公務員の仕事は楽だと考えるのは、時代遅れです。
公務員の仕事は大変であり、身体を壊す職員があとを絶ちません。
「公務員は楽でいいですよ」なんて話を、現役・退職した公務員から直接聞いたことありますでしょうか。
公務員=楽と発言しているのは、公務員以外の人たちだけです。
公務員の仕事のイメージと現実のギャップについて、ご説明します。
1:世間は公務員と利害が一致しないので他人事として発言できる
世間の方々と公務員の利害が一致することはありません。
公務員の世間的は、決して良くありません。
しかし、自分の身内が公務員だったらどうでしょう。
公務員の給料が高くて文句を言う人はいません。
① 他人が良い待遇で仕事するのは面白くない
他人が良い待遇で仕事するのは、面白くないです。
現状の公務員の待遇は良いです。
悪くなることはあっても、リストラ制度が導入されることは考えにくいです。
しかし、公務員でない人にとっては、公務員の待遇は関係ありません。
嫉妬であっても、公務員の待遇が悪くなったほうが、気持ち的に嬉しいのが正直な意見です。
② メディアにとって公務員は叩く価値しか無い存在
メディアにとって、公務員は叩く価値しか無い存在です。
社会に不満を持つ人のはけ口として利用されるのは公務員の不祥事。
メディアは民間企業です。
自社に関係ない場所の事件・事故は報道しますが、自己利益に繋がる企業への批判や報道はしません。
しかし、公務員組織とメディアは(多分)利益共有をしていません。
メディアは、ズバズバ自由に報道することができます。
また、ネガティブ報道をすることによって、CM効果が上がります。
擁護するより叩いた方が報道による効果があなら、批判しない理由がないのです。
③ 公務員を擁護しても誰も得をしない
公務員を擁護しても誰も得をしません。
公務員の立場が必要(大事)な人は擁護しますが、関係ない人は擁護する必要ありません。
公務員の給料は税金です。
大多数の人は、公務員の処遇が下がった方が恩恵を受ける可能性があります。
(長期的にみると、待遇を悪くする→採用される人材が悪くなる→対応の悪化の悪循環に陥る可能性があるの一概に恩恵があるとは言い切れません)
公務員を擁護した場合、恨みを買う可能性があります。
そこまでして公務員を擁護するのは、公務員自身だけ。
そんな状況下では、公務員のイメージは悪化して、公務員=楽な仕事をしているとイメージが定着しています。
2:公務員の就職人気が楽な仕事のイメージを定着させた
公務員の就職人気が、楽な仕事のイメージを定着させました。
公務員は、就職したい職業ランキングで毎年上位に入る職業です。
① 就職先として公務員が不人気になることはない
就職先として、公務員が不人気になることはありません。
ソニー生命が公表した『中高生が思い描く将来についての意識調査2017』で、中学生が将来なりたい職業ランキングで、公務員は男子中学生6位、女子中学生は4位との結果になりました。
※ ソニー生命のHPより抜粋
流行りの職業がランクインすることはあります。
10年後ユーチューバーがなりたい職業にランクインしている可能性は低いです。
しかし、公務員がなりたい職業ランキングの圏外になることはまずありません。
なぜなら、公務員以上に安定した職業が今後出てくることは無いからです。
② 公務員の就職人気は不景気である証拠
公務員の就職人気は不景気である証拠です。
高度経済成長期の頃、公務員は不人気の職種でした。
日本全体が右肩上がりで成長している時代、民間企業で働けば基本的には業績は伸び給料も上がりました。
高度成長期の公務員の給料も上がっていましたが、民間企業の給料と比較すると、伸び率は高くありません。
高度成長期に公務員となった先輩は、公務員になる前に同級生から「なんで公務員なんかになるの」と、よく言われたそうです。
公務員の給料は、良くも悪くも上下の幅が小さいのが特徴です。
③ バブル崩壊のダメージの矛先が公務員だった
バブル崩壊のダメージの矛先が公務員でした。
高度経済成長期が終わりバブルが崩壊すると、給料は下がり、リストラされる会社員が激増。
公務員の給料は民間賃金の影響を受けつつも、公務員の生活にはそこまで影響は及ばしませんでした。
バブルを謳歌し、バブル崩壊でリストラにあった会社員
リストラされた会社員が、落ち込んでいるときに公務員の姿を見たら思うでしょうか。
そう呟いたはずです。
呟きは、社会への不満が多ければ多いほど広がります。
一過性のものであればそこまで公務員批判は広がりません。
