税務署(公務員)を辞めてからようやく理解できることがあります。
どんなに納得していたとしても、金銭面の不安が、無くなることはありません。
お金以外にも、最初は強かった不安が薄れてきたり、逆に最初大丈夫だったものが不安になったり、退職後にしか理解できない感情がありました。
- お金に関して具体的に考えるようになる
- 『将来』の不安よりも『今』を大事にするようになる
- 仕事の同僚との付き合いは切れる
- 仕事以外での共通点があった人のみ付き合いが続く
おそらく、公務員を退職した人しかわからない、苦悩があります。
公務員を辞めたことにより、公務員の呪縛に取りつかれる人もいます。
ですので、公務員を辞める前に、今一度考えを整理してください。
公務員を辞めてしまったら、同じ職場に戻ることはできませんので。
1:公務員の代わりとなる職業は存在しない
公務員の代わりとなる職業は存在しません。
そのくらい公務員は特別な地位です。
- 社会的信用が高い
- 毎月確実に給料がもらえる
- 公務員自体がステータス
現役の公務員でも理解している人もいます。
しかし、実感できるのは退職した人だけです。
⑴ 公務員自身が一番の社会的地位を下に見ている
公務員自身が、一番の社会的地位を下に見ています。
はっきり言えば、私自身が公務員の地位を下に見てました。
確かに公務員に対して批判的な意見を受けることが多かったですが、あくまでも勤務中でのこと。
銀行や結婚を考えた場合、公務員の信用度ほど飛びぬけた存在ありません。
私の実体験では、公務員を退職後にクレジットカードの作成申請をしたら却下されました。
もちろん公務員時代に、審査に落ちたことは一度もありません。
また、仕事で公務員と告げて悪いイメージを持たれたことが無かったです。
逆に、公務員辞めたと告げた時には全員から「どうして公務員辞めたの」と聞かれたくらいでしたので。
⑵ 確実に給料が手に入る安心感は民間企業にはない
公務員と代名詞は、安定した給料です。
民間企業の賃金を参考にしているとはいえ、相場以上の給料をもらうことができます。
参考:【給与明細公開!】大卒と比べても高卒公務員の年収も待遇も悪くない!
何より職を失う心配がありませんので、生活設計が組み立てやすく、心の安心が保てます。
給料が下がることはありますが、一気に半減することはありえません。
このご時世、大企業であっても倒産リスクがありますので、その中で安定が確保できる公務員は絶対的なポジションです。
⑶ 公務員をステータスにしてると自分に何も残らない
職業公務員は一つのステータスです。
公務員と名乗れば、安心・安定・信頼が一緒についてきます。
しかし、公務員を辞めればそれら全てを失うことに。
文字通り、裸一貫での再スタートとなります。
私は現在フリーランスとして働いていますが、どうしても公務員時代と比較してしまうことがあります。
もちろん、公務員が優位に立つポイントをフリーランスが超えられるわけがありません。
そんな瞬間に、『後悔』の二文字が頭をよぎるのです。
2:退職前の職場との人間関係は辞めた後は切れる
退職前の職場との人間関係は、辞めた後は切れます。
無関係の仕事に行ったのが原因でもありますが、半年後には、現役職員と連絡もしなくなりました。
⑴ 同期に連絡は可能だが、わざわざ連絡しようとは思わない
私は完全に公私を分けていた人間なので、休日に同僚と遊ぶことはありませんでした。
職場のレクリエーションなどの付き合いはありましたが、普通に同僚と買い物をしたり出掛けたりする機会は片手で数えられるくらいです。
そんな私ですが、「仕事辞めます」と連絡した同期のほとんどから連絡がありました。
「今度会おうよ」
「また飲みに行こうよ」
「絶対に企画するから来てね!」
予想よりも多い反応がありました。
が、今のところどれも実現はしていません。
※ 退職した年末に会うことになりした。
もちろん連絡先を知っているので私から「久々に会わない」と誘えば集まるでしょう。(多分)
でも、わざわざ別世界に行ったのに、前の世界の人間と関わるのかと思い出すと連絡しようとは思いません。
特別な間柄であれば連絡してもいいと思いますが、その程度であればもう終わりってことです。
⑵ 公務員にとって元同僚は部外者であり別世界の存在となる
当たり前の話ですが、仕事を辞めると同僚ではなく元同僚です。
普通に話していても一線が引かれており、どこか違う雰囲気です。
仕事の内容を話すわけにもいきませんし、こちらとしても聞くことはできません。
(公務員には守秘義務があり、違反すると犯罪です)
そんな雰囲気にはどこかよそよそしさもあり、「自分はもう違うのだな」と以前のような関係性は保てなくなります。
⑶ 唯一付き合いが続いているのが同じ職場を退職した人
唯一、付き合いが続いているのが、同じ職場を退職した人です。
連絡取り合っている元同僚は、私よりも早く税務署を退職しました。
辞めた理由はそれぞれですが、辞めた行為は同じなので、元職場の不満の言い合いになります(笑)
