公務員のやりがいは、自己満足するしか方法はありません。
公務員の仕事内容は多種多様です。
- 警察官
- 税務署
- 教師
- 市役所職員
公務員全体の仕事を、一括りにまとめるのはできません。
しかし、一つ言えるのは、自分自身で納得しないと仕事の満足感を得られないことです。
では、どうして公務員は自己満足しかできないのか。
10年以上税務署に勤務した、元職員だから話せる内容です。
1:公務員の仕事は直接人に喜ばれる仕事ではない
公務員の仕事は、直接人に喜ばれる仕事ではありません。
むしろ公務員は嫌われている職業だと思ってください。
⑴ 公務員の仕事は当たり前と思われているから感謝されない
公務員の仕事は、当たり前と思われているので感謝されません。
自分たちが支払っている税金で飯を食べている
公務員の窓口に来署する人ほど、その認識が強いからです。
公務員の仕事で対応した相手から、直接「ありがとう」と言われることはほとんどありません。
公務員が対応するのは当たり前であり、当然の権利だと思っているからです。
⑵ 税務署職員なら確定申告中は苦情の山
税務署であれば、確定申告期間中は、毎日のように苦情対応をします。
税金は誰もが支払いたくありません。
わざわざ並んで確定申告をし、税金を納めることに不満を募らせる気持ちも理解できます。
そんな心に溜まった不満を言えるのは、確定申告会場で納税者対応している職員のみです。
「何か爪痕を残したい」
実際に、そのような方は普通に存在します。
- 楽な仕事でいいね
- どうしてこんなに税金を納めなければいけないの
実際に聞いた言葉を挙げようとすれば、キリがありません。
⑶ 苦情を受け続けて身体を壊す職員は多い
苦情を受け続けて、身体を壊す職員は多いです。
- 教師であれば、モンスターペアレントの対応に心を痛めます
- 市役所職員であれば、いわれのない誹謗中傷を受けます
- 国家公務員であれば、どこの公務員の不祥事でも結びつけて嫌味を言われます
民間企業であれば、顧客を切ることも選択肢としてあります。
しかし、公務員は市民(国民)を選ぶことはできません。
公務員の権利は強いですが、実際に権利行使はできる条件は厳しいです。
窓口に立つ職員は、常に袋叩きの覚悟で仕事をしなければなりません。
2:仕事を主導的に動かすためにはキャリア採用であることが大前提
仕事を主導的に動かすためには、キャリア採用であることが大前提です。
公務員は、民間だけでは行えないような大規模なプロジェクトを実行することもあり、そこに携われるのも魅力の一つです。
しかし実際にプロジェクトの中心となって働くことができるのは、キャリア職員だけであり、99%の公務員は関係の無い話です。
⑴ 公務員は上司の命令が絶対であり自主性は求められない
公務員は上司の命令が絶対であり、自主性は求められません。
たとえ正しい行動であっても、上司の命を無視することは法律違反であり、処罰の対象となります。
国家公務員法(法令及び上司の命令に従う義務並びに争議行為等の禁止)第九十八条 職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。○2 職員は、政府が代表する使用者としての公衆に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。○3 職員で同盟罷業その他前項の規定に違反する行為をした者は、その行為の開始とともに、国に対し、法令に基いて保有する任命又は雇用上の権利をもつて、対抗することができない。
税務署であれば、国税局、国税庁、財務省が上級機関に該当し、それらの組織を束ねているのがキャリア組の職員です。
命令する側になるなら、キャリア採用を目指すしかありません。
⑵ 仕事以上に大事になるのは人付き合い
仕事以上に大事になるのは、人付き合いです。
公務員の仕事は、客観的な評価が難しいです。
営業職なら、営業成績で優劣を付けられますが、公務員が利益を上げる仕事をすることはありません。
そうなると重要になるのが、上司の評価。
仕事がイマイチでも、上司の評価が高ければ出世できるのが公務員の正解です。
キャリア採用でも、官僚クラスになれるのはごく一部。
人を動かすためには、同期を蹴落とす必要が出てきます。
⑶ キャリア職員の方がノンキャリア職員より大変
キャリア職員の方が、ノンキャリア職員より大変です。
キャリア採用の仕事は、決して楽ではありません。
