税知識

確定申告でマイナンバーの記載をしなくても罰則はない(個人所得税)

マイナンバー

 

先日国税庁がマイナンバーなどのデータ入力業務の委託した企業が他の企業へ再委託をして問題になりました。

マイナンバーの取り扱いは法律上かなり厳しく規制されており、今回の情報流出の件は契約上でも再委託してはいけない内容にもかかわらず、違反していたようです。

国税庁は契約を破られた被害者側の立場となるのですが、他の報道機関では「国税庁が管理する70万件のマイナンバー情報が流出」など見出しを打ち、Twitterのトレンドにもなっていました。

(もちろん叩かれるのは国税庁)

 

流出という言葉を聞くとインパクトが強いですが、今回の件に関しては再委託をしていただけで、今のところ再委託会社以外への情報漏洩は無いようです。

(それでも流出は流出ですが)

しかし、個人情報が漏れたのは事実であり、より不安感を持った人もいたと思います。

国税庁が関係するものとしては、税務署で1月から所得税の確定申告が始まります。

(還付申告は1月中でも申告は可能です)

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所得税の申告書にもマイナンバー(個人番号)の記載は必要なのですが、記載するのに躊躇するかもしれません。

でも、安心してください

所得税の申告書にマイナンバーを記載しなくても(税務署側にとっても)影響はありませんので。

 

マイナンバーを記載は、所得税法上申告する際の記載義務です。

所得税法

(確定所得申告)

第百二十条 居住者は、その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額が第二章第四節(所得控除)の規定による雑損控除その他の控除の額の合計額を超える場合において、当該総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額からこれらの控除の額を第八十七条第二項(所得控除の順序)の規定に準じて控除した後の金額をそれぞれ課税総所得金額、課税退職所得金額又は課税山林所得金額とみなして第八十九条(税率)の規定を適用して計算した場合の所得税の額の合計額が配当控除の額を超えるときは、第百二十三条第一項(確定損失申告)の規定による申告書を提出する場合を除き、第三期(その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間をいう。以下この節において同じ。)において、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
~~中略~~
十一 第一号から第九号までに掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項

※ 所得税法の場合、財務省令が所得税法施行規則となります。

 所得税法施行規則

(確定所得申告書の記載事項)
第四十七条 法第百二十条第一項第十一号(確定所得申告)に規定する財務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 法第百二十条第一項、第百二十二条第一項若しくは第二項(還付等を受けるための申告)、第百二十五条第一項若しくは第二項(年の中途で死亡した場合の確定申告)又は第百二十七条第一項若しくは第二項(年の中途で出国をする場合の確定申告)の規定による申告書を提出する者の氏名、住所(国内に住所がない場合には、居所)及び個人番号(個人番号を有しない者にあつては、氏名及び住所(国内に住所がない場合には、居所))並びに住所地(国内に住所がない場合には、居所地)と納税地とが異なる場合には、その納税地

 

 

なので、所得税の確定申告書にマイナンバー(個人番号)を記載しないことは義務違反となります。

しかし、マイナンバーが記載義務であったとしても特に罰則規定はありません。

 

Q2-3-3 税務署等が受理した申告書等にマイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合や誤りがある場合には、罰則の適用はありますか。

(答)

税務署等が受理した申告書や法定調書等の税務関係書類にマイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合や誤りがある場合の罰則規定は、税法上設けられておりませんが、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出をしてください。

出典:国税庁 番号制度概要に関するFAQ

 

たこさん
たこさん
だったらマイナンバー記載しなくても問題ないじゃん

 

と考えても不思議ではありませんが、罰則規定がない理由は2つ考えられます。

  •  記載しなくてもマイナンバーを確認する方法が存在する。
  •  罰則規定を設けると違反者が多すぎて取り締まりきれないい。

2点目は半分冗談ですが、1点目は実際にあります。

そもそもマイナンバーは行政が発行する番号なので行政が確認できないことはありえません

もちろん用途は制限されますが、制限以内であれば利用することは可能なのです。

 

