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元税務署職員だから語れる!個人課税部門のやりがいは地道な調査

税務署の魅力
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個人課税部門は、税務署職員の3割が在籍する部署。

税務署の部署
  • 個人課税部門
  • 資産課税部門
  • 法人課税部門
  • 徴収部門
  • 管理運営部門

個人課税部門は名称通り、個人が関係する税金を取り扱っています。

所得税の確定申告件数は毎年2000万件以上。

対応する納税者の人数は、税務署内でも桁違いに多いです。

そんな個人課税部門について、ご紹介します!

1:個人課税部門は、『所得税』と『消費税』を担当する

個人課税部門が担当する税金は、2種類あります。

資産課税部門の担当税目
  • 所得税
  • 消費税

所得税は十種類の所得を合計して計算するので、幅広い知識が必要に。

また、個人事業主が取り扱う消費税も担当するので、軽減税率は直接関係する税金です。

⑴ 所得税は10種類の所得を計算して算出する

個人が関係する所得の種類は10種類ありますが、半分くらいは馴染みが無い所得です。

所得税の種類
  • 事業所得
  • 不動産所得
  • 配当所得
  • 給与所得
  • 一時所得
  • 譲渡所得
  • 雑所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 利子所得

譲渡所得や山林所得は資産課税部門が担当している部分もありますが、基本的には個人課税部門で処理をします。

また、所得税の計算では、医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税)の所得控除とローン控除などの税額控除も関係します。

所得税は、毎年の税制改正で法律が変わりやすい税金なので、毎年法律のアップデートが必要です。

⑵ 個人事業主で切っても切り離せない消費税

個人事業主の場合、切っても切り離せないのが、消費税。

売り上げが1000万円以下の人は消費税の免除事業者になりますが、それ以外の人は消費税の申告を必ずしなければなりません。

また、2019年10月から消費税が上がる点もそうですが、それ以上にやっかいなのが軽減税率

個人的には軽減税率は政治的要素しかない制度との認識なので、個人課税部門の職員はかなり割を食う扱いです。

2:個人課税部門の仕事のやりがいポイント

個人課税部門のやりがいは、税務署が管轄している地域の人のリアルの生活状況を知ることができる点です

税務署は全国に524か所存在しますが、地域によって生活スタイルは全く異なります。

名称所在地管轄区域税務
署数
札幌国税局
札幌市
北海道
30
仙台国税局
仙台市
青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
52
関東信越国税局
さいたま市
茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 新潟県 長野県
63
東京国税局
東京都
千葉県 東京都 神奈川県 山梨県
84
金沢国税局
金沢市
富山県 石川県 福井県
15
名古屋国税局
名古屋市
岐阜県 静岡県 愛知県 三重県
48
大阪国税局
大阪市
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
83
広島国税局
広島市
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
50
高松国税局
高松市
徳島県 香川県 愛媛県 高知県
26
福岡国税局
福岡市
福岡県 佐賀県 長崎県
31
熊本国税局
熊本市
熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県
36
沖縄国税事務所
那覇市
沖縄県
6

出典:国税局及び沖縄国税事務所の所在地・管轄区域及び税務署数(国税庁)

東京都千代田区にある麹町税務署の管轄で生活している人は、生活水準が非常に高いです。

一方で、地方の税務署だと年金生活者やサラリーマンの世帯が多く、確定申告の相談内容も変わってきます。

また、個人事業主の人も左官業からブロガーまでジャンルが幅広いので、世間の実態を知れるのは個人課税部門ならでは。

税務署は転勤が多いので、必然的に多様な生活スタイルを知ることになります。

3:個人課税部門の仕事で辛いのは非協力な相手の対応をすること

個人課税部門の調査相手の多くは、個人事業主です。

サラリーマンは会社から税金を天引きされているので、税務署との接点は少ないですが、個人事業主の人は毎年確定申告をします。

残念ながら確定申告をしない人もいるのですが、そんな人は当然税務署が嫌いです。

税務調査で無申告の指摘をしても、申告に必要な書類を一切保管していないケースが多く、税務署の職員が申告書をイチから作成することもしばしば。

法人税やなどと比較すると税金の額は少ないですので、割に合わない作業が多いのが難点。

なお、確定申告期間の相談については、地域の特性が如実に表れます。

上品な税務署だと確定申告は比較的楽ですが、苦情が多い事で有名な税務署も存在します。

4:個人課税部門の職員に向いている性格

個人課税部門の職員に向いている性格は、ズバリ人間観察が好きな人

所得税の確定申告は年金受給者から医師まで、幅広い人が手続きします。

確定申告期間中は一色単に対応しますので、同じ対応をしていても受け取り方が違いうので苦情に発展することも。

私の場合では、「なるほど」と相づちを打っただけでクレームを受けた経験も。

理不尽な誹謗中傷もあったりもしますが、人間観察の面からすると、一つの職場でこれだけ多ジャンルの人と接する場所は存在しません。

なので、管轄地域の生活環境の縮図は、個人課税部門にあります。

5:個人課税部門の知識は普段の生活に役立つ

個人課税部門の知識は、普段の生活に役立ちます。

個人課税部門の知識は、ふるさと納税や医療費控除はもちろんのこと、ローン控除の申告も何不自由なく手続きが可能に。

税務署を退職後税理士になった場合には、特定のジャンル特化した税理士にならないと厳しいです。

  • マンガ家専門
  • ライター専門
  • 左官業専門

なぜなら、個人事業主の報酬単価は低く、割に合わない仕事も多いからです。

税務署の部署は、強く希望すれば変えることができます。

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ご参考になれば幸いです!