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超高齢化社会では事前に選挙を棄権する選択肢を設けるべき

投票
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選挙には事前棄権の制度がありません。

私自身はまだ32歳なので選挙を棄権する理由もありませんし、投票したいと思う候補者や政党が不在でも欠かさず投票をしています。

しかし、身内には投票したくても投票できない家族がいます。

それは認知症となっている祖父です。

1:投票したくても投票できない身体になってしまった

祖父は90歳を超えても、選挙には毎回投票に行っていました。

ただ、ここ1年で急激に判断能力が低下して自分で物事を判断するのが難しい状態になりました。

今現在の状況としては、文字を書くこともままならず、投票所に行っても政党名や候補者の名前を書くことすら困難な状態。

仮に投票できたとしても、有効票として認められる文字になってるかもわかりません。

となると祖父に「一緒に選挙に行こう」とも言えませんし、今となっては選挙日がいつであるかも認識できなくなっている状態です。

2:国民の10人に1人が認知症となる日本社会

超高齢化社会の日本ですが、高齢者の人数が増加すれば認知症の方々の人数も増加していきます。

内閣府が出している資料によりますと、平成24年時点でも高齢者の7人に1人は認知症の疑いがあるとされています。

・平成24(2012)年は認知症高齢者数が462万人で、65歳以上の高齢者の約7人に1人

令和7(2025)年には65歳以上の高齢者の約5人に1人

出典:第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向(3)(内閣府)

図1-2-11 65歳以上の認知症患者の推定者と推定有病率

将来的な推計ですが、2050年には1000万人が認知症になる可能性があります。

もちろん認知症の中でも進行度合いは違います。それでも正常な判断能力ができない人の割合が、増加することは間違いありません。

人口は年々減少していく中で、認知症の人数が増加すれば、10人中1人が認知症になることも現実的に。

有権者だけで考えれば、認知症の方の割合はもっと高くなります。

3:現状では選挙の事前に棄権する選択肢はない

認知症の家族がいても、現状の制度で選挙前に棄権をすることはできません。

そのため投票に行かないこと=棄権を選択したことになります。

事前に棄権しても、選挙に行かないことで棄権を選択しても、結果としては同じかもしれません。

しかし選挙に行っても有効投票できない人が増えた場合、法定得票率未満による再選挙になる可能性が高くなります。

選挙は投票率が1%でも成立しますが、立候補者への投票率が法定得票率未満の場合には、再選挙をすることになります。

各選挙の法定得票率

・衆議院(小選挙区選出)議員の選挙

有効投票の総数1/6

・参議院(選挙区選出)議員の選挙

(有効投票の総数÷当該選挙区内の議員の定数)の1/6

・地方公共団体の議会の議員の選挙

(有効投票の総数÷当該選挙区内の議員の定数(選挙区がないときは議員の定数))の1/4

・地方公共団体の長の選挙

有効投票の総数の1/4

参考:総務省資料

再選挙の最近の事例では、2017年の千葉県市川市長選挙です。

市長は地方公表団体の長ですので、有効投票の25%が法定得票率。

しかし、最多得票でも23.61%であり、法定得票率未満だったので再選挙となりました。

再選挙になれば、もう一度選挙活動をすることになり、税金を余分に使うことになります。

4:後見人制度を利用した選挙の事前棄権制度を創設してほしい

私の個人的な意見として、後見人制度を利用した選挙の事前棄権制度を創設してほしいです。

何でもかんでも、事前棄権を認めようとは思いません。

正常な判断能力がある人は選挙に行くべきで、選挙に行かないで政治に文句を言う人は、投票してから文句を言うべきです。

しかし認知症の人など、自らの意思を表現するのが困難な人は、事前に棄権してもいいではと考えます。

後見人になった人が、被後見人の選挙権を棄権できるようにすれば、得票率は上がります。

また後見人制度も利用するようになるため、行政手続きなども本人に代わって行えますので、もっと後見人制度が普及した方が被後見人にとってもプラスに。

認知症の人の意思も尊重すべきですが、意思疎通が難しくなってきた際は、周りの人に任せるのもいいのではと考えます。

5:単純に選挙に言っていない人と同列の扱いをされるのが悔しい

今回私が記事を書いた理由は、祖父が単純に選挙に言っていない人と同列の扱いをされるのが悔しいからです。

選挙に行かなくても、誰からも批判されたわけではありません。

1票だけで当落線に変化を及ぼすとは思いません。

しかし、少なくても祖父は、私が物心ついてから必ず選挙で投票をしていました。

祖父と政治の話をした記憶はありませんが、少なくても自分の権利を行使していました。

自身の身体の衰えから、投票ができない状態になりましたが、積極的に選挙権を放棄したわけではありません。

私の個人的な理由ですが、選挙に行けない人・選挙に行かない人は区別してほしいです。

超高齢化社会になれば、認知症の問題はもっと大きな社会問題なってきます。

それなら、選挙制度について少し改正し、より良い社会を構築できればと考えます。

 

ご参考になれば幸いです!