税務署職員(公務員)は、辞める前に現実を受け止めるべきです。
辞職を決断するのは、自分の意志。
「意外と辞めている人もいる」
「なんとなく今の職場が嫌だから」
公務員を辞めた人の話を聞くのもいいですが、他人の話に流されては後悔します。
辞める前に辞めた人の情報は集めてください。
情報を集めた上で、自分の選択の参考にするのは賢明な判断です。
しかし私の経験上、実際に公務員(特に税務署職員)から転職した本人の転職体験談の記事はほとんどありません。
体験談が無いと、不安になりますので、私自身が実際に体験した心境をお教えします。
1:税務署職員からの転職した年収は下がる
税務署職員からの転職したら、年収は下がります。
もちろん100%ではありません。
しかし、資格も技術もない人間が、キャリアアップするのは容易ではありません。
転職で給料が上がる条件は、今の職場よりも評価してもらう場合です。
客観的に考えて、今の自分の仕事内容は、給料に見合ってますでしょうか。
少なくても、仕事量と給料が釣り合っていないと、転職しても給料はさがります。
税務署職員であれば、23年以上勤務など、条件を満たせば税理士資格を獲得できます。
しかし、税理士資格を所有していても、自身で開業しなれば普通の会社員と扱いは変わりません。
資格だけで、年収1000万円の時代はではありませんので。
2:公務員ほど安定して変わらない職場は存在しない
公務員ほど、安定して変わらない職場は存在しません。
だからといって、それが良いとも言い切れない部分でもあります。
- 変わることのない年功序列制度
- 抜群の福利厚生
- リストラ無の安定社会
- 圧倒的社会的信用度
⑴ 公務員の職場が年功序列制度から外れることはない
公務員の職場が、年功序列制度から外れることはありません。
社会は成果主義に変化しつつありますが、公務員は組織として年功序列制度を守っています。
公務員が一番根強く残っています。
公務員にも職員組合があります。
(警察など、組合を禁止している公務員もあります)
権利は一部制限されていますが、組織に対して職場環境の改善要望を伝えることの出来る大事なポジションです。
しかし、職員組合が毎回意見要望するのは、ポスト(役職)の確保のみ。
自分たちが、年功序列で登った時に、座るイスを確保するために活動しています。
年功序列制度もデメリットだけではありませんが、少なくても頑張っても意味のない時間が数十年と続きます。
公務員でいる限り、変わることはありません。
⑵ 公務員に勝る福利厚生の制度はない
公務員に勝る福利厚生の制度はありません。
一部企業では金額面で公務員を超える福利厚生もありますが、公務員を景気に左右されない福利厚生があります。
- 有給休暇(年間20日)
- 育児休暇
- 勤務時間短縮制度
- 年金制度
- 家賃手当
- 特別休暇(夏季休暇)
- 保養施設etc…
⑶ リストラ(整理解雇)の心配がない職場
公務員は、リストラの心配がない職場です。
生産性の向上と叫ばれる昨今ですが、8時間勤務してればリストラされない境遇は良し悪しにもなります。
もちろん、法を犯せば、懲戒処分や懲戒免職など厳しい処罰はあります。
しかし、何もしない公務員は、リストラされません。
(無能=処分ではありません)
リストラ制度についても考えましたが、5年10年単位で制度が確立することはないでしょう。
https://yakutatsu-yakoma.com/2018/11/04/risutora/
私が現役時代に、私の倍給料貰ってるのに、新人より働かない職員はたくさんいました。
働かないで、給料をもらうのが理想的であれば、そのまま公務員と働くのも選択肢です。
しかし、公務員の仕事に悩む人が、今の環境に満足できるとは思えません。
⑷ 公務員が社会的信用度が一番高い
公務員の社会的信用度が一番高いです。
アパートの契約やローン契約に関しては、絶大な効果があります。
婚活にも、プラスのステータスになります。