たこさん
たこさん
だったら、ますますマイナンバー流出したら大変じゃないか

そんなマイナンバーが流出した際の注意点と、確定申告書に記載しなかった場合の影響について説明していきます。

※本記事は個人の所得税等の確定申告書の提出に関しての内容です。源泉徴収などの支払調書関係につきましては別途確認をお願いします。

 

1:マイナンバーが漏れたとしても直ぐに悪用はできない

禁止

 

マイナンバーの悪用されることを考える前に、マイナンバーの性質を考える必要があります。

 

 マイナンバーの特徴

  1. 一人一人に割り当てられた番号
  2.  マイナンバーのみで得られる情報は住所氏名生年月日個人番号
  3.  マイナンバーの番号がバレただけでは直ぐに悪用はできない

マイナンバーが他人にバレてしまうと住所・氏名・生年月日などの個人情報が流出しています。

ですが、それ以上の情報がマイナンバーだけで判明することはありません。

行政機関が発行しているもであれば、マイナンバーカードの紛失は免許証を紛失したのと同等レベルです。

当然に紛失時のリスクあります。

ですが、それだけで自らの持つ銀行預金やクレジットカードなどの個人情報が流出するわけではありません。

 

ポイントカードを作成していない人は殆どいないと思いますが、T-ポイントカードの加盟店から個人情報が流出することは残念ながら存在します。

T-ポイントカードは申請すれば個人店でも加盟店となれる一方、個人店が廃業した際に資金源として個人情報が売られる実態もあります。

だからといってマイナンバーが流出してもいいとの理屈にはなりませんが、現状そのようなケースが存在する以上、マイナンバーカ自体に必要以上におびえることはありません。

 

また、マイナンバーは各人に固有の番号が存在しますが、たとえ本人であってもマイナンバーだけをもって全ての情報を得ることはできません。

マイナンバーは全ての行政で使用な可能な鍵のイメージです。

しかし、各行政機関が保有する情報開示のためには、マイナンバーの鍵以外にも各行政機関専用の鍵も別途必要になります。

つまり、もともと1種類で開けられた鍵が2種類必要になっただけなので、セキュリティが弱くなったわけではないのです。

それゆえ、万が一マイナンバーが漏れてもそれだけで甚大な被害になる可能性は低いと言えます。

(住所などは漏れてしまいますので管理は厳重にしてもらう必要があります)

 

2:確定申告書にマイナンバーを記載しなくても結局税務署は確認をする

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結論から言えば、行政機関はマイナンバーを確認する術を持っています。

ですので、確定申告にマイナンバーを記載しなくても申告した人のマイナンバーの番号を税務署は確認することが可能なのです。

「それなら申告書に記載要らないだろ」と思われるかもしれません。

おそらくは、自主的に行わせることによって行政が国民を管理している意識を薄くしたいのが目的で、申告書に記載をさせていると推測します。

 

マイナンバー制度が成立した際に国民のメリットが無いと言われていましたが、その通りです。

最もマイナンバー制度の恩恵を受けるのは行政です。

しかし、行政にもマイナンバー制度導入したい理由がありました。

それは各行政機関が持つ個人情報の共有(突合)です。

 

情報の共有と聞くと「個人情報保護が!」と思われるかもしれませんが、行政手続きを円滑に進めるためには情報の共有は大事な部分です。

1億人以上いる人口では氏名・生年月日が同じで住所が似た人は必ず存在します。

確率としては低いです。それこそ100万分の1くらいに。

しかし、確認する側もまさか100万分の1の確率で他人だとは思わないので、その油断が誤送付や情報の確認誤りが発生する原因となります。

それを防ぐためのマイナンバーです。

マイナンバーは国民1人1人に割り当てられているので重複することはありません。

また、マイナンバーのみでは本人確認は終了せず、マイナンバーと免許証なの身分証を持って初めて本人確認が完了します。

(マイナンバーカードであれば1枚で完了します)

 