公務員は閉鎖的な空間であり、利害関係者との関わりはかなり制限される職場。
税務署職員から税理士になる人は大勢いますが、税務署職員と税理士は公務員と民間人とで一線が引かれ、基本的に飲食は禁止されています。
飲食を共にする場合でも場合によってはいつ・誰と・どのぐらいの金額の会食をするかを職場に報告し承認してもらわなければなりません。
正直面倒です。職員からすればそこまでして付き合う(飲みたい)とは思いません。
それを考えてしまうと、公務員と民間人の間柄ではなく、退職した元公務員同士の付き合いの方が楽です。
3:収入の不安は一生あるもので公務員であっても解決しない
公務員を辞めてから気が付くのは公務員の良い面だけではありません。
たとえば、職業が公務員であっても将来への問題はありました。
公務員の現役時代にも感じていましたが、辞めた今でも不安事項が変わることはありません。
⑴ 将来的に考えると公務員の収入には不安が残る
将来的に考えますと、公務員の収入には不安が残ります。
公務員の収入は、給料はいつ削減されてもおかしくはありません。
公務員の給与は、民間企業の賃金を反映させています。
景気が悪くなれば、民間企業の賃金も下がります。
そうなれば当然、公務員の給与も減少対象に。
仕事量は変わらない、逆に増加するのに給与は減る
公務員として働く以上、このジレンマから逃れることはできません。
安定した給料だけなら、公務員はありです。
しかし、同じ仕事量でも給料が下がるのが今の公務員です。
⑵ 税務署勤務の場合毎年給与2割カットの可能性がある
税務署勤務の場合、毎年給与2割カットの可能性がありました。
理由は、地域手当です。
地域手当は、勤務地の民間賃金の水準に合われるための措置です。
東京23区内の税務署に勤務すると、基本給に対して、地域手当が2割加算されます。
しかし、同じ東京局でも千葉県の館山税務署では地域手当は0%です。
希望して、地域手当0%で働くなら納得できます。
ですが、国家公務員は毎年のように転勤があり、本人の希望が叶うことはほとんどありません。
東京23区から館山税務署に転勤になると、強制的に給料2割カットになります。
地域手当が20%⇒0%なれば、同じ仕事でも8割の給与で仕事をすることになります。
これが、精神衛生上やるせない気持ちになりました。
⑶ 公務員の退職金は激減している
公務員の退職金は激減しています。
平成25年から、公務員の退職金が大幅に削減されました。
金額としては、平成24年12月に退職した人と平成25年3月で定年退職した人では、退職金が100万円単位での減額です。
定年までの3ヶ月間の給料を合計しても、回収できない退職金の金額でした。
(退職金の所得税率は低いです)
退職金が減額された当時の風潮としては、「公務員の退職員は元が多いからいいじゃん」との意見が大半。
しかし、元の金額が多いからといって、喜んで退職金の減額を受け入れる人はいません。
普通に考えれば、3ヶ月間タダ働きするよりも12月に退職したほうが合理的です。
今後も退職金の減額は露骨になるでしょう。
今の退職金よりも半減する可能性もありえる話です。
⑷ 公務員時代の年収が自分の仕事量に伴っているか不安だった
公務員時代の年収が、自分の仕事量に伴っているか不安です。
税務署勤務時代、30歳での年収は500万円でした。
正直に申し上げて、公務員として500万円分の給料に見合う仕事が出来ていたのかはわかりません。
私としては、自分の能力をフルひ活用すればもっと稼げる(稼ぎたい)と当時から思っていました。
ですが、税務署の職員として与えられている仕事の内容が元々500万円分の価値があったのかは最後まで不明でした。
公務員は民間で採算の合わない仕事を請け負うため、客観的な判断がしにくいです。
仮に税務調査を営業職のような歩合制にしたら、強引な手法で税金を取る職員が圧倒的に増加するでしょう。
脱税者から徴収するのは一向に問題ないですが、税務調査には誤りを指摘する側面もあるので、泳がせておいて後から徴収する考えを持つ職員が出ても不思議ではありません。
なので、民間のような歩合制は職員の技量によって公平性を保つことにリスクが伴います。
ですので、どうしても税務署(公務員)の給料は、仕事内容ではなく年齢や勤務年数などから給料額を算出します。
労働意欲の低い職員に関してはそちらの方がメリットはあります。
より自分が楽をして多く給料を得ることができますので。
ただ、その状態は一向に労働意欲を上げるモチベーションになりません。
当然ながら、民間企業よりも、やる気のない職場に見えてしまいます。
4:公務員を辞めたことに自体を後悔することは無い
正直、公務員を辞めたことに後悔することは、考えられません。
収入は減少しました。
金銭面の憂いから、公務員に戻りたい気持ちが出ると思っていました。
しかし、税務署を辞めてから数か月経過しますが、「公務員辞めなければよかった」と考えたことは1度もありません。
⑴ 100%後悔しないくらいに考えて退職すれば後悔しない
100%後悔しないくらいに考えて退職すれば、後悔はしません。
私は、税務署に12年間勤務していました。
税務署は、1年目の初日からずっと辞めたいと思っていました。
当時は、高卒で辞めても公務員以上に待遇が良い職場はありません。
また、自分がどんな仕事をしたいかも、具体的に考えもしていなかったです。
その結果、辞めてもその先の未来が見えず、毎日のように退職や人生について考える公務員生活が続きました。
毎日のように悩んでいると流石に自分の中にある不安を一つ一つ具体化し、その不安が税務署で働き続けることで解決するのかを検討していきました。
結論としては、不安は無くなることは無かったです。
ですが、不安を具体化することで、自分の進むべき進路を見えてきました。
その中の私の答えとして、税務署を辞めるという決断に至りました。
現在勤めている職場を辞めることが正解ではありません。
ですが、辞める・辞めないの決断を下すことが出来るくらいに考えればどちらの選択をしても後悔することはありません。
⑵ 自分で決断したことが最大の『納得感』であり後悔しない秘訣
後悔していない最大の理由としては自分自身で決断したという『納得感』があります。
自らの意思で決断しことに他人の関与はありません。
あくまでも自分で決めたので責任も全て自分にあります。
自分の人生なので当然と言えば当然なのですが。
それでも人に言われて決断をすると、躓いた際に決断の助言をした人を言い訳の対象としてしまいます。
そんな意見を鵜呑みにして退職しても自分自身の心境に変化はありません。
変わらなければいけないのは自分自身です
今の環境を変化させる事を望み、
そのためにはどうすればいいのかを考え、
そして決断する
初めて自分の選択に『納得感』が生まれます。
ブログの記事は下書きも含め100記事くらい作成してきましが、実はこの記事は今までで一番書き始めるまでに取り掛かるのが遅かったです。
それくらい考えました。
でも、苦悩していたわけではないです。
後悔していることが無くて、後悔していることを探すのに苦労してました。
私は、そのくらい税務署を辞めたことに悔いはありません。
5:公務員から転職するのも選択肢として持つべき
公務員から転職するのも、選択肢として持つべきです。
悩んでいる人全員が、公務員から転職するのが正解だとは思いません。
しかし、公務員よりも良い職場環境があることは知っておく必要があります。
もし公務員以上に条件が良い職場があるのに、転職の選択をしなかったらどうでしょうか。
きっと後悔が残るはず。
実際に転職をしなくても、転職活動をすることはできます。
転職活動をするだけでも、自分にとっての公務員の価値がわかるので、転職・残留の判断がしやすくなります。
⑴ ミイダスで自分の市場価値を確認する
転職サイトに登録しなくても、職業適性を知ることが可能。
MIIDAS(ミイダス)は、あなたの市場価値と職種適正を診断してくれます。
ミイダスでは、年齢、職歴、資格、現在の職業などから、現在の市場価値を算出する機能があります。
私が、税務署職員時代に計測しましたら、当時の年収より市場価値の方が高かったです。
また、職業適性も調べてくれるので、現在の職業にしっくり着ていない人はチェックしましょう。
実際に私の診断結果の一部ですが、17の職種から適性を判断してくれます。
もちろん、診断後は自分に合った業種からのオファーを待つことも可能。
公務員の多くは、転職活動すらしたことがありません。
なので、転職前の適性チェックをして客観性も持つことも大切です。
⑵ 周囲に相談してみると意外とみんな同じ気持ちを持っている
仕事で悩んでしまう人は、自分自身で抱え込んでしまう傾向があります。
特に、「こんなことで悩んではダメだ」との自己否定は、マイナス思考のスパイラルにはまることに。
そんな時は、勇気を出して友人や信頼できる同僚に話してみましょう。
話してみるとわかりますが、意外と周囲の人も同じ気持ちを持っていることがあります。
むしろ、「○○さんがそんな風に思っているんですね」と言われることも。
周囲も悩んでいるのであれば、自分だけが悪いわけではありませんし、悩みの共有もできます。
更に、相手に話すときに頭で悩みを整理しますので、話すだけでスッキリ(納得)できる場合も。
他人の意見に流される必要はありませんが、他人の意見を聞くことも大切です。
⑶ 主観的・客観的に今の自分を把握すること
転職する・しないにかかわらず、今の現状を把握することは大切です。
運動不足の自覚があるなら、最初から全力で走りませんよね。
なぜなら、ケガする可能性が高いことを把握しているからです。
仕事も同じ。
自分のやるべきことと現実を見極めなければ、転職が上手く行くことがありません。
また、現状把握ができれば、公務員として働きながら改善できることもあります。
まずは、現状をしっかりと見極めることから始めましょう。
後悔しない!1年後に仕事を転職するための5つのステップには、将来的に転職することを考えた計画をまとめてあります。
ご参考になれば幸いです!