税務署の仕事は大まかに分類すると税務調査と税金の徴収です。
税金の申告を正しくしているかをチェックするのは課税部門といわれる部門で、個人の所得をチェックする個人課税部門や法人の申告をチェックする法人課税などがあります。
しかし、税務署に納税者が申告しただけでは国に税金は入りません。
申告書で確定した納付税額を納めて初めて国の税収となります。
そのため、税金を納めない人に対して税金を取り立てるのが徴収部門と言われる部門で、所謂財産の差し押さえを行うのも徴収部門になります。
- 税務調査
- 財産の差押
税務署のイメージとして、この2つが強いのではないでしょうか。
実際にその通りです。
「税務調査をしたい!」や「マルサの仕事をしたい!」って人はかなりの確率で調査担当になれますので夢が実現となります。
しかし、逆の視点に立った場合はどうでしょうか。
税務調査や差し押さえなどを受ける相手によってはそれらの行為は非常に嫌がられます。
なので、そこを割り切れない人が税務署職員となると大変です。
恥ずかしながら、私は税務署のことをほとんど知らないで採用試験を受けました。
税務調査のイメージはありましたが、税務調査以外の仕事もあるかと思っていました。
しかし、現実に税務調査以外の仕事だけをした職員はいません。
必ず税務調査を経験します。
そんな税務署のやりがいについてご説明していきます。
1:税務署に就職するなら税務調査は避けて通れない
税務署の職員になると税務調査は避けて通れません。
なので、税務調査をしたいくないって人は税務署の採用試験を受けない方がいいです。
しかし、なぜそこまで税務署が税務調査に力を入れているかというと、税務署の理念として『適正公平な課税の実現』があるからです。
平たい話、みんな納得する形で申告するのが理想であり、適切な申告をしていない人がいたら是正をしてキチンと申告させるのが目的です。
前提として税務署側としては申告は納税者の義務であるので申告するのは当たり前との前提があります。
それゆえ、申告をしてもらうのに力入れる一方で、それ以上に申告内容を是正したいとう気持ちがあります。
なので、税務署は調査第一主義となっています。
2:税金の滞納者に納税してもらう徴収部門は好みが分かれる
税金を納めていないと滞納という形になります。
税金を納めたくない人もいれば、何らかの事情で納めることができない人もいます。
ですが、徴収部門はそれらの人を区分けしません。
延納という形で手続きとして納税を延期している人は別ですが、延納手続きをしないで未納になっていれば、徴収部門としてはいち早く納税をさせようとします。
税務署にとっての税金は収入ですので、売り上げがあってもお金を貰っていなければ取り立てに行きます。
それが徴収部門です。
徴収部門のお世話になっている人は独特な人が多いです。
平気で嘘をつく人や、いちゃもんをつける人は普通です。
そんな人達に毅然とした態度で対応して処分をしなければいけません。
差し押さえをすれば税務署に怒鳴り込んでくる納税者もいます。
私の同期は自宅に出向いた際一時閉じ込められたそうです。
そんな状況下を楽しめるか
それが徴収部門で生きていくための条件となります。
3:税務署の仕事でやりがいを見つけるなら調査を好きになるしかない
市役所でも住民税の調査等を行う場合はありますが、税務調査を大々的に行うのは国税庁の組織のみです。
(国税庁の下に国税局、税務署と繋がっています)
なので、税務調査が大好きな人は本当に天職のような職場であり、実際毎日職場に泊まって仕事をする職員もします。
本当に税務調査が大好きな人です。
それらの人は大袈裟ですが、少なくても税務調査を好きでなければ税務署職員は務まりません。
40年~50年仕事をするのであれば、お金のために嫌いな仕事をするのはどうでしょうか。
別に税務署職員である必要がありません。
時に税務調査は調査を受けている人を傷つけることもあります。
税務調査を受ける人全員が悪人ではありません。
なので、税務調査の度に心を傷つけてしまうと身体が持たなくなってしまうのが正直なところです。
4:調査以外の仕事をするために税務署に入るのはオススメしない
【職業】公務員の括りであれば、わざわざ税務署を選択する必要はありません。
税務署は一般的な公務員のイメージの中でも警察官や教師など特異的な職業だと思ってください。
公務員になりたい思って、その選択肢として教員になる人は少ないと思います。
教員になった人の大半が教員になろうとして就職しています。
税務署もそれと同じで、税務調査がしたい人は税務署を就職先として選んでください。
また、滞納処分や差し押さえなどの手続きをしたい人も税務署の採用試験を受けてください。
それくらい税務署は特徴がある職場ですので、唯一無二の価値がありますので。
ご参考になれば幸いです!