で税務署職員となりましたが、学歴の条件は実質ありません。

受験資格

① 平成31年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して3年を経過していない者及び令和2年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者
② 人事院が①に掲げる者に準ずると認める者

出典:税務職員採用試験 試験概要(国税庁)

そのため、中卒の人でも税務職員採用試験を受験できますし、高卒の人が総合職の試験を受験することも可能です。

実際にあったケースでは、税務署時代の私の上司は専門学校卒業ながらも大卒相当の採用試験を合格し、今も国税組織でバリバリ働いています。

したがって国家公務員は、年齢をクリアすれば誰でも平等に就職するチャンスがある職場です。

2:現在の国家公務員の中途採用試験は狭き門

2019年時点より以前から、国家公務員の中途採用枠として経験者採用試験が存在します。

無論、新卒でなくても国家公務員になることは可能ですが、採用する人数が非常に少ないため、競争倍率が激しいのが現状です。

公務員

参考:平成30年度経験者採用試験採用候補者名簿からの採用(内定)状況

採用枠が一桁の場合、突出して才能がある人が受験すると勝ち目はありません。

税務署職員時代にも「なんでこの人がわざわざ公務員になったの!?」と思った経験者採用試験合格者の方もいましたので、少ないイスを争う場合には合格する難易度は高いです。

3:就職氷河期世代の雇用を増やすなら採用条件を厳しくしないと意味が無い

政府が国家公務員の中途採用枠を拡大する狙いは、就職氷河期世代のフリーターを正社員として雇用するためです。

問題点としては、民間の正社員として勤めている人でもブラック企業や会社の待遇が悪く転職したい人も多くいますので、それらの人も国家公務員の中途採用枠を受験する可能性があること。

中途採用試験の受験者が多くなった場合には、その中から採用者を選ばなければなりませんが、採用する側の判断基準としては能力が高い人を優先的に採用します。

そのため、失礼な言い方かもしれませんが、40歳までフリーターだった人と正社員が同じ採用試験を受験した場合、合格する確率が高いのは正社員の方でしょう。

そうなると、フリーターを正社員(公務員)にする目的で政府が中途採用枠を広げたとしても、採用条件を定めないと単なる転職窓口を広げただけになり、就職氷河期世代を救う手立てとしてはあまり効果がないと予想します。

4:国家公務員の中途採用をフリーターだけに限定する受験資格は現実的に難しい

民間企業であれば、採用条件に高卒や大卒など学歴条件をつけることは可能です。

現在行われている国家公務員の経験者採用試験に目を向けれれば、学歴や正社員経験があることが受験資格となっていますので、民間の採用試験と条件はあまり変わりません。

◆受験資格◆
2019(平成31)年4月1日において、大学等(短期大学を除く。)を卒業した日又は大学院の課程等を修了した日のうち最も古い日から起算して2年を経過した者

◆求める人材◆
(1) 公務に対する強い関心と、全体の奉仕者として働く熱意を有する者
(2) 困難な課題を解決できる論理的な思考力、判断力、表現力その他総合的な能力を有する者
(3) 適切かつ効果的に対人折衝・調整を行うことのできる能力を有する者
(4) 職務遂行上必要となる基礎的な外国語の能力を有する者
(5) 大学卒業後、民間企業、官公庁、国際機関等において、正社員・正職員として従事した職務経験が2019(令和元)年7月1日現在で通算2年以上となる者であって、これらの職務経験を通じて体得した効率的かつ機動的な業務遂行の手法その他の知識及び能力を有するもの
(6) 採用後の研修又は職務経験を通じてその知識及び能力の向上が見込まれる資質を有する者

出典:経験者採用試験(係長級(事務))

フリーターを国家公務員にする目的であれば学歴や正社員歴を受験要件にしないと思われますが、それだとフリーターの方が高学歴の正社員に勝てる確率は低いです。

そのため本気でフリーターを公務員にしたいのなら、私だったら採用者の学歴や職歴の上限を設定し、正社員からの転職できないよう規制をします。

<中途採用試験の受験資格(例)>

  • 35歳以上45歳未満
  • 採用時に正社員ではない
  • 正社員歴が2年未満

上記のような採用試験の上限を設定すれば、フリーターから公務員への採用を一気に促進できるでしょう。

もっとも、学歴・職歴の逆縛りを設けて世間が納得するかは不透明なので、あまり現実的ではなない考え方かもしれませんが。

5:国家公務員に中途採用されても高卒程度の扱いになる

国家公務員の経験者採用試験で合格した人は、職歴によって最初から給料が高く設定されています。

そのため、民間企業で働いていた時よりも少し給料が下がった程度で国家公務員に転職した人もいました。

(残業がない国家公務員だとそこまで給料は高く、公務員に転職した人も意外だったみたいです)

【給与明細公開!】大卒と比べても高卒公務員の年収も待遇も悪くない!

しかし、私の知る限り、フリーターとしての職歴は給料に反映しません。

税務職員採用者の場合、高卒よりも専門学校卒の方が給料は高いですが、フリーターは高卒と同じ給料でした。

そう考えた場合、40歳で採用されても18歳の高卒者と同じくらいの年収になることが予想されます。

もちろん、国家公務員の肩書と定年まではリストラになる可能性が極めて少ない環境は魅力的です。

それでも、せっかく中途採用されたのに待遇面が不満ですぐに辞職する人が続出する状況は避けて欲しいところ。

これらのことも国には賃金面も含めて、今後積極的に情報公開をしてほしいです。

ご参考になれば幸いです!