3:もしマイナンバーを紛失してしまったら市役所へ 

マイナンバーを紛失しただけならそこまで悪用されないといっても、マイナンバーには免許証と同等の個人情報が入っています。

免許証を無くしたらそのままにしませんよね。

ですので、マイナンバーを無くしたら、すぐに手続きしましょう。

 ⑴ 自宅の敷地内で紛失したら住民票のある市区町村に連絡

自宅でマイナンバーを紛失した場合にはまず住民票のある市区町村に連絡してください。

その際、戸籍住民課(地域によって名称は異なります)に連絡すれば間違いないですが、「マイナンバーを紛失した」と伝えても問題ありません。

再発行の手続きは窓口で行うことになりますが、市区町村によって手続き方法が変わる可能性もあるので電話で確認することが大切です。

 

また、再発行には手数料が発生します。

  •  個人番号の通知カード(紙ぺら)・・・500円
  •  マイナンバーカード・・・1000円

※ 料金は市区町村で異なる場合があります

 

窓口手続きの場合には身分証が必要になるのですが、顔写真付きの身分証なら1種類、顔写真付きではない身分証なら2種類必要となります。

例えば、免許証やパスポートは顔写真付きなので、1種類で大丈夫です。

しかし、保険証や年金手帳などの場合には2種類必要です。

(行政機関が発行していないものでも住所・生年月日・指名の記載があれば身分証扱いとなります)

 

なお、紛失した本人が手続きできない場合には委任状などが必要となり、市区町村によっては指定された委任状もありますので電話で確認をしてください。

特に委任状に関しては近年厳しいですので、代理人になれるかどうかも含めて確認をする必要があります。

 

 ⑵ 自宅敷地外で紛失したら警察に届け出ること

自宅敷地内との違いは警察に届け出が必要かどうかです。

外出中にマイナンバーカード(又は通知カード)を紛失したらまずは警察に届け出ましょう。

市役所などの地方自治体はなりすましによる再発行を防止するために警察から発行される「紛失届受理証明書」を受け取ってください。

それ以後は自宅敷地内で紛失した場合と同様の流れとなります。

 

 

4:最終的には個人情報を一括管理するのが目的

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マイナンバー制度の導入時には反対されていた銀行の口座との連結ですが、数年後には銀行の口座にもマイナンバーの記載される流れになるでしょう。

(個人情報を扱う法律などは意識が薄れてきた段階で徐々に法案を通していくかと)

 

行政に自分の財産や情報が管理されていることは決して気持ちのいいものではありません。

法律で禁止されていますが、公務員がマイナンバーの情報を閲覧しようとすれば可能です。

(当然公務以外での閲覧は禁止であり、見つかれば逮捕、クビです)

 

でも行政に情報管理されるのが全て悪い訳ではありません。

国民としてのメリットは、情報の統一化による効率化脱税防止です。

例えば、旧社会保険庁の年金のずさんな管理が問題となりましたが、そもそもが手作業で同一人物を見分けるにはヒューマンエラー(人的ミス)が必ず発生します。

しかし、マイナンバーで一括管理すれば他人と間違えることは無くなります。

また、会社が支給する給料などにマイナンバーを紐づければ、脱税防止にも繋がりますで、税収の増加、公務員の人件費削減と歳出削減に繋がっていきます。

 

マイナンバー制度自体が完成された制度や仕組みとは思いません。

しかし、現状既に存在する制度ですのでそこに歯向かっても意味がありません。

元税務署職員の私の考えとしては、税務署は露骨に反対する人は何か隠しているのではないかと疑念を抱きます。

  •  申告書に必要な内容を記載して申告している人
  •  申告書に絶対にマイナンバーを記載しない人

税務署から見た場合、どちらの納税者が敵対視しているイメージを持つでしょうか。

実際に脱税などの意思は一切なくても、マイナンバーを記載しないだけで調査等に入られるリスクは上がるかもしれません。

ですので、確定申告書にはマイナンバーを記載しましょう!

 

ご参考になれば幸いです!