公務員の職場環境

クビは禁止。公務員にリストラ制度が導入したら行政は終わる

選択

公務員にリストラ制度を導入したらいけません。

万が一職員をクビにできるようにすれば、行政サービスは破綻します。

現状の法律では、公務員をリストラすることはできません。

たとえ、仕事が出来ない職員であっても、役立たずの職員であっても法を犯さない限り職員の地位は保障されています。

私の現役の税務署職員時代を思い返せば、無能な職員はいました。

なんで俺の半分の労働力で倍の給料もらってるの?」とツッコミたくなるような職員は、1人2人ではなかったです。

ただ、それでも公務員にリストラ制度を導入するのは反対。

なぜなら、リストラ制度は国民にとって不利益になるからです。

1:行政が破綻しない限り公務員はリストラにならない

考える

行政が破綻しない限り、公務員はリストラになりません。

ただ、実はリストラの意味からすると、公務員にもリストラ制度は存在します

 ⑴ リストラは解雇を意味するので条件に該当すれば公務員もクビになる

リストラは解雇を意味します。なので、解雇条件に該当すれば、公務員もクビになります。

公務員が、犯罪を犯した場合には懲戒解雇(懲戒免職)となります。

現在でも、暴行や傷害事件を起こした公務員はクビとなっています。

なので、公務員にリストラ制度を導入しようとしても、すでにリストラ制度はあるのです。

 ⑵ 一般的なリストラに該当する解雇は整理解雇

一般的なリストラに該当する解雇は、整理解雇です。

整理解雇の意味としては、会社の存続のために人員削減をせざるを得ない場合に適用されます。

整理解雇

労働慣習で狭義の意味での「整理解雇」の目的は、事業の継続が思わしくないことを理由に再建策(リストラ)を行なわれなければならないのであるが、その中の人員整理について行うことで、事業の維持継続を図ることである。一般に普通解雇や懲戒解雇は、従業員側にその理由があるが、整理解雇は会社側の事情にもとづくものである。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より参照

整理解雇を、国に当てはめることも可能です。

国家公務員なら、国の歳出歳入のバランスが破綻し、存亡がかかった有事には整理解雇もあり得るかもしれません。

しかし、現実的に国家の存亡の危機なることは、考えにくいです。

財政破綻した夕張市でさえ、整理解雇は行ってませんので。

 ⑶ 整理解雇は4つの条件に該当する場合のみ適用できる

整理解雇は、4つの条件に該当する場合のみ適用できます。

整理解雇の四要件

整理解雇の要件について東洋酸素事件(東京高裁昭和54年10月29日)で以下の四要件が示された。

  1. 人員整理の必要性
    余剰人員の整理解雇を行うには、削減をしなければ経営を維持できないという、企業経営上の高度な必要性が認められなければならない。
    人員整理は基本的に、労働者に特別責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされることから、必要性の判断には慎重を期すべきであるとする。
  2. 解雇回避努力義務の履行
    期間の定めのない雇用契約においては、人員整理(解雇)は最終選択手段であることを要求される。
    例えば、役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等により、整理解雇を回避するための経営努力がなされ、人員整理(解雇)に着手することがやむを得ないと判断される必要がある。
  3. 被解雇者選定の合理性
    解雇するための人選基準が合理的で、具体的人選も合理的かつ公正でなければならない。例えば勤務成績を人選基準とする場合、基準の客観性・合理性が問題となる。
  4. 手続の妥当性
    整理解雇については、労働者に帰責性がないことから、使用者は信義則上労働者・労働組合と協議し説明する義務を負う。特に手続の妥当性が非常に重視されている。例えば、説明・協議、納得を得るための手順を踏まない整理解雇は、他の要件を満たしても無効とされるケースも多い。
    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より参照

