転職先としてライターを目指す場合、やみくもに挑戦しても効率が悪いです。
ライターの需要は年々増加している一方で、ライターを始める人も増加しているので、報酬単価は下がっているとも言われています。
ただそんな状況でも、私は税務署を退職し、ライターを始めて1年で生活できる程度の収入を稼げるようになりました。
文書を書く経験がない人でも、生活できる収入は稼げますので、その方法についてお話しします。
1:現時点の学歴・職歴・資格をしっかりと把握する
ライターは未経験者でも始められる職業ですが、学歴・職歴・資格はライターの仕事内容に関係します。
ただ勘違いしてもらいたくないのは、世間的に評価される高学歴・大手企業に勤務した経歴だけが武器になるわけではない点です。
⑴ 低学歴もライターにとっては武器となる
ライターは読者に刺さる記事を書くのが仕事です。
匿名で記事を書くのであれば学歴は関係ありませんし、プロフィールを記事に表示する際も、必ずしも高学歴がプラスに働くとは限りません。
たとえば学歴に悩んでいる読者をターゲットにした記事を書く場合、筆者が低学歴と高学歴のどちらに共感してもらいやすいでしょうか。
高学歴の人が学歴格差を批判しても、高みの見物に見えますよね。
一方で学歴に苦労した人が体験を元に記事を書いた場合、読者から共感を得やすいメリットがあります。
私は高卒出身で頭は良くありませんが、ライターとしての活動で学歴が壁となった経験は1度たりともありません。
⑵ その職歴にしか書けない記事を見出すことが大事
輝かしい経歴は武器となりますし、私の場合元税務署職員(公務員)を武器の一つとして活動しています。
ただ学歴と同様、地味な職歴も使いようによっては、いくらでも武器となり得る存在です。
たとえば高校卒業から30歳までニートだった人は働いた経歴を持っていませんが、12年間もニートを経験した実績があります。
多くの人はニートを経験したことがありませんし、働いていない期間も一時的なものが多いです。
しかし12年間のニート経験談を書ける人はほとんどいませんし、ニート向けの媒体なら元ニートのライターは必ず欲しい人材です。
また主婦をしながらライターをしている人もいますが、その方々は主婦の肩書きを武器として活動しています。
手元にある武器はいくらでも使い道がありますし、むしろ使えない武器は無いと思ってください。
⑶ 資格は権威性を誇示するのに有効
国家資格など、専門的な記事を書く場合に資格が必要なケースもあります。
ただ民間資格は無くても記事を書くことはできますので、知識があれば基本的に資格を保有の有無はさしたる問題ではありません。
ただ読者から見た場合、民間資格でも権威性となって現れケースもあります。
無資格の人と、ファイナンシャルプランナー1級の人が人生設計の記事を書いた場合、どちらの方が説得力があるでしょうか。
ライターとしての特色を出したいなら資格を取得するのも選択肢になります。
ですが資格が無くても、ライターとして働ける道は十分存在します。
2:ライターは事務所代わりにブログまたはnoteを開設すること
専属ライターを除き、基本的にライターは自営業です。
そのため自ら営業する必要がありますし、知ってもらうために事務所となるものを設置する必要があります。
しかしWEB上で活動するライターになるのであれば、実際の事務所を構える必要はなく、代わりにブログやnoteのアカウントを開設しておくと便利です。
⑴ ブログやnoteはお店のホームページと同じ名刺の役割がある
ブログやnoteの役割は、飲食店のホームページと同じ役割があります。
口コミ以外でお店の情報を知ろうとする場合、公式ホームページを見ますよね。
公式ホームページが無いと「大丈夫かな?」と不安になり、それだけで来店をためらう人も少なくありません。
ライターも同様で、クライアントが執筆依頼をする場合、窓口が無ければ依頼する手立てがありませんし、無名ライターに時間を掛けて連絡しようとする人なんていません。
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSも活用すべきですが、事務所的な意味合いだとブログやnoteを解説した方が便利です。
⑵ 自己アピールできる場所を作って損はない
ブログの利点は、自分の好きな内容を好きなだけ記載できる点です。
Twitterのプロフィールには文字数制限がありますし、Instagramも文書を書くのには適していません。
一方noteはブログのように文章を書けますし、そこから派生して有料コンテンツも販売できる仕組みもあります。
