行政はアナログ社会です。今でも昔ながらの体質環境にあります。
一昔前までならよかったです。ですが、現代社会の技術革新は留まることを知りません。
エストニア国は電子国家と言われるほど、全てを電子化にしています。
しかし、日本では相変わらず紙社会。
地方自治体だとメールでのやりとりも出来るかもしれませんが、税務署でメールのやり取りをすることはできません。
最速の伝達手段は未だにFAXですので。
原因は、アップデートをするメリットが職員自身に無いからです!
過去を踏襲(とうしゅう)すれば、評価は下がりません。逆に新しい事をすると、失敗した部分だけを切り取られます。
それでいて、職員として評価されるわけではありません。
そんな、公務員の体質についてご紹介してきます。
1:公務員にとって過去の仕組みが完成版なのでアップデートする必要がない
⑴ 公務員は常に完璧でなければいけない職業
公務員の仕事に点数を付けるとしたら何点でしょうか。
- 0点
- 30点
- 60点
- 100点
意見は様々あるとは思いますが、100点満点をつける人はいないですよね。
公務員100点満点の評価を獲得するのは困難ですが、公務員ほど100点を求められている職業はありません。
給料は0円に近い方が喜ばれますし、残業手当が正当につくのに嫌味を言われたりします。
(公務員が残業代守らないと誰が守るんだって話ですよね)
そんな状況下でも公務員は常にパーフェクトを目指さなければいけません。
ですが、満点を狙うことで行動が保守的になってしまいます。
10キロマラソンを完走する
と
ハーフマラソンを12キロ地点でリタイアする
のではどちらの方が凄いでしょうか。
距離的には12キロ走ったハーフマラソンですよね。
でも結果としてはハーフマラソンはリタイアです。
公務員の場合たとえ頑張ったとしてもリタイアに終わる結果では批判を浴びてしまいます。
「もっとやれただろう」と。
なので距離が10キロに短縮されたとしても、完走した実績の方が評価されます。
故に、公務員は常に完走できる無難な距離だけを選択し、挑戦をしないのです。
⑵ 前年踏襲は前年が不正解ではないから起こる
公務員の事務は基本的に前年踏襲です。
去年行ったことを前提として計画が組まれます。
前年踏襲すれば失敗はないので、わざわざリスクを取る必要がありません。
(新しい事しても昇進もしないので)
仮に今年は完全な失敗に終わったとしても、前年踏襲をして想定外の結果だったと言い訳がつきます。
公務員が最も恐れるのは失敗ですので、その失敗が抑えられる前年踏襲が一番楽なのです。
2:行政機関は新しい事をすると100%批判されるので誰もやりたくない
⑴ 現代の進化速度は100%の状態を生み出せない
スマホアプリは基本的にアップデートの繰り返しですよね。
1週間に1度は更新作業がありますし、大きな仕様変更もあったりします。
10年前でもPCの更新はありましたが頻繁に更新作業はありませんでしたし、20年前のゲームなら発売されたのモノが完成版でした。
(バグも仕様)
情報や技術は発信した時点から既に最先端ではなくなります。
常に新しい技術や新しい情報が交錯しており、直ぐにアップデートしないと完全に遅れた産物化す可能性もあります。
それを踏まえると本来行政も毎週のように進化しなければいけません。
ですが、公務員の現場レベルのアップデート(税制改正)は早くて1年後。
今年新しい技術が開発されても、そのための法律が制定されるのは年度末(3月)の国会です。
脱税の抜け道があっても過去にさかのぼって(遡及)法律の適用はできません。
つまり、法律のアップデートまでの期間は穴の開いた状態で対処をしなければいけばならないのです。
法律が成立しても既に古くなっていますが、そのやり方が数十年と変更することなく今も継続しています。
⑵ 今までに満足していた人からするとアップデートは改悪でしかない
税務署の確定申告の電子化はメリットの方が多いのは税務署にとっても納税者双方とも同じです。
ですが、実際には電子化に移行する場合には税務署内部との納税者双方からの反対意見がありました。
税務署内部の場合、電子化のやり方が紙ベースを踏襲しているのであまり変化が起きていない点と、紙で慣れている職員がほとんどなので「変更は面倒」との意見が数多くありました。