(私は一切作用しませんでしたが)
その反面、公務員を辞めた場合には、必ず言われることがあります。
公務員を辞める決意をされた場合には、楽しみにしててください。
3:将来的に公務員の職場環境が良くなる未来は見えない
将来的に、公務員の職場環境が良くなる未来は見えません。
男女間の出世格差など社会的に問題となっている部分については改善されると思います。
しかし、待遇面で公務員が更に良くなることは考えにくいです。
⑴ 国家公務員の給料は民間の賃金を参考にしている
国家公務員の給料は、民間企業の賃金等を参考としています。
地方公務員については、国家公務員の給料を参考にしますので、間接的に影響は受けます。
民間の賃金は景気が良くなれば当然上昇、景気が悪化すれば下落します。
しかし、日本には大きな問題があります。
そう、少子高齢社会であり、人口減少社会の問題です。
人口が減少すれば、市場規模も縮小します。
そうなると売上も下がりますので、給料も下がります。
民間の給料が下がれば、公務員に反映されますので、公務員の給料は確実に減少する未来しかありません。
⑵ 再雇用制度が労働環境を悪化させる
再雇用制度が労働環境を悪化させます。
年金や退職金の減額などは確実であり、若い世代が年金受給者となる時点でどのくらい受け取れるかは不透明。
個人的に、公務員として働く上で辛くなるのが、再任用・定年延長による職場環境の変化です。
現在も定年退職者のうち、希望者に関しては再任用として最大65歳まで働くことができます。
また、国会で公務員の定年延長を議題としてますので、近い将来に65歳定年は確実に実施されます。
(70歳までの雇用の話が出ています)
再任用される場合、大部分の人は役職が解かれるので平社員扱いとなります。
ですが、定年まで課長・部長クラスで働いていた人が定年の区切りで平社員に戻ったら、周囲はどのような扱いをするでしょうか。
表面上はイチ先輩職員として扱い、再任用された職員もそう認識するでしょう。
しかし、実際問題として、現場はかなりやりにくいのが現状です。
再雇用された60歳の平社員に、雑務を依頼できますでしょうか。
依頼するのは、現実的ではありません。
⑶ 若手職員の減少で職員の人員構成が歪になる
若手職員の減少で職員の人員構成が歪になります。
税務署の構造上、活きのいい若手は税務署から国税局に行って選別作業が行われます。
当然、国税局は20、30代の働き詰めができる職員を囲い込みます。
優秀な職員や使い勝手のいい職員はそのまま国税局勤務となりますが、使い勝手の悪い職員や病気を患った職員は、税務署の現場に戻すのが今の組織です。
現時点においても、税務署で20代と50,60代しかいない歪な年齢構成の部門が多数存在します。
表向きは、「経験豊富な先輩が若手をサポートする」と言いますが、経験豊富で若手育成に積極的な人が平社員のまま税務署にい続けるでしょうか。
割合で考えれば少数派です。
定年が70歳75歳を引き上げになってもおかしくありませんので、長期的に上の世代が抜けない事を覚悟する必要があります。
4:公務員を辞めるときに特別な手続きは不要
公務員を辞めるときに特別な手続きは不要です。
公務員も民間企業でも辞職した時の流れに大差はありません。
⑴ 退職願いは直属の上司に申し出ること
退職する際は、直属の上司に辞表を提出すればOKです。
税務署だと、直属の上司は統括官(課長クラス)になります。
税務署の構成
署長(税務署のトップ)
⇩
副署長 (ナンバー2)
⇩
統括官(課長クラス)
⇩
一般職員(自分)
役職名は異なりますが、民間企業と構造は変わらないです。
税務署職員が辞表を提出するのであれば通常は、
辞表届出順
自分
⇩
統括官
⇩
副署長
⇩
署長
統括官が窓口となり、署長が最終決定します。
⑵ 引き留めを避けたいなら幹部に直接申し出ること
引き留めを避けたいなら幹部に直接申し出ましょう。
私の場合には、副署長に直接申し出ました。
理由は簡潔で、先に上層部に了承してもらった方が話が楽だからです。
私は辞表は口頭で申し出て、その後総務課を通じて辞表願の作成と年金や保険、退職金の書類作成をしました。
どの税務署でも毎年何人かは自己都合で退職するので、総務課の人は慣れているので大丈夫です。
⑶ 退職する時に周囲を気にしてはいけない
退職する時、周囲を気にしてはいけません。
なぜなら、優先すべきは自分自身の進路だからです。
退職の1か月前くらいに申し出るのが通常です。
しかし、最短2週間でも退職することは可能です。
私の場合は前々から悩んでことを上司に伝えていたので上手く事が運びました。
6月中旬⇨辞表願提出
7月上旬⇨最後の出勤
7月末 ⇨退職
繁忙期の場合は、留意される可能性もあります。
しかし、優先すべきはあくまでも自分。
5:退職するならポジティブな理由で辞めるべき
退職するなら、ポジティブな理由で辞めるべきです。
心身の不調の場合には、すぐに辞めることも必要です。
しかし、消極的な理由での退職は後悔を生む可能性が高いです。
⑴ 税務署時代よりもやりたい仕事を見出すこと
税務署時代よりも、やりたい仕事を見出すことが大切です。
税務署の仕事は、どうでもいい作業が多く、非効率的でした。
公務員が嫌で働いても、幸福度は上がりません。
年収500万円の公務員として働き続け体を壊しまうなら、健康で年収400万円の会社に勤めた方が幸福度は高いです。
お金も大事ですが、お金があくまでも手段。
自分のやりたいことにお金が必要なら稼ぎましょう。
しかし、自分のやりたいことにそこまでお金が必要ないなら、お金にこだわる必要はありません。
- 家族との時間
- NO通勤
- 自然が豊かな場所で働く
- コミュニティを重視
自分の必要としている目的で、仕事は探すべきです。
⑵ やりたいことが見つからない場合にはリストを作成する
やりたいことが見つからない場合には、リストを作成しましょう。
- 100個のやりたい事リスト
- 100個の公務員としてやりたくないリスト
それぞれのリストを作成します。
私はどちらも作成しました。
正直、やりたくないリストはスラスラ書くことが出来ましたが。。
やりたい事が見つからないなら、やりたくない事をやらないようにしてください。
⑶ 税務署の価値は自分自身の主観で決まる
税務署の価値は、自分自身の主観で決まります。
税務署の仕事が無価値とは、辞めた今でも思いません。
しかし、自分にとって苦痛であれば無価値と同等です。
決断する時には勇気も必要ですし、不安も募ります。
しかし、転職を他人の意見に委ねてはいけません。
他人の意見に流れた分だけ後悔する可能性が高くなりますので。
⑷ 悩んでいるなら『今』行動すべき
悩んでいるなら『今』行動しましょう。
そう、この瞬間です。
まずは紙とペンを持ってください。
それが決断するための最初の1歩です。
ペンを持ち
紙に気持ちを書いて
自分の気持ちを整理し
やりたい事を確認する
その結果、納得出来るなら、引き続き公務員で働きましょう。
今の職場に納得できないのなら、転職は検討すべきです。
自分に合った転職プラン!初めて転職する場合の5つのステップでは、転職する前のポイントをまとめてあります。
転職しなくても、転職活動をするだけで、気が付く部分は多いですので。
6:辞表を提出しても最後まで感傷的にはならない
辞表を提出しても、最後まで感傷的にはなりません。
辞表を提出した後は、
そんな気持ちになると思っていました。
でも、実際のところは、
と、日にちばかり気にしていましたので、「そのくらい未練はなかったんだな」と辞めたことの後悔の気持ちがないことに安堵した記憶が残っています。
しかし、辞める最後の瞬間は別です。
お世話になった人への、挨拶に涙することもありました。
退職するのが正解とは限りません。
ですが、退職した決断をしたらなら後悔しても意味が無いです。
後悔をしないくらい考えてから、決断しましょう。
悩んだ末の決断に、後悔することはありませんので。
ご参考になれば幸いです!