ライターとして活動すれば実績も積み重なるので、その都度ブログを更新すれば実績の信用度も上昇します。
また案件を依頼する条件を提示しておくと、クライアントも依頼しやすくなる利点があるので、ブログを開設して損はありません。
⑶ とりあえず伝える文章を1度書いてみること
ブログやnoteを開設するもう一つのメリットは、文章を書いて見てもらう場所を簡単に作れる点があります。
ライターになろうと考えている人でも、部外者に読んでもらう文章を書いた経験がある人は少ないと思います。
私も税務署職員時代、部内向けの文章は何度も書きましたが、対外的な文書を書いた経験はほぼゼロでした。
そんな私は公務員を退職後、ブログを200日以上毎日更新し、文章を書き続けました。
文章の質は別として、文字を毎日書くことに慣れ、1日で書ける文章量も当初と比較にならない程度に増加した経験があります。
文字を書くことについては好き・嫌いや得意・不得意があるので、その見極めにブログを利用することもいいでしょう。
3:ライターのクラウドソーシングサービスに登録する
近年ライターが増えているのは、クラウドソーシングサービスの登場も理由にあります。
何もツテが無い状態でライターになる場合、クラウドソーシングサービスを利用するとお金を稼ぎやすいです。
⑴ ランサーズとクラウドワークスに登録すれば最初は十分
クラウドソーシングサービスは、依頼主と請負主を繋ぐ仲介屋みたいなものです。
仲介屋なので手数料を支払うデメリットはある一方、全国各地のクライアントから案件を獲得できるメリットがあります。
ライター向けのクラウドソーシングサービスの大手としては、『ランサーズ』と『クラウドワークス』の2種類あり、最初はこの2つに登録すれば十分です。
ランサーズの方が案件の質が良い一方で、クラウドワークスは案件の数がとても多いです。
私はランサーズをメインに使用していますが、最初は両方を利用して自分に合ったクラウドソーシングサービスを選択しましょう。
⑵ プロフィールはクライアントが求めている情報をしっかり記載すること
クラウドソーシングサービスを利用する際に最も大事なのが、「信用」です。
クライアントからすれば、お金を支払って発注するので、変な人に案件を依頼したくありません。
そのため依頼者を選定する際は、実績や人となりを重視するため、ネット上では信用力の高い人が圧倒的に有利です。
ライターを始める人は実績も知名度もありませんが、自己アピールは可能です。
クラウドソーシングサービスに登録すれば、アカウントのプロフィールがありますので、そこに自分が書けるジャンルや、実績、自己アピールを記載します。
プロフィールを埋めただけで、案件を獲得できるわけではありませんが、プロフィールを埋めないと案件を獲得できないのでしっかり書きましょう。
⑶ 信用力を上げたいのなら本名・顔出しをした方がいい
ライターとして活動する場合、悩みどころが本名・顔出しの有無です。
本名・顔出しは信用力に非常に大きな影響があります。
- A子、似顔絵(ペンネーム・顔出しNG)
- 山田花子、顔写真(本名・顔出しOK)
同じ能力を持った人なら、この2人のどちらに依頼したいでしょうか。
ほとんどの人は本名・顔出ししている方に依頼すると思います。
ただ本名・顔出ししないと案件を獲得できないとは限りません。
実際、私は「矢駒」というPNで、似顔絵をプロフィールで活動しています。
顔出ししなくても、稼いでいる人はたくさんいますので、もし本名・顔出しが嫌なら、その前提条件でどう立ち回るかを考えてください。
4:クラウドソーシングサービスを利用してライター案件を獲得する方法
クラウドソーシングサービスを利用して案件を獲得する場合、毎日の積み重ねが大事です。
特出した能力や才能、ステータスが無いのなら、地道に案件を獲得するしか方法がありません。
⑴ 毎日新規案件は必ず確認すること
クラウドソーシングサービスは毎日に新規案件が登録されますので、欠かすことなくチェックしましょう。
検索条件を絞らないとチェックしきれませんので、
- 作業内容
- 文字単価
- 文字数
- 納品記事数
など、ある程度条件を絞った方がいいでしょう。
毎日チェックする理由としては、新規案件を確認する習慣化と募集期間が短い案件を見逃さないためです。
納期が短い場合、報酬が高く設定されていることもありますので、夜など集中力が切れて記事を書かない時間帯に探してください。
⑵ 自分で決めた最低限の単価以下の案件には応募しないこと
ライターの単価は千差万別で、0.1円から10円超まで100倍以上の差があります。