単純な労働時間であれば、ノンキャリア組よりも長時間働きます。
よく叩かれる財務省ですが、夜中の12時まで仕事をすることも普通です。
国会開催中は、国会の進行によって作業内容が一変することもあります。
しかし、財務省は国のお金を握っているトップの機関ですので、国の予算を使い国を動かすことが出来る唯一といってもいい場所です。
これは公務員でしかできないことです。
3:利益を無視した仕事は公務員にしかできない
利益を無視した仕事は、公務員にしかできません。
公務員と会社員では仕事内容に差はありますが、明確な相違点はありません。
唯一、公務員にしか出来ない仕事は、費用対効果を伴わない仕事です。
⑴ どうでもいい作業でもお金をもらえるのが公務員
どうでも良い作業でもお金をもらえるのが公務員です。
公務員には、民間企業の感覚では理解し難い、しょうもない作業が沢山あります。
100人しか使うこともない冊子を何百、何千枚と作成したり、毎年倉庫一杯に廃棄処分となるパンフレットや用紙類を一方的に送り付けてきます。
社会の常識的には考えられない、作業は本当に存在します。
⑵ コスト意識が乏しいので何も考えないで仕事ができる
公務員はコスト意識が乏しいので、何も考えないで仕事ができます。
コスト削減意識は公務員にも存在します。
ただ、コスト削減の意識が組織全体でズレているのが公務員です。
同じ2割カットでも余分がある業務の効率はそのままにし、目に見える場所のみコスト削減の対象です。
コスト意識を持ったら、仕事は続けらません。
一般職員が意見を言っても変わらないのが公務員の体質です。
⑶ 無償の奉仕の代償は内部・外部の評価の相違
公務員は、社会全体の奉仕者です。
本来、市民(国民)のために仕事をするのが公務員の役割です。
しかし、丁寧に対応する職員ほど、内部の評価は低いです。
公務員の内部は、相談対応を評価しません。
苦情にならない程度に、相談を切り上げる職員ほど評価されます。
もちろん、相談を受けた人からすると逆です。
職員自身もそれを理解していますので、真面目な職員ほど内部から評価されない矛盾が常に隣り合わせです。
4:公務員は今やっている仕事だけにやりがいを見出すしかない
公務員は、今やっている仕事だけにやりがいを見出すしかないです。
職種ではなく、作業自体に価値を見出す必要があります。
⑴ 自分の仕事を工夫して成長を感じることが大事
自分の仕事を工夫して、成長を感じることが大事です。
事務作業でも成長はできます。
- キレイに書類をまとめる方法
- 最短で作業を終わらせる方法
- できるだけ考えないで仕事をする方法
正解はありません。
ただ、正解がないからこそ、自由に工夫することができます。
- 昨日より10分早く仕事が終わった
- 途中で仕事が中断したけど勤務中に完了した
- 上司に文句を言われず仕事ができた
自分なりの成長で大丈夫です。
自分の中の成長は、他人には邪魔されません。
自己完結は、公務員に必要な要素です
⑵ 公務員全体ではなく職種ごとの魅力を知るべき
公務員全体ではなく、職種ごとの魅力を知るべきです。
公務員に魅力を感じたいのであれば、多種多様にある公務員の職種自体に憧れをしかありません。
- 教員であれば生徒に教えること
- 警察であれば犯人を捕まえること
- 税務署であれば税務調査で脱税者を把握すること
それらの行動は、キャリア・ノンキャリア関係ありません。
むしろ、ノンキャリアの方が現場に出れるのでより、満足感を味わえることもあります。
泥臭い行動もありますが、泥臭いことすら『やりがい』と思えて、初めて公務員になる意味がでてきます。
5:仕事で満足したした体験を思い出すとやりがいが見えてくる
仕事で満足したした体験を思い出すと、やりがいが見えてきます。
公務員のやりがいポイントは、3点です。
- 組織を動かしたいならキャリア組
- 無駄な事ができるのが公務員の強み
- やりがい持つなら職種が持つ仕事内容に着目する
公務員のやりがいは、あくまでも公務員の仕事のやりがいです。
あなたが、やりがいを感じられるかは別です。
やりがいで悩んでいる人は、小さな仕事で嬉しかったことや楽しかったことを思い出してください。
仕事のささやかな喜びは、公務員でもあります。
公務員を続けるなら、ささやかな喜びを続けて感じられる行動をしましょう。
自分の中で生まれる動機が、やりがいに変わっていきます。
ご参考になれば幸いです!