納税者側からすると高齢者を中心にPC作業が出来ない人が数多くいるため、書面を廃止することで不便になるからです。
最初から電子化の波に乗っている人からすれば紙での手続きは苦痛でしかありません。
市役所の届出書も未だに書面ですし、市役所に赴かなければいけません。
書面手続きはの用紙費用と人件費がかさみます。
それでも今まで行ってきた人からすると、今までの機能が失われるアップデートと同様に感じてしまいます。
どんなに新しいシステムの方が有益であっても、慣れ親しんだシステムが大事なのです。
⑶ 民間との違いは詫び石を贈呈できないこと
公務員は国民全員に平等に接しなければいけません。
どんなにミスを犯して謝罪をしたとしても税金を減額することはできません。
これがアップデートできない最大の理由です。
スマホゲームでは詫び石と言われる利用者に対して保証をするのが一般化しています。
ですが、公務員には詫び石の手当の方法はありません。
不適切な対応をした場合、公務員がとれる行動は謝罪することのみです。
税務署の場合、管理職の職員が納税者の自宅に謝罪に行くことは日常ですが、税務署長が文書で謝罪することは一切ありません。
なので、口頭謝罪だけで終わらせるために何時間も何日も時間をかけることは特別ではないのです。
そこに人件費の考えは頭にはないので。
3:公務員も競争相手がいれば自然とアップデートをするようになる
⑴ ふるさと納税によって地方自治体が競争するようになった
ふるさと納税自体の仕組みには難点もありましたが、一定の効果はありました。
その中でも効果があったのが地方自治体のアピール合戦です。
ふるさと納税以前の地方自治体はそこに住んでいる人だけに目を向けていました。
元々少子高齢化も相まって、外部からの収益も模索しなければいけな現状はあり、観光が強い地域であれば発信力はありましたが、それ以外自治体は特に努力をしてきませんでした。
ですが、ふるさと納税でそれが一変します。
地域の食材や名産が武器となりそのリターンとして何億何十億の収益となって返ってくるのです。
ふるさと納税は変な観光スポットを設計するよりも、よっぽど効果的かつ効率的に税収を増やすことができました。
結果として返礼品の高騰化に繋がりましたが、初めて地方自治体が自分たちの売り出すキッカケになったのは地域活性化には貢献できたのではないのでしょうか。
⑵ 公務員の意識を変えるには住民の意識を変えることが必要
少子高齢化社会において機械化は必須です。
機械化の反対意見もありますが、それに構っている暇はありません。
そこで大事なのは住民を変化することに慣れさせることです。
高齢者が多い村でも、『葉っぱビジネス』でタブレットを使いこなす地域もあります。
・ 葉っぱビジネス
高級料亭などで使用する『つま』を材料として提供するビジネス。
田舎では山林を所有する人が多いため、毎日来るオーダーにあった『つま』葉っぱを採取して、出荷します。
有名なのが『株式会社いろどり』です。
タブレットを使用することで効率的かつ効果的に葉っぱを価値のある商品への進化させました。
特出すべきは大半は高齢者であり、高齢者が自ら進んでタブレットを使用していることです。
メリットがわかれば人は動きます。
介護でも機械の良さが浸透すれば機械に依頼する人も多くなります。
どこかの自治体で機械化を推進し、それが認知されれば介護施設ビジネスも出来るかもしれません。
その広報は公務員がやらなくてはいけないのでその努力が今後必要です。
4:公務員も住民も現実を直視しないと動こうとしない
人間の本質的に変化に対して憶病なのはしょうがないのですが、そうも言ってられないほど変化が必要な社会になっています。
消費税の増税や社会保障費肥大化は話題にはなりますが、リアルに実感できている人はどのくらいいるのでしょうか。
人は直接的なメリット・デメリットが見えないと動きません。
公務員も変化しないことによるデメリットを直接感じていなので動こうとはしないのです。
公務員自身がアップデートするのであれば、給料の変動制や歩合制なので目に見える形になるのが望ましいですが、残念ながらそんな雰囲気が無いのが現状です。
それでも現場はできる範囲で頑張っているので上層部が変化することに一縷の望みを託しましょう!
ご参考になれば幸いです!