※ 整理解雇は法律用語ではないのですが、解雇の裁判で裁判官が『整理解雇』と使用したことで一般用語化しています。

理由を付けて公務員をクビにすることはできます。

しかし、クビにした職員から裁判を起こされた場合に、負ける可能性があるのです。

整理解雇の条件を公務員にあてはめると、②解雇回避努力義務の履行がかなりネックです。

第一優先は雇用の確保です。

職員の給料を減らしても雇用の確保が難しくなって初めて解雇することができます。

また、国家公務員なら、出先機関が多いです。

税務署が難しくても、他の国家公務員に人事異動が可能なら、職員をクビにはできません。

2:公務員をリストラしようとしても能力で判断ができない

公務員をリストラしようとしても、職員の能力で判断ができません。

明らかに能力のない公務員は存在します。

しかし、無能と判断できる客観的な要素がありません。

 ⑴ 公務員のリストラ対象となる能力不良の基準が不明確

公務員のリストラ対象となる、能力不良の基準が不明確です。

公務員は、利益を追求する職場ではありません。

利益を追求しないのが公務員の仕事です。

営業職であれば、売上げが低い職員会社としては能力が低い職員と判断します。

ですが公務員の場合には、「仕事ができない職員」を客観的に判断する目印がありません。

例えば、いつも笑顔でどんな相談にも乗ってくれるAさんがいたとします。

Aさんは納税者からのどんな相談にも対応するため、相談時間は他の職員よりも人一倍多く、自らの事務は後回しになります。

そうなるとAさんは毎日残業をして、自らの業務をこなします。

納税者から見た場合、Aさんは優秀な職員に見えます。

しかし、国(組織)から見れば、Aさんはよくない職員に該当します。

国側から見た場合、相談事務は何も成果を生みだしません。

民間企業であれば、お客さんの相談を受けることが売り上げに繋がる可能性はあります。

しかし、公務員(例えば税務署)であれば、納税は義務です。

納税のための相談をしなくても、強制的に回収すればいいだけです。

相談対応をした結果、残業をすると、勤務時間内の時給単価の1.25倍がコストになります。

国としたら、コストがかかる職員になります。

つまり、外側から見た職員の評価と、内側から見た評価は全く異なるので、判断がm

 ⑵ 給料が下がれば優良な公務員が先に辞めるので組織の機能が低下する

給料が下がれば、優良な公務員が先に辞めるので、組織の機能が低下します。

整理解雇を行う場合でも、それ以前に給与カット等の対応はしなければいけません。

一番被害を受けるのは、若手職員です。

公務員は年功序列です。

年齢が上がるほど給料が上がります。

私の30歳時点の年収は500万円でした。

給与明細表
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公務員の平均給料が約650万円です。

しかし、平均年収に到達するには25年程度働く必要があります。

(公務員の平均年齢は44歳)

公務員の給与カットをする場合、職員全体でカットされます。

人件費の高い中高年の職員のみが給与カットされるべきですが、そんなことはしません。

なぜなら、判断するのは中高年の職員だからです。

そうなれば、若手職員の働く意欲は無くなります。

給料が安ければ公務員で働く必要がりませんので、転職をします。

その結果、優秀な若手職員は退職し、組織に残るのは、退職できない中高年と公務員に待遇に憧れた職員のみです。

公務員組織としては、最悪の人員構成となります。

 

3:公務員の職員数は最小か最大にしないと意味がない

選択肢

公務員の職員数は、最小か最大にしないと意味がないです。

公務員の人数を減らすと、サービス低下が著しくなります。

 ⑴ 公務員の職員数の最小化はコスト削減とサービス削減

公務員の職員数の最小化は、コスト削減とサービス削減になります。

最小化のメリットは、合理性を最優先し、最小限の職務のみをこなすことによって人件費を減少させます。

一見ベストかと思いますが、その分公共サービスは最低限に留まってきます。

最低限の職員数にした場合、まず役所での面接相談相談は無くなります。

対応は全てメールか音声ガイダンスになります。

手続きに関しても納税義務などに関しては連絡は一切行わず、期限を徒過した場合には即刻に徴収手続きをするでしょう。

(催告する手間を省略するため)

 ⑵ 公務員の職員数の最大化は労働者の働き口として役に立つ

公務員の職員数の最大化は、労働者の働き口として役に立ちます。

残念ながら、AI技術の発達、機械化が進むにつれて、機械に劣る仕事をする人間は職を失います。

失業者が増加すれば、国としても損失です。

損失を回避するために、AI発達後の職場の受け皿として公務員を使用するのです。

公務員の職員数を倍以上にしても、給料を半分にすれば、トータルのコストは増加しません。

民間企業では機械の方がコストが安いため行えない仕事を、公務員が一手に引き受けば失業者は減ります。

公務員の価値を変えることで、公務員の存在意義を持たせることができます。

4:親切な対応をする公務員ほど組織的には不要な存在

親切な対応をする公務員ほど、組織的には不要な存在です。

私の税務署時代に、こんな出来事がありました。

配属されて数年、ある程度相談対応もできるようになった私は、日々相談対応を行っていました。

日頃から「納税者の視点に立って対応をしなさい」と幹部から言われていたので、文字通り納税者の持つ疑問質問は解決をしていきました。

そんなある日、私が納税者からの電話相談が終えると上司から一言ありました。

 

「相談は5分以内に終わるように努力しなさい」

私は1回の電話相談で、10分以上1人の相談者と相談対応をしていました。

税務署に勤務する職員は電話応対専門職員ではありません。

電話応対をした分、自分の仕事を圧迫する行為です。

コストで考えば、上司の発言は正しいです。

しかし、要点だけを回答して相談を終わらせることは「納税者の視点に立った行為」ではありません。

最小限の回答しかしない公務員に満足するでしょうか。また、そんな組織を快く思うでしょうか。

大きな視点で考えれば、コストカットは喜ばれます。

現場単位で考えれば、合理的な対応は批判を浴びます。

リストラをするにしても、何を優先するかでクビにする職員は変わってきます。

  • 冷徹な職員を公務員として残すか
  • コストはかかるけど、丁寧な対応をする職員を残すか

満場一致でクビにできる要素はありません。

なので、リストラする場合には、国民側もリスクを背負う必要が出てくるのです。

ご参考になれば幸いです!