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【税務職員】キャリア・ノンキャリア採用の時点で出世は決まる

キャリア採用のエリート
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キャリアとノンキャリアの違いはわかりますでしょうか。

キャリア採用・・・東大卒レベルの超エリート

ノンキャリア採用・・・高卒・大卒問わずキャリア採用以外の職員

踊る大捜査線(ちょっと古いですが)で一躍隔たりが表面化したキャリアノンキャリアですが、警察官だけではなく税務署職員もその対象です。

一般的に各省庁の中でお財布(財政)を握っている財務省(旧大蔵省)が一番立場が上とされていますが、(一応)全省庁は横一線で各省での格の違いはありません

出世の道に関しては、高卒採用から省庁のトップに上り詰めるのは不可能です。

ですが、それでも高卒が税務署長になることはあります。

実際、現在の税務署長の何割かは高卒採用であり、高卒・大卒の採用割合から考えれば学歴格差は少ないです。

(大卒採用の方が2,3倍多い)

それでも、キャリア組とノンキャリア組では明確な出世格差は存在し、採用の時点から限界点は違います。

そんなキャリア・ノンキャリアの格差についてご紹介していきます。

 

1:キャリア職員とノンキャリア職員は採用試験段階で既に決まっている

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キャリア採用とノンキャリア採用はそもそも採用試験自体が違います。

なので、公務員になる前から出世する限界は決まってしまうのです。

国家公務員の試験の名称は昔と呼び名が変わっています。

現在では、

キャリア採用国家公務員総合職試験

ノンキャリア採用国家公務員一般職試験

と区分されています。

採用試験の変遷
  • 国家公務員上級甲種試験 →国家公務員I種試験 → 国家公務員総合職試験(院卒者、大卒程度)
  • 国家公務員上級乙種試験 →国家公務員II種試験(本省採用等) → 国家公務員一般職試験(本省採用等)(大卒程度)
  • 国家公務員中級試験 →国家公務員II種試験 → 国家公務員一般職試験(大卒程度)
  • 国家公務員初級試験 →国家公務員III種試験 → 国家公務員一般職試験(高卒者)

出典「Wikipedia 公務員試験」

 

 ⑴ キャリア採用(財務省勤務)

国家公務員採用総合職試験には大学院卒大学卒の採用枠があります。

学歴は非常に高く、採用される人のほとんどが東大クラスの学歴を持つレベルです。

国家公務員採用総合職試験に合格すると、キャリアとなるためノンキャリアの職員より出世が遅くなることはありません。

(キャリアとの表現は公の場では使用しません)

 

財務省のキャリア職員は経験として国税庁や国税局に勤務することはありますが、そのまま(財務省の)下部組織に居座ることは無いです。

また、昭和から平成初期までは20代のキャリア職員が税務署長になることは普通でしたが、現在はほとんど税務署長になることはありませんので税務署に勤務すること自体無くなりました。

(20代の人間が税務署のトップになれたのは年功序列を壊していたので時代を先取りしてたかもしれませんが(笑))

 ⑵ ノンキャリア採用(国税庁・国税局・税務署勤務)

国家公務員一般職採用試験に合格することで職員になります。

極めて僅かに財務省の幹部クラスになる方もいますが、基本的にキャリア採用の職員を出世で超えることはありません

税務署勤務からスタートし、その後出世をする人は国税局・国税庁に勤務することになります。

若い時に財務省に勤務することはありますが、ほとんど雑務であるため、言葉は悪いですがキャリア職員の手下として働くことになります。

 

2:ノンキャリアの採用試験パターンは高卒・大卒・中途採用

採用

試験の種類としては3パターンです。

  •  国税専門官試験(大卒クラス)
  •  税務職員採用試験(高卒クラス)
  •  経験者採用試験(中途採用)

 ⑴ 国税専門官は大卒程度のレベルの試験を合格すること

通称 専科(せんか)

大卒が採用されますが、採用者には慶応や国立大学卒など「キャリア試験受けても良かったのでは?」と思う学歴を持っている職員もいます。

国税専門官は採用されるとまず3か月研修を行い、修了後、税務署の管理運営部門に配属されます。

・ 管理運営部門

税金の収納や窓口業務などを行う部署。

 

1年間管理運営部門に勤務をした後自分の所属する部署が決定し、配置されます。

(一応希望を書くことはできますが、そこまで希望は叶いません)

基本的には

法人課税部門個人課税部門資産課税部門徴収部門のいずれかに配置されます。

・ 法人課税部門

法人企業を対象とした部門

 

・ 個人課税部門

個人事業主や給与所得者の対象とした部門

 

・ 資産課税部門

相続税、贈与税、個人の不動産及び株式譲渡の所得に関して取り扱う部門

 

