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【元職員が解説】確定申告期間中の税務署のアルバイト・パート事情について

面接をしている様子
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税務署は、毎年1月から3月までの確定申告期間中、短期アルバイト(パート)の募集をしています。

採用人数は税務署の地域によって違いますが、所得税の確定申告書の提出件数が多い税務署は職員と同じくらいの人数をアルバイトとして採用します。

(面接官は、税務署の総務課に在籍する職員です。)

よし、春休みだし受けてみよう!

って思っても、税務署内で具体的にどんな仕事をするのかイメージできないですよね。

私は10年以上税務署での勤務経験があり、確定申告期間中の短期アルバイト(非常勤職員)が行う仕事内容を把握しています。

そんな私が、確定申告期間中のアルバイトは「具体的にどのような仕事をするのか」をご紹介していきます!

1:税務署の採用ページを見ても仕事内容がよくわからない

国税庁ホームページでは、税務署ごとに求人情報が掲載されています。


出典:品川税務署(国税庁)

仕事内容の部分だけピックアップすると、次の通りです。

仕事の内容

申告書作成会場におけるスマートフォン及びパソコン操作補助、事務室内での端末機によるデータ入力事務、提出書類の整理事務等

小さい規模の税務署や長期の非常勤職員の募集を行っていない税務署もありますが、基本的には、一般的には以下のような情報が掲載されています。

国が動かしている職場ですので、変な仕事が割り当てられることはありませんが、子の内容だけではまだ具体的な仕事内容は理解できませんよね。

そのため実際に働いたときにイメージとは大きく異なり、すぐに辞められる方もいらっしゃいます。

2:税務署の仕事は納税者対応と申告書の仕分作業が中心

アルバイトが確定申告期に税務署で行う仕事を分類すると、次の4つになります。

確定申告期間中の仕事内容
  1. 納税者の確定申告のPC入力補助
  2. 確定申告の会場案内
  3. 確定申告書の郵便開封
  4. 確定申告書の振り分け作業

面接時に税務署の面接官(総務課の職員)から確認はされるのですが、基本的にはパソコン操作が出来る人が納税者対応の業務に携わる可能性が高いです。

⑴ パソコン入力の補助は実質的に確定申告書作成をすること

パソコン入力の補助は、実質的に確定申告書作成をすることです。

財務省・国税庁がe-Taxを推進している以上、税務署で確定申告を作成する場合には原則パソコン・スマホを使用して申告します。

しかし、税務署に来署される人の7割(体験談)が高齢者の方で、高齢者の方々の大部分の人は自宅にパソコンが無い方々です。

そんな方々に対して、「サポートするのでパソコンで申告書作成してください」と言っても無理難題なのは明白。

なので、e-Taxを推進する以上、(極めてグレーゾーンですが)申告する人の代わりにパソコンでの申告書の内容入力をするのが仕事となります。

申告書の作成に関しては、国税庁HPにある『確定申告作成コーナー』を相談会場仕様にしているだけですので、興味のある方は『こちら』をご覧ください。

短期アルバイトとして採用されると、最初の2日間程度を掛けて申告書作成マニュアルに沿っての研修を行います。

様々な申告書のケースがあるので最初は覚えるのは大変だと思いますが、疑問な箇所についてはその都度職員に確認してください。

ちなみに、税務署のアルバイト(非常勤職員)といっても、納税者への税金指導はできません。

納税者から質問があった場合には職員が応対することになります

(税金の個別指導は税理士資格か職員以外は法律で禁止されています)

⑵ 相談会場案内が一番楽な仕事だが希望することはできない

相談会場案内が一番楽な仕事ですが、希望することはできません。

税務署側の立場として、アルバイト作業のの優先順位はこちらの通り。

PC補助>申告書振分作業>申告書の郵便開封>会場案内

仕事を順番で交代する税務署もありますが、パソコン入力の補助が上手くできない人が最終的に会場案内に回るケースが多いです。

ただし、税務署によっては確定申告相談会場の回転率を上げるために、パソコン操作が上手い人はずっと納税者対応をすることになります。

⑶ 税務署によっては万単位で郵送される申告書を開封する

税務署によっては、万単位で郵送される、申告書を開封することになります。

『e-Taxで自宅からラクラク確定申告!』と国税庁はアピールしてますが、実際にはe-Taxで申告できない場合、や添付書類は郵便で送付しなければならないケースが結構あります。

(国税庁HPからe-Tax申告できないケースが多いのは結構ヒドイ話ですが…)

その場合、納税者は来署するか、税務署宛てに郵便で送付するしかないのですが、届いた郵便物は全てを手作業で振り分けることに。

となると、必然的に税務署の職員だけだと人数が足りませんので、アルバイトの方がメインで携わることになります。

内容としては、2種類の作業が中心です。

  • 郵便物を開封する
  • 郵便物の中身を確認する(申告書控えがある場合は返信を行うため)

単純な作業なので、1週間もあれば作業は慣れます。

しかし単純作業ゆえに、1か月以上行うのは(飽きて)大変です。

私も郵便開封の手伝いをした経験がありますが、単純作業で眠くなりました(笑)

