国税庁がスマホから確定申告できるようにするみたいです!
(H30.11.6朝日新聞)
まぁ元税務署職員なので知ってましたが(笑)
もしかしたら今年の2月から3月に税務署に来署されて電子申告をされた方は職員から話があったかもしれませんが、国税庁はIDパスワード方式(IDPW方式)を採用するみたいです。
って話だと思いますので、こちらの記事では、ID・PW方式とスマホ申告についてご説明します。
1 ID・PW方式でマイナンバーカードは不要に!?
従来の電子申告(e-Tax)をする場合、住基カード又はマイナンバーが必要でした。
※マイナンバーカードは市役所で申請します。
マイナンバーカードが必要な理由としては、なりすまし送信を防ぐための本人確認としてですが、そこまでのハードルが高かったです。
マイナンバーを用意するのもそうですが、一番の障害となったのはマイナンバーカードを読み取る機械を別途用意しなければいけなかったこと。
⇓こんなやつ
ソニー SONY 非接触ICカードリーダー/ライター PaSoRi RC-S380
自宅のパソコンで電子申告をしようとした場合、パソコンにICリーダライタを装着して、そしてマイナンバーカードをタッチして本人認証を行います。
⇓マイナンバーカード差し込み式のもあります。
NTTコミュニケーションズ 接触型 USBタイプ ICカード リーダーライター ACR39-NTTCom
でも、ふと思いませんか?
「確定申告の為だけにわざわざ買う必要があるのか」と。
忙しい人や税理士であれば必要です。
でも、還付申告をするのにどうして出費を増やさないといけないのか。
それゆえ、自宅での電子申告の割合は増えませんでした。
(国税庁の公表している電子申告は自宅からの申告割合ではありませんので)
そこで電子申告普及のために国税庁が出した対策がIDPW方式なのです!
IDPW方式は簡単な話、マイナンバーカードで本人確認をしていたのを事前に税務署に届け出ることによって申告時点での本人確認を省略するシステムです。
いま公表されている時点では、税務署に設置されているIDPW登録パソコンで申請をすることによって、各本人ごとに割り振られた確定申告用のIDとPWが発行されます。
それを確定申告期に使用することで、マイナンバーカードやICリーダライタが無くても自宅から電子申告をすることができるのです!
2 スマホ・タブレットからも確定申告が可能に
国税庁HPにこのようなページがあります。
まぁ、「始めるのが5年遅い!」って声も内外ともにありますが、スマホ・タブレットで電子申告できなかった理由(言い訳)が本人認証だったので、IDPW方式の確立により問題が解決しました。
(ICリーダライタがスマホ対応していればのマイナンバーカードでもスマホ送信は可能です)
「スマート申告始まります!」と国税庁はアピールしてますが、申告が簡単になるわけではなく、単純にスマホ専用画面が出来ただけです(笑)
それでも、がんばったと国税庁を褒めてください(棒)
3 ID・PW方式とスマホ申告の欠点は多い
国税庁HPではこのように説明があります。
「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されたe-Tax用のID・パスワードを利用してe-Taxを行う方法です。
マイナンバーカードとICカードリーダライタは不要です。
「ID・パスワード方式の届出完了通知」の発行は、税務署で職員による本人確認を行った上で発行しますので、運転免許証などの本人確認書類をお持ちの上、お近くの税務署にお越しください。
なお、平成30年1月以降、確定申告会場などで既にID・パスワード方式の届出完了通知を受け取られた方は、平成31年1月からご利用いただけます。※ マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応です。
※ 税理士の方が代理送信される場合は現行と同様の方式となります。
※ 開発中の画面が含まれておりますので、実際の画面と異なる場合があります。
出典:国税庁HP
暫定的ではありますが、マイナンバーカードの代わりとして税務署に事前登録すればマイナンバーカードがなくても自宅から電子申告が可能ってイメージです。
⑴ ID・PW方式は国税庁の苦肉の策
e-Tax(電子申告)が可能になってから10年以上になりますが、利用者は正直伸び悩んでいるのが現状です。
そもそも電子申告のメリットとしては自宅から送信して税務署へ来署しなくてもいいのが1番ですが、申告する人の大半は中高年層です。
特に高齢者に関してはパソコンを持っていない人もいるので、国税庁としては電子申告の普及目標に届かないのが非常に不安な状況です。
そこで若年層だけでもID・PW方式で自宅から送信できるようにして、少しでも電子申告の利用率を上げようとする意図があります。
もちろん真の狙いは別で、確定申告の相談時間の削減による税務調査時間の確保。
I LOVE 調査
国税組織とはそんなものです。
⑵ スマホ申告は医療費控除だけ対象?
詳細は出ていませんが、スマホ画面で確定申告書作成するのは結構大変です。
もちろん不可能ではないですし、私は普通に申告できると思います。
何故ならば、(職員として)確定申告の仕方とパソコンでの申告画面を何千回と見ているので(苦笑)
初めて確定申告をする人は当然予備知識がありません。
そうなると画面上の情報が全てです。
会社で年末調整が終わっている人が医療費控除をするだけであればそこまで入力に必要な情報も無いですし、計算も必要ありません。
ですが、計算の必要な事業所得者などは相当厳しいです。
スマホでの申告書作成種類の制限はそこまで無いとは思いますが、まだ普及するのかは不透明です。
(もしかしたら普及させるために税務署の確定申告会場で無理やりスマホで申告させるかも!?)
4 不便であっても申告義務は果たしましょう!
還付申告は申告義務ではないので(税務署的には)いいのですが、2か所以上の給与があった場合などは申告する必要があります。
どんなに不便でも、どんなにスマホ画面が使い勝手が悪かったとしても申告はしてください!
一応国(国税庁)側をフォローすると、今回の変更点は従来の申告方法からののデメリットはありません。
なので60点のものが65点くらいになったと思って、温かい目で見てください!
ご参考になれば幸いです!