しかし、バブル崩壊後の空白の20年間は公務員への不満が広がるのに十分な期間でした。
その延長線上にある『今』は、継続して社会への不満のはけ口が公務員に向かっています。
質の悪い公務員も多く在籍しています。改善しなければいけない事項も山のようにあるので、批判はごもっともです。
ただ、一方的に批判する人は、少なからず公務員に対しての嫉妬が絡んできてるのも事実です。
嫉妬が、社会に公務員の間違ったイメージを植え付けています。
3:公務員の仕事を一括りにまとめるのが間違い
公務員の仕事を、一括りにまとめるのが間違いです。
公務員といっても、実際の仕事内容は千差万別です。
① 自衛隊の仕事を楽だと思う人はいない
自衛隊の仕事を、楽だと思う人はいません。
自衛隊は公務員です。
災害時に要請があれば自衛隊はすぐさま現地へ向かいます。
災害救助を「仕事だから」と一括りにすれば、それまでです。
しかし、災害時の活動は危険な地域に入ることもある大変な仕事です。
自衛隊の職務は楽な仕事なのでしょうか
楽だと言う人は、ほとんどいません。
② 批判する人の視界は狭くなるので正すことが難しい
批判する人の視界は、狭くなるので正すことが難しいです。
批判が間違っていれば訂正し、正しく理解すれば済む話です。
全てを正解に回答できる人はいません。
しかし、「どうしても自分の話を正当化したい」と強く思う人は思考が固定化しています。
数年前に財務省の職員が居酒屋タクシーと題して、タクシーチケットを異常な回数使用してたとして問題となりました。
タダ同然にタクシーチケットを使用するのは問題ですし、換金してたら横領です。
当時の批判的な意見はごもっともです。
でも、よくよく考えてみてください
そもそも毎日終電がなくなる時間まで仕事をしているから、タクシーで帰宅するためにタクシーチケットを使用します。
毎日終電に乗れない仕事をする職業が、果たして『楽な仕事』なのでしょうか。
この論点での話ができないと、批判を止めることはできません。
③ 公務員も会社員と同じで楽な部署忙しい部署はある
公務員も会社員と同じで、楽な部署忙しい部署はあります。
税務署で10年以上働いてきましたが、公務員の仕事を楽をしている職員も多く在籍します。
- 新人より働かないベテラン
- ロクに仕事をしないで帰る職員
- 仕事量に見合わない給料を得ているう職員
嫌というほど見てきました。
しかし、民間の会社でもそれらに該当する人はいますよね。
大きな企業であればあるほど窓際族と言われる人々がいます。
ロクに働いていないけど、リストラする基準には満たない職員。
公務員はリストラ制度はありませんが、会社が傾かない限りその職場にいられる人も楽をしている公務員とあまり変わりはありません。
また、ベテランの働かない職員は新人時代からそうだったのでしょうか。
職員人生で大変な時期はあったはずです。
夜遅くまで残って仕事をしていた時期もあったと思います。
就職して定年までずっと楽な仕事なんてどこにもありません。
それは会社員でも、公務員であってもです。
4:自分の進路を他人の考えで決めてはいけない
自分の進路を、他人の考えで決めてはいけません。
私が公務員だった頃、「公務員は楽だよな~」なんて言う人がどうして公務員にならなかったのかが不思議でしかたなかったです。
- 動画が面白い=【動画を見る】
- 漫画が面白い=【漫画を読む】
- ゲームが楽しい=【ゲームをプレイする】
- 公務員の仕事が楽≠【公務員に就職する】にはならない
公務員の仕事が楽しいなら、自分自身で公務員になっています。
公務員になっていない人は、公務員の仕事が楽しくないと思っていたからです。
そのような人の意見を聞いても、意味がありません。
他人の意見を鵜呑みにして、後悔するのは自分自身です。
5:公務員の仕事を判断するには自分の目を信じるしか無い
公務員の仕事を判断するには、自分の目を信じるしかありません。
- 公務員の職種ごとに仕事の内容を確認する
- ブログなどで情報を収集
- 役所で公務員の働きっぷりを実際に見てみる
仕事を楽に感じるかは人それぞれです。
私の働いた国税組織も、残業時間はバラバラです。
毎月残業100時間しても楽しんでいる職員はいます。
残業はなくても、精神的に辛い思いをしている職員もいます。
公務員で働きたい思う理由は何でしょうか。
公務員が全ての人にとって、楽な仕事ではありません。
楽な仕事は、苦労を苦労と感じない仕事です。
世間のイメージに囚われず、自分の価値観で仕事を選択しましょう。
ご参考になれば幸いです!