とはいえ、単純作業が嫌いではない人にとっては、非常に楽な仕事になるかもしれません。

⑷ 確定申告書の振り分け作業が一番単純作業

確定申告書の振り分け作業が、一番単純作業です。

確定申告書には、様々な書類や届出書が混在。

提出された時点で、まずは、申告書を種類別に振り分ける必要があります。

場合によってはPC作業となるのですが、多くは紙の申告書関係の仕分けです。

最初は作業手順を掴むのに大変かもしれませんが、慣れればなんてことはありません。

しかし、郵便物の開封作業と同様、変化の少ない仕事なので単純作業が好きな方以外はちょっと飽きてしまうかもしれません。

3:税務署のアルバイトの時給は勤務地によって異なる

税務署のアルバイトの時給は、勤務地によって異なります。

全国の税務署でも時給は違いますが、隣同士の税務署でも時給が変わりますので要注意。

⑴ アルバイトの時給は地域の相場が反映される

アルバイトの時給は、地域の相場が反映さます。

例えば、東京23区にある品川税務署であれば、時給は1,110円(R5.1現在)です。

しかし同じ東京都でも、23区外が管轄の青梅税務署で採用される人の時給は1,080円と、都内でも時給が違います。

更に、同じ東京国税局管内であっても、山梨県甲府市にある甲府税務署の時給は980円と、地域によって時給が違うことがほとんどです。

そのため通勤距離が同程度の税務署が2か所ある場合は、双方の時給を確認し、時給の高い税務署の採用試験を受けるのもいいかもしれません。

⑵ 隣町の税務署でも時給が異なるのは地域手当の影響

隣町の税務署でも時給が異なるのは、地域手当の影響。

公務員の給与手当の一つに、地域手当があるのですが、地域手当とはその地域の民間企業の賃金を反映される制度です。

国家公務員であれば、東京23区内の地域手当は20%です。

国家公務員の東京23区内の給与計算

基本給・・・30万円

地域手当・・・20%

30万円×20%=6万円

30万円+6万円=36万円(給料)

アルバイトの時給にも、地域手当の考え方が影響します。

それゆえ、自宅から同じ距離にある税務署でも、時給額が違うケースが。

税務署の求人をご覧いただくときは、注意してください。

4:税務署アルバイトの面接合格のポイントはパソコン操作ができるかどうか

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税務署アルバイトの、面接合格のポイントは、パソコン操作ができるかどうか。

確定申告期間で一番人材が必要なのが、確定申告書作成の代打ちです。

(国税庁は禁止していますが、現実は違います)

相談会場の循環ペースを高めるためには、税務署はできるだけ早く申告書を入力できる人を求めています。

⑴ パソコン入力はネット検索できる程度でもOK

パソコン入力は、ネット検索できる程度でもOK。

ブラインドタッチが出来る人が求人募集したら、税務署としてはありがたいです。

しかし、実際に採用される人の多くは、そこまで入力スピードは早くありません。

確定申告書で申告する数字を入力できれば、面接時にマイナス評価にはなりませんので。

⑵ アルバイト採用の面接官は総務課職員が行う

アルバイト採用の面接官は、総務課職員が行います。

税務署の総務課職員は、数年しか経験しない部署。

なので、税務署の面接官の大半は、素人面接官です。

ポイントは、同じ職場で働く総務課職員であることです。

総務課は、自分が採用したことで、他部署の課長(統括官)に苦情を言われたくありません。

なので、普通の人であればそれだけで十分です。

なお、服装などは、コチラの記事を参考にしてください。

採用試験を受ける人
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5:税務署のアルバイト開始・終了・休憩時間はきっちり守られる

確定申告期間の最盛期なると忙しくなります。

しかし、アルバイトの仕事開始時刻・昼休み・終了時刻に関しては確実に守られますのでご安心を。

(それが当たり前だとは思うのですが・・・)

仕事が昼休みを過ぎてしまった場合でも、休憩時間を後ろ倒しして確保します。

「休憩が取れない」、「時間を過ぎても仕事をさせられる」などの場合には、総務課に伝えればすぐに改善されるでしょう。

万が一、休憩などの時間管理が改善されない場合は、国税局のHPから投書をすれば完璧です。

(さすがにそれまでには改善するとは思いますが)

6:税務署のアルバイト募集は求人サイトか国税庁HPから

税務署のアルバイトアルバイト募集は、求人サイト国税庁HPから探すことができます。

国税庁ホームページでも、アルバイト・パートの求人募集を確認できますが、正直国税庁ホームページは使いにくく、求人募集が非常に探しにくいです。

探しにくい原因は、国税庁で検索した後に、国税局を選択しないといけないからです。

また税務署単位で求人管理をしているのも、求人を探している目線で考えるとマイナスです。

ただ、ほとんどの方は国税庁ホームページを覗いた経験が無いと思いますので、この機会に一度ホームページを開いてみてください。

・ 東京国税局(東京・千葉・神奈川・山梨)のアルバイト募集

東京国税局非常勤職員(アルバイト)募集案内

・ 全国の募集(国税局を選択して採用案内をご覧ください)

国税庁の組織(国税局・税務署等)

7:税務署のアルバイトは時給と仕事体制は整っている

税務署のアルバイトは、時給と仕事体制は整っています。

なので、短期アルバイトとしては悪くない選択肢です。

注意点があるとすれば、色々な人が確定申告会場に来署される点。

税務署に一言苦情を言いたい納税者もいますので、その場合の対応は、職員にバトンタッチしてください。

仕事内容がマッチすれば、毎年確定申告期間のアルバイト募集をしてくれる人もいました。

税務署での仕事を、短期アルバイトの選択肢に!

なお、アルバイトの時給については、地域格差!国や役所のアルバイト時給は公務員の初任給が基準となっているに詳細に書いておりますので、併せてチェックしてください。

ご参考になれば幸いです!