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iPhoneはandroidを相手にしない市場戦略を取っている理由

チェス
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「iPhone全然進化してないやん」

 

先日新型iPhoneのが発表されましたが、ユーザーが求めている性能を無視アップル社が開拓したい道をひたすら進んでいるようにも見えました。

 

iPhoneの値段は年々高騰してますし、大型化もiPhoneユーザーが求めていたコンパクト・スタイリッシュとは逆の方向へ向かっています。

「昔の方がよかった」

「値段上がりすぎ」

「どこがシンプル」

 

近年のアップル発表会はジョブズがいなくなってから批判的な意見が多いですよね。

その反面、一企業の製品発表にこれだけの話題性があるのもアップル社の製品にいかに興味があるかが伺えます。

新型iPhoneがどんなに不人気だとしてもアップル社の価値は下がることはありません。

アップル社はユーザーが求めている製品をではなく、ユーザーが使いたいと思う製品を生み出します。

 

同じスマホでもiPhoneとandroidでは方向性が全く異なります。

androidはより安く便利にしてユーザーを獲得

iPhoneiPhoneを所持していること自体に満足をしてもらいユーザーを獲得

 

iPhoneには、『iPhone信者』と言われるくらい熱狂的なファンはいます。

どんなにiPhoneが改悪したとしても、その人々は『これがiPhoneの良さだ』として全てを肯定化し応援し続けます。

 

対してandroidには『android信者』と言われる人はいません。

(少なくても私は聞いたことがありません)

 

同じスマホであってもiPhonandroidはまったく別路線を進んでいるのです。

 

1 アップル社は生活用品を売っているわけではない

 

スマホやケータイは生活必需品となっており、最早無い世界は考えられない社会になってます。

スマホの機種も低コスト低スペックから高コスト高スペックの製品まで揃っており、それらを選択することで自らの身の丈にあって製品を選ぶことができます。

 

そう考えるとアップル製品は高いですよね。

単純なスペックでいえばandroidとそこまで大差はありません。

仮に差があったとしても日常生活において使用する上ではiPhonであってもandroidであっても何も不便することはありません。

それなのに今回発表された新商品は基本10万円以上。

androidのハイスペックでも8万円あれば購入できます。

 

性能は殆ど変わらないのに2万円の差は大きい。

冷蔵庫でも似たような性能であれば安い方を買いますよね。

 

その差はなんでしょうか

 

それがブランド力です。

 

物を買う時に割引や相場よりも安いと『お得!』って思いますよね。

消費者にとっては嬉しい話ですが、売る側からすると売値が下がるほど利益率は減ります。

 

利益を確保するには利益が出る値段設定をしなければいけません。

原価6000円利益4000円を出したいのであれば、1万円で販売します。

 

でもこれって売る側の勝手な考えですよね。

 

原価6000円の商品でも、買い手(市場)が5000円の価値しかないと判断すれば1万円で売れることはありません。

逆に買い手が「3万円でも買う!」となるのに1万円で販売したら、本来利益になる2万円分を安く売っているのと同じです。

 

原価から値段を設定するのではなく、買い手が「この金額なら買いたい」と思う最大の値段設定で販売をする

アップルはこの戦略が非常に上手い。

 

アップルは自分たちの商品を値段競争のラインに立たせていません。

同じスマホであってもスマホとしての立ち位置が違います。

iPhoneはスマホのジャンルに該当しますが、スマホとして販売はしなくiPhoneとして販売します。

なのでどのスマホを買うかではなく、iPhoneを買うかどうかの選択に持っていけます。

そうすると、iPhoneを買うか買わないかの判断では提示された金額に納得するかどうかになるので、androidであれば6万円の価値であっても10万円として販売し売ることができます。

これが販売戦略の上手さです。

 

市場価値については『ちきりん』さんの本が非常に分かり易いのでオススメです!

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2 アップルの立ち位置はブランド品

 

アップル製品の直営店であるアップルストアですが、2016年頃から店名からアップルストア『ストア』の部分が無くなりました。

普通に考えればただの店名変更ですが、ここにアップルが提示する意味が込められています。

『ストア』とは販売所のことです。

家電量販店なども『ストア』ですよね。

 

アップル製品の直営店との意味合いであれば『アップルストア』で何も問題はありません。

でも、アップルは店舗を製品を販売する場所ではなく、アップル製品を見たり触ったりする体験空間を提供するようになりました。

 

絵画の場合販売する会場もありますが、初めから値札がついている絵画と、絵画の展示会の出口で展示品の絵画販売している場合、どちらの絵画が絵としての魅力的より映しているでしょうか。

絵に魅力があれば自然と購入したくなります。仮に販売をしていない絵画でも本当に購入したければ直談判する人もいます。

 

でも初めから売る場合はどうでしょう。

「この値段なら買うかどうか」という値段が第一の判断になります。

そうすると絵画と値段を天秤にかけてしまい、絵画自体の魅力を最大限発揮することができません。

アップルは『モノ』を売るだけの行為を止め、商品をいかにキレイに見せるかにコンセプトを特化させてレイアウトしているのです。

 

日本の携帯会社はiPhoneを販売する際には販売仕方やレイアウト等を細かく指定されています。

普通の企業なら「すごいワガママだな」と思うかもしれません。

しかし、アップルにとってはiPhoneのブランド価値が最大の魅力であり、その魅力の見せ方はアップル社が最も熟知しています。

それを販売店がレイアウト変更してiPhoneブランドの価値を下げてほしくありません。

 

それはいかにアップル社がブランド価値を重要視しているかがわかる点です。

 

3 ブランド品に目が無い日本人だから飛びつく

 

日本のスマホシェアでiPhoneは約5割とかなり高いですが、海外でみると約2割程度と低い水準です。(他社VSアップルなので十分シェアは獲得してますが)

しかし、スマホ全体の利益率の8割はアップル社が占めています!

 

それは値段設定をアップルが決め手おり値崩れがしないのも一因ですが、やはりブランド力が大きいです。

 

日本人はブランドにとにかく弱いです。

洋服のグッチ、ルイヴィトン、エルメスなどもありますが、

スポーツ用品もアディダス、アシックスなど各人でこだわりが非常に多いです。

 

家電製品でもそうですよね。

PCならMac

冷蔵庫なら日立

オーディオならSONY

 

ブランドで選択するのも最良手の一つかもしれません。

でも、実際に比較検討すれば他社製品の方が性能が良かったり安かったりもします。

 

だけど、自分が最初に選んだブランドを使い続けてしまう

 

これも戦略も一つです。

 

ブランド価値は性能や値段とは別のポジションにあります。

持っているだけで満足感が得られる。

これは性能や値段では得ることができない対価です。

 

性能は日々進化している中で半年もすれば型落ちになります。

値段も最安値は一つしかないのでチキンレースとなります。

 

でもブランド価値は簡単には崩れることはありません。

ブランドを持つ会社が魅力を持ち続ける限りブランド価値は生き続け、性能や値段では太刀打ちできない価値を出し続けます。

 

だから日本でのiPhoneシェアