公務員に就職や転職を考える場合、将来性のあり・なしも判断材料の一つです。
長期的に公務員の処遇を考えた場合、残念ながら確実に今より待遇面は悪くなるでsyります。
ただ、その将来が、10年後なのか、30年後なのは誰にも分らないのが正直な意見です。
ですので、短期的・中期的・長期的な視点に分けて公務員の将来性を解説していきます。
1:短期的には公務員の待遇面はよくなる可能性はある
2020年の新型コロナウイルスの影響により、世界情勢は一変しました。
日本もその例外ではなく、経済が今後落ち込むことも想定されますが、それでも待遇面が良くなる可能性もゼロではありません。
① 大企業の給与が上がれば公務員の収入も増える
2019年に初任給は増加しており、給料が上がった要因としては大企業の社員の待遇が影響しています。
2020年までは東京五輪に向けて投資がされていましたので、全体的な景気としては上昇して大企業の給与も増え、公務員の給料も上がっていきました。
また地方公務員の給料は、国家公務員の給料を参考にしますので、国家公務員の給料が上がれば地方公務員の給料も増えます。
新型コロナウイルスの影響は不透明ですが、大企業がここから盛り返せば、給料が増える可能性もゼロではないです。
② 公務員のサービス残業は全体的になくなっていく
サービス残業は、善意的に行うようなイメージがありますが、対価を支払っていないので違反です。
公務員であっても、サービス残業は許されることではありませんが、毎年のように公務員の触媒内でサービス残業が行われている実態があります。
ただ私は税務署に勤務していた12年を振り返ってみると、サービス残業は年々減少していきました。
もちろん部署によっては長時間残業を行う場所もありますが、すべてがサービス残業でまかなわれる時代ではありません。
残業に対価が支払われれば給料も増えることを意味しますので、結果的に待遇が以前よりも改善されていくことは間違いないでしょう。
2:中期的にみても公務員は安定している
公務員の仕事は5年10年単位で考えても、安定していることはほとんど確実です。
① 公務員が労働力の受け皿となる
労働力不足の中で、ロスジェネ世代と言われる40代前後の積極的な活用は避けて通れません。
ただ、(失礼な話ですが)民間企業が40代まで仕事の実績がない人を新規採用できるほど体力は残っていませんので、受け皿として公務員が活用されることが予想されます。
公務員の新規採用の役職は新卒採用とあまり変わりませんので、給料は抑えられる分現職の公務員の給料はそのまま上がる可能性があります。
② 従来のような給与の増加曲線は描けない
2025年から2035年くらいの間は、団塊世代の介護が最大の問題となります。
介護する人材もそうですが、それ以上に財政が逼迫しますので、公務員の給料が削減される可能性はかなり高いと思われます。
また、年功序列制度も徐々に無くなるとなれば、給与が右肩上がりであがることも無くなります。
したがって遠くない未来で、給与の増加が止まる(下がる)ことは覚悟しなくてはいけません。
③ 上の世代が退職しないため職場のやりにくさは残る
公務員の退職年齢は60歳ですが、希望すれば再雇用として65歳まで働くことができます。
また今後は70歳まで雇用延長させることも予想されるため、いつまでも上司や先輩が職場から離れないことが予想されます。
再雇用の場合には管理職から外れることになりますが、新たに管理職になる人は先輩を部下として持たなくてはいけません。
そうなれば当然やりにくさもありますし、指示も出しにくいです。
したがって今までに感じたことのない、やりにくさが生まれる可能性はあります。
3:長期的に見ても公務員の仕事は残る
公務員の仕事はAIで代用できると理論上は言われています。
ただ社会の流れが遅い日本の中の公務員が、最先端の技術を利用することは考えにくいため、公務員の仕事がなくなることはないでしょう。
① アナログな仕事は最後まで残る
最終的には公務員の仕事もAIが管理するようになる可能性もありますが、アナログな仕事は最後まで残り続けると思われます。
最たる理由として、公務員の職場は保守的であり、変化を嫌う環境だからです。
2021年でもFAXは現役ですし、オンライン上で役所手続きができる書類はほとんどありません。
そう考えると、長期的に見ても今の公務員の職場環境が一変することは考えにくいです。
② 人口減少社会で公務員の給与は下がる未来しか予想できない
日本は超高齢社会であり、人口減少社会です。
数十年後には人口は1億人を下回りますし、現在の若者が高齢者になるときは、人口8,000万人くらいまで少なくなっていると想定されます。
人口が減少すれば必然的に公務員の人数も減らされます。
人口が横ばいになりつつあったバブル以降では、不景気等の理由から公務員の採用人数はどんどん少なくなりました。
そう考えると職員数が減る理由はあっても、増える要素が無いのが現状です。
また働き手が少なければ、世界との競争力が下がるため、民間企業の給料が下がることも考えられます。
公務員の給与は民間企業の賃金を参考に算出されるため、民間企業の賃金が下がれば公務員の給料も少なくなることは確実です。
4:結局、公務員に就職するのは損か得か
20年前にスマホの登場を予想できなかったように、将来のことは誰にもわかりません。
ただ現時点で考えられることを踏まえ、公務員に就職すべきか否か、個人的見解を申し上げます。
① 収入の安定性を最優先にするなら公務員はマスト
公務員の環境が昭和・平成時代よりも悪くなる可能性は高いですが、それでも公務員の収入が民間企業よりも安定し優れていることは間違いありません。
公務員の給料は、民間企業の給料を反映させているため、公務員の待遇が悪くなる時代は民間企業も同等の待遇になっていることが予想されます。
また公務員がリストラされる可能性は、正直かなり低いと思われます。
無いとは言い切れませんが、公務員がリストラされる場合は、相応の社会になっているでしょう。
② 公務員が民間企業のような柔軟な働き方をするとは考えられない
公務員の収入面だけで考えているなら、公務員のまま働いて問題ないですし、これから公務員へ就職・転職することも選択肢です。
しかし公務員の職場は、想像以上に昔ながらの働き方です。
FAXは現役ですし、いちいちアナログなチェックや不要な事務処理を多分に行うことになります。
仕事内容に満足できないと、働き続けることも難しくなります。
私も公務員の待遇面では概ね満足していましたが、仕事面で納得できず退職しました。
公務員の仕事にやりがいを感じられない場合、仕事環境などで悩む可能性がありますので、私個人としては公務員を目指すことはオススメできません。
5:公務員の働き方に満足しない人に就職はおすすめできない
公務員の働き方に満足しないと、ずっとその不満を抱えたまま働き続けることになります。
定年制度が存在し続けるのであれば、20代の人の定年は70歳や75歳になることでしょう。
また公務員の仕事はどうしても対外的に批判されやすいため、自分自身の中で仕事の満足感を覚えないと苦しみます。
体を壊すと生活に大きな支障が出ますので、公務員の何に対して魅力を感じてるのかを洗い出し、それが公務員にしかない魅力なのかをチェックすることをオススメします。
ご参考になれば幸いです!