・ 徴収部門

税金の滞納者や延納者の納税説明や財産差押等により税金を回収する部門

 

毎年7月の定期人事異動で勤務地の異動や部門の変更が行われます。

(本人の希望なんてものは儚いものです)

また、所属部署が決まってから3年目の8月から翌年2月まで長期研修があり、これを修了することで、税理士資格の権利の一部を取得できます。

(最低23年以上勤務と併せることにより税理士試験が免除されます)

 

 ⑵ 税務職員は高卒程度の試験だが専門学校出身者が多い

通称 普通科(ふつうか)

高卒や専門学校卒業程度が基準です。

私の時代は7:3で高卒が多かったですが、今は2:8くらいで専門学校出身者が多いです。

 

税務職員採用と国税専門官採用の違いとしては、

  •  採用後の寮生活での研修期間が1年であること
  •  数年後に数か月の研修があること
  •  昇進が国専よりやや遅いこと

採用後の研修は税務大学校という場所で1年間研修を受けるのですが、詳細はこちらをご覧ください。

税務大学校
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国税専門官採用は税理士資格を取得する実質勤務年数だけが条件ですが、税務職員採用は部内の選抜試験に合格しないと税理士資格の条件を満たしません。

選抜試験に合格し、1年研修を行い税理士資格の一部が手に入るので、その後勤務年数を積み重ねると税理士資格を得ることが出来ます。

(税理士資格取得のための勤務年数は国専採用と同じ)

 

因みに部内試験に不合格の場合でも救済措置(1年間の通信研修)があるので、それを修了することでも税理士資格を得ることも可能です。

(なので定年まで勤務する職員はほとんど税理士になることが可能)

 

因みに私は高卒なので税務職員枠で採用されました。

昇進に関しては勤務年数で考えると国税専門官採用より遅いですが、最初の昇進は年齢的には国税専門官+1年くらい後にはするので、民間企業よりかは学歴の差は少ないです。

(職員の実績により多少前後します)

 

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 ⑶ 経験者採用は中途採用枠であり競争率が高い狭き門

通称 社会人枠(しゃかいじんわく)

近年設けられた採用枠で、まだ数年しか採用者はいません。

採用はざっくりと30~40歳の人を採用します。

受験資格

平成30年4月1日において、大学等を卒業した日又は大学院の課程等を修了した日のうち最も古い日から起算して8年を経過した者

出典 国税庁

 

採用後、最初の3か月は研修を行い、税務署に配属となります。

その際に所属する部署も決定します。

(法人課税部門、個人課税部門、資産課税部門、徴収部門)

採用時は国税専門官採用より上の立場で採用されますので、他の採用枠よりも初任給は高めです。

しかし、経験者採用枠の人に話を聞くと、前職(民間企業)の方が給料が高かったという人が多かったので、そこまで高額の給料ではありません。

(残業代を差し引くと別かもしれませんが)

なお、経験者採用は創設されてまだ浅いので、昇進については未知数です。

 

3:ノンキャリア職員がキャリア職員の上に立つことはない

坂

税務署は財務省を頂点とする組織ですが、頂点の財務省の幹部にノンキャリア採用の職員が就くことはありません。

幹部のキャリア率(イメージ)

財務省(ほぼ100%)

国税庁(80%)

国税局(50%)

税務署(ほぼ0%)

ノンキャリアでは税務署のトップである税務署長に就くことは可能ですし、国税庁や国税局の幹部になることもありますが、ノンキャリアが国税庁や国税局のトップになることはありません

国の組織は、組織の上下関係が絶対なので、国税庁が財務省に逆らうことはできませんし、国税局が国税庁に逆らうことはできません。

なので、組織を動かす目標であるならば、キャリア採用を選択しなければその道は閉ざされてしまいます。

 

4:キャリア採用職員は現場ことは一切興味がない

キャリア採用はノンキャリア職員を管理する立場になります。

したがって、現場職員の気持ちを考えることはしません。

(管理される側の気持ちを考えすぎると操作できなくなりますので)

確定申告の時期や特定の時期に巡回に訪れることがあっても、キャリアが税務署に常駐することはありませんので、現場の実態を知らない人がほとんどです。

仕事内容も組織が下になるほど国民と向き合いますが、上になるほど国民と直接接することはありませんので、たとえ騒動があっても対岸の火事です。

(火事の発生源はキャリア職員なんですけどね(;^ω^))

ですので、同じ公務員といえど、採用された瞬間に違う存在となるのがキャリア・ノンキャリアとの違いです。

 

ノンキャリアの中でも、環境の違いがありますので、コチラをご覧ください。

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ご参考になれば幸いです!