私は12年間の税務署職員生活で、4か所の税務署に勤務していました。
千葉と東京を行き来していたので、ベットタウンや田舎、そして都心での勤務経験もあります。
税務署時代を振り返ると、東京都心で働いている時が、一番充実していたかもしれません。
なぜなら、東京都心が仕事をやる気にさせてくれる街だったからです。
1:都心の資産課税部門は規模が小さい
私が都心で勤務するようになったのは、20歳前半の時で、初めての転勤で東京勤務になりました。
都心の税務署の特徴は、法人課税部門が多い点であり、部門数が10以上ある税務署も珍しくはありません。
ただ私の所属していた資産課税部門の規模は小さく、1部門しかない税務署もあります。(資産課税部門は、相続税や贈与税を担当する部署)
しかし住んでいる人の収入や資産は千葉県の税務署とは比較にならず、私の収入の10倍ある人と面接対応することもありました。
また相続財産の桁も見たことない数字が並んでいたのを、今でも鮮明に覚えています。
2:税務署での仕事内容は地域によってあまり差はない
税務署内での仕事内容は、地域によってそこまで差はありません。
違いとすれば、珍しい特例制度の適否判定や、田舎でしか適用しない特例があるケース。
相続税の場合、農地の税金が猶予される特例制度があるのですが、その制度を都心の税務署で目にすることはほぼありません。
一方、田舎の税務署であれば、農地の特例は普通の相談でもたまにあるくらいの身近な制度。
そのため相談担当になる職員は、必須になる知識であり、田舎に転勤になれば優先的に覚える特例でした。
ちなみに相談する人の相談内容の質や態度などは、地域によって露骨に差が出ます。
そのため税務署が所在する場所によって、働きやすい・働きにくいなどの差が出るのは、税務署職員あるあるです。
3:オフィス街の風景は仕事をする上で興奮する
都心の税務署で働いていた時期は、正直いい思い出はあまりないです。
なぜなら、私以外の同僚同士の仲が悪かったので、職場の空気が最悪な状況で働いていたからです。
ただそんな環境でも、税務署に行くまでの空気は嫌いではありませんでした。
地下鉄を出れば、千葉県では見ることのできない高層ビルが立ち並び、行き交う人はみんなスーツ姿。
そして匂いがオフィス街の空気を醸し出し、「仕事をする場所!」との気持ちにさせてくれました。
あと駅の近くに本屋があったのも、個人的に嬉しかった点。
そこで「あさひなぐ」を見つけたのも、今となってはいい思い出です。
4:フリーランスとなっても東京の空気感は好きだった
税務署を退職し、現在はライターとして活動をしています。
働く場所はコワーキングスペースと自宅であり、幸いにも車で20分くらいの場所にあるので、仕事スイッチの切り替えもできます。
また私は取材をしないライターなので、出張することも基本的にありません。
東京に行くのは、クライアントの要望で打ち合わせで行く程度です。
クライアントとは東京駅周辺で打ち合わせをすることもあるのですが、東京駅近郊や丸の内で働く人の姿は老若男女すべての人がカッコいいです。
六本木に行くと、また違った姿が見えるかもしれませんが、私は丸の内のTHEサラリーマンの風景や空気感が好きです。
仕事してる感は、お金には直接結びつきません。
ですが仕事してる感で、仕事の満足度が上がるなら、働く場所を変える価値があると思っています。
5:東京都心で働く環境が自分自身を成長させる
東京都心の家賃は桁違いに高いですし、近郊の住む場所も値段も他県とは違いますし、そこまでしても東京で働く意味があるかわかりません。
ただ東京都心の空気が、仕事をする気持ちにさせてくれるので、仕事の効率が上がる可能性は十分にあります。
また人は居心地のいい場所で成長できるほど、自分に厳しくできません。
なので自分の居心地の悪い場所を意図的に作り、そこから脱出する活力が、仕事への力となります。
東京で働くならオフィス代など相応の対価を支払うため、元を取るために仕事を頑張る動機が生まれます。
そして目的のために働く力が、自分を成長させ、それが収入へと繋がることに。
そう考えると、もう一度東京で働くのもいいかもしれないと、税務署を退職した今実感しています。
ご参考になれば幸いです!