正直1円未満の案件に募集することはオススメしません。
なぜならいくら頑張って記事を書いても、アルバイトの時給を超える収入を得るのは難しいからです。
記事を執筆する工程を大きく分けると4段階あります。
- 構成案を練る
- 下書き
- 清書
- 誤字脱字のチェック
単純に文章を書くだけなら、私でも1時間に5,000文字は頑張って書くことも可能です。
(私の書くスピードは遅い部類だと思います。)
しかし構成を考える時間は必要ですし、記事作成に必要な知識や情報を仕入れる必要もあります。
また清書や誤字脱字のチェックは、下書きと同じかそれ以上に時間を要します。
となると、1時間に1,000文字から2,000文字の記事を作成するのが限度です。
1文字1円なら1時間2,000文字で、時給2,000円です。
しかし文字単価が0.5円なら時給1,000円、0.1円なら時給200円と、普通にアルバイトをした方が稼げます。
勉強のために低単価の案件でも執筆する選択肢もありますが、単価が低いと依頼内容も単純なものが多いため、収入以上の価値を見出すのは難しいです。
⑶ 案件の応募は数をこなしてナンボの世界
ランサーズやクラウドワークスでいい条件の案件を見つけても、採用されなければ意味がありません。
いい条件で記事を書きたいのはどのライターも同じなので、好条件の案件はライバルが多く、中々採用されない現実があります。
しかし採用されなくても、どんどん募集をしましょう。
私も10件応募して、1件しか採用されなかったことも普通でしたし、心が折れそうになったことも多かったです。
ただそこで自分の中にある条件を下げてしまうと、ライターとして生活する収入を得るのは難しくなるので、採用されるまで募集していきましょう。
5:ライターの記事単価を上げるコツ
ライターの収入を上げる方法は、執筆する記事数を増やすか、記事単価を上げるかの2択しかありません。
1日で書ける本数は限られていますので、個人的には記事単価を上げることをオススメします。
⑴ 現在携わっているクライアントの単価を上げるのは難易度が高い
現在記事を毎月(毎週)納品しているクライアントがいた場合、単価交渉は難しいと思ってください。
理由はシンプルで、クライアントにとってライターの単価を上げるメリットがほとんどないからです。
社員であれば、給料を上げてやる気を出してもらうケースもあります。
ただ社員ではないライターのモチベーションを上げる必要はありませんし、怠けていたら契約を打ち切ればいいだけです。
クライアントが絶対に手放したくないライターとの認識があれば、報酬交渉にも応じます。
しかしクライアントが誰でも書ける仕事を依頼している認識があれば、値段交渉をした時点で契約が終わる可能性も否定できません。
そのため、もし現在の報酬に不満があるのなら、最悪契約が終了してもいい覚悟で挑みましょう。
⑵ 単価の高い新規案件を応募するのが時給を上げるコツ
文字単価を上げる一番簡単な方法は、応募する案件の単価を上げることです。
今まで文字単価1円に応募していたのなら、2円に挑んでみましょう。
もし採用されれば、単価は2倍になります。
もちろん単価が上がれば求められる内容も高くなるので、単純に時給が2倍になるとは言い難いです。
しかしライターの仕事に慣れてきたのなら、1ランク上の案件に挑戦し、収入を上げる努力をしないといつまでも所得は増えません。
⑶ 発注依頼があれば値段交渉もしやすい
ランサーズやクラウドワークスに登録していると、クライアントから直接執筆依頼があるケースも少なくありません。
相手があなたを狙って依頼してきた場合、ある程度有利な条件を提示することも可能です。
もちろん先方にも予算があるので、青天井とはいきませんが、0.5円単価を上げるなどの交渉はしやすいです。
6:本気でライターを仕事にするなら半年で結果を出すこと
私が本格的にライターの仕事を始めてから、生活できる収入に達したのは半年くらいかかりました。
正直アルバイト程度の収入を稼ぐのに半年かかった私は、かなり遅いです。
ただ生活できる水準に達した以降は、幸いなことに一定の収入を確保することができ、ブログ収入と合算して2年目で収入500万円を超えました。
本業がある人は、副業としてライターをするのはアリですし、転職してライターを始めるのは少しリスクが高いです。
それでもライターとして働きたいのなら、半年間で結果を出しましょう。
ライターだけが自宅で行える仕事ではありませんので、不向きだと理解したら別の業種にチャレンジする決断も必要です。
ご参考になれば幸いです!