高卒採用の公務員試験は、倍率は高いです。
しかし、公務員採用試験が難関なわけではありません。
高校を卒業して就職する場合、優良の就職先として、公務員が選択肢となります。
現実社会は、ずっと学歴社会です。
高卒・大卒で同じ作業能力を持っていても、学歴の違いだけで給料に差が出ます。
しかし、実は公務員は、学歴格差の少ない業種です。
生涯年収も大卒公務員と変わりません。
キャリア採用は別格ですが、努力次第で、大卒と同じく出世できます。
高卒の公務員の採用試験の実態については、続きをご覧ください。
1:公務員試験の出題範囲は共通しているので専門知識が不要
公務員試験の出題範囲は、共通しているので専門知識が不要です。
公務員には、国家公務員と地方公務員が存在します。
試験内容は異なりますが、試験の出題範囲は、国家公務員・地方公務員はほとんど同じです。
なので、複数の公務員試験を受ける場合でも、試験ごとの専門知識を勉強する必要がほとんどありません。
私が受けた、税務職員採用試験の1次試験は、以下のような内容です。
平成30年度 税務職員採用試験
試験種目
基礎能力試験(多肢選択式)
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験(出題数合計40題)知能分野20題 文章理解、課題処理 、数的処理 、資料解釈 知識分野20題 自然科学 、人文科学 、社会科学 適性試験(多肢選択式)
速く正確に事務処理を行う能力についての筆記試験(出題数120題)
置換・照合・計算・分類などの比較的簡単な問題を限られた時間内に番号順にできるだけ多く解答するスピード検査作文試験
文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験
知識分野は、高校などで習う授業で暗記問題です。
知能分野は、規則性を見つけて答えを出すものであり、練習すれば応用できる分野です。
一方で、地方自治体の試験(千葉県職員採用)は、以下の通りです。
千葉県職員採用試験
初級
(高校卒程度)教養試験
択一式(2時間)50問出題。全問解答。
専門試験
土木・電気等の技術系職種のみ実施。
択一式(2時間)40問出題。全問解答。
作文試験(※1)
事務系職種のみ実施。
記述式(1時間)
問題数の違いはありますが、教養試験は知識分野と知能分野が混在しているため、国家公務員試験と基本的な内容は同じです。
専門職だけは専門問題が出題されます。
ただ、事務職であれば国家公務員も地方公務員も勉強する内容は同じなので、専門的な知識は求められません。
2:国家公務員の採用倍率は職種によっては10倍以上ある
国家公務員の採用倍率が、10倍以上の職種も存在します。
国家公務員試験採用情報NAVIの平成30年度一般職試験(高卒者試験)採用予定数によると、事務職の採用人数は約1100人です。
一方、申込者数は12,871人です。
単純計算しても、競争倍率は10倍以上あり、難関試験といえます。
高卒で就職する人にとって、競争倍率10倍以上の試験に臨む機会は人生で初めです。
しかし、実際の公務員試験は、競争倍率以上には難しくはありません。
公務員試験は、複数受験するのが一般的なので、内定辞退者が多いです。
また、高卒で就職する人は、勉学を得意とする人が少ないのも特徴です。
私は、現役高校生で公務員試験に合格しました。
しかも、一般教養の授業が少ない、工業高校出身で税務署職員となりました。
勉強すれば、公務員試験に合格するのは夢ではありません。
3:高卒採用の公務員試験のライバルは専門学校生
高卒採用の公務員試験のライバルは専門学校生です。
専門学校には、公務員試験のための学校が存在します。
公務員試験には、専門学校採用枠が存在しませんので、高卒採用枠を高卒と専門学校卒で争うことになります。
① 公務員試験は年齢が条件で学歴は不問
公務員試験は、年齢が条件で学歴は不問です。
高卒の公務員といっても、高卒でなければ受験できないわけではありません。
税務職員採用試験(平成30年度)
受験資格
①平成30年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して3年を経過していない者及び平成31年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者
②人事院が①に掲げる者に準ずると認める者参照:国税庁HP
年齢条件が合致していれば、中卒でも専門学生でも受験資格はあります。
私が公務員試験を受けたのは10年以上前となりましたが、昔と比較して今は受験する世代に変化が表れています。
私が採用された当時は、高卒と専門学校卒の割合が7:3でした。
しかし、現在は高卒と専門学校卒の割合が3:7と逆転しています。
(現役の公務員時代に新人職員に確認しました)
② 高卒公務員試験のライバルは専門学校生
高卒公務員試験のライバルは、専門学校生です。
高校生であれば、以前は同じ学年の人がライバルでありましたが、現在は専門学校で勉強している年上が採用試験の椅子を争うことになります。
公務員の専門学校では、文字通り公務員採用に特化しています。
講義の内容は、常に公務員試験のための勉強です。
逆に、現役高校生として公務員試験を受ける人は大学受験とは違い、高校2年生の時点から公務員試験を受けようと決めている人は少ないです。
就職をしたい
⇓(高校生1年生)
自分の行ける就職先を考える
⇓(2年生の冬)
公務員の採用もある
⇓(3年生の春)
公務員試験の勉強
⇓(3年生の夏)
公務員試験
私の同期で、高校2年生から公務員試験の勉強をしてた人を知りません。
実際、私が初めて公務員の模擬試験を受けたのは高校2年の冬で、その次は3年生で部活を引退した後でした。
専門学校に通っている人は毎日勉強してますので、単純な学習時間では高校生は勝てません。
③ 公務員の専門学校生が増えているのは進学率が増加しているから
公務員の専門学校生が増えているのは、進学率が増加しているからです。
現在、高校生の約6割の人が、大学などに進学をしています。
普通科高校であれば、そのまま就職する人はかなり少ないですよね。
私の在学していた工業高校でも、半数近くは大学などに進学をしていました。
つまり、急いで就職しようと思わなければ、進学する選択肢が一般化しているのが、公務員の専門学校生が増加している要因です。
ただ、公務員の専門学校生が増加しても、高卒で公務員採用試験に合格している人はいます。
なぜなら、公務員の一次試験は、合格ラインを超えればいいだけですので。
4:公務員の専門学校へ行かなくても公務員試験は合格できる
公務員の専門学校へ行かなくても、公務員試験に合格することはできます。
なぜなら、専門学校を選択した人は、そこまでレベルが高くないからです。
① 高卒の公務員試験は大学受験をしなかったレベルの学歴の勝負
高卒の公務員試験は、大学受験をしなったレベルの学歴の勝負になります。
言い方は悪いかもしれませんが、ずば抜けて知識がある人は少ないです。
家庭の事情で、就職を選択する人もいますが、感覚で高校の偏差値60以上の人はそこまで多くありません。
偏差値60までは、なんとかなるレベルです。
私の通っていた高校は、偏差値40前半でしたので。
なので、倍率が10倍であっても、偏差値40~60の人が集まっていると思ってください。
そう考えると、戦いやすくなります。
② 就職以上大学進学未満の学歴が専門学校に進学する
就職以上、大学進学未満の学歴が専門学校に進学します。
専門学校が悪いわけではありません。
学びたい知識があるならば、重点的に勉強する方が身になりますし、同じ目的で入学した人と交流ができます。
しかし、公務員試験の場合は別。
公務員試験自体は受験回数は決まっていません。
年齢などの条件を満たせば、何度でも公務員試験を受験することできます。
公務員試験に落ちて後、専門学校に通う人もいます。
しかし実際には、高校生の時に公務員試験を受けず、専門学校へ進学する人が多いです。
公務員試験に学歴は不要なので、専門学校へ進学する人の多くは、就職を延期するためには進学しています。
失礼な話、消極的な理由で専門学校へ進学しています。
なので、受験勉強時間で劣る高卒でも、専門学校生に十分対抗することができるのです。
5:高卒採用で公務員になりたいなら試験を受けまくること
高卒採用で、公務員になりたいなら、公務員試験を受けまくってください。
最初から専門学校へ進学しようとは思わず、公務員試験を受けるのが合格への近道です。
① 高卒の公務員試験で気をつけるのは年齢制限
高卒の公務員試験で、気をつけるのは年齢制限です。
高卒相当の公務員の年齢は、22歳までがほとんどです。
公務員試験は、年齢制限はありますが、受験の回数制限はありません。
行きたい職種があるなら別です。
しかし、公務員を目指すのであれば、公務員試験を多く受験したほうが合格する可能性はあります。
試験を受ければ、受験した回数だけ場馴れします。
練習通りの力を出すには、練習と同じように本番に挑むことが大切です。
② 公務員の専門学校はお金がかかるのでコスパが悪い
専門学校へ進学は、当然学費が発生します。
就職先を決める際に、給料が高い企業や公務員を選びますよね。
給料が高ければ、その分手元に残るお金も多くなります。
公務員の場合、学歴で給料に差はあります。
しかし、専門学校への学費を考えれば、高卒で就職したほうがコスパがいいです。
公務員試験に合格できるかは不安です。
ただ、現役高校生で公務員試験を落ちてしまった後に、専門学校へ進学を選んでも遅くはありません。
③ 高卒の公務員試験なら独学で合格できる
高卒の公務員試験なら独学で合格できます。
無理に公務員の専門学校に、進学する必要はありません。
なぜなら、私は独学で、税務職員採用試験に合格しましたので。
独学で勉強する時にポイントは2つです。
- 専門学校主催の模擬試験を受けまくる
- 適性試験は練習するだけ成長する
専門学校は、毎年公務員試験の模擬テストを実施しています。
私も公務員試験前は、5か所くらいの模擬試験や模擬勉強を受けました。
模擬試験の問題はもらうことができます。
何度も繰り返し復習しましょう。
公務員試験では、適性試験が鍵となります。
適性試験は、スピードと正確性が問われます。
練習した回数だけ点数が伸びると言っても、過言ではありません。
④ 独学が少し不安なら通信教育も選択肢となる
公務員の専門学校以外にも勉強する方法はあります。
通信教育です。
専門学校を運営している東京リーガルマインドは、通信講座も行っています。
自宅で勉強するなら、通信教育で十分です。
公務員試験の通信教育はあまり知られていませんので、一度ご覧になってください。
6:公務員試験を受けてみないと結果はわからない
公務員試験を受けてみないと、結果はわかりません。
公務員の一次試験は、ほとんどがマークシートです。
極論、運があれば一次試験は突破可能です。
二次試験も、ほどんど面接だけの公務員試験です。
面接官は、公務員で面接官としては素人です。
面接官にハマれば、誰でも合格できる可能性はあります。
私の税務署時代の同期には、フリーターや工業高校から公務員になった人もいました。
公務員になりたい人は、ダメ元でも公務員試験を受けるべきです。
今から勉強を始める方は、公務員試験勉強はいつ頃から始めるべきなのか(高卒編)をご覧ください。
ご参考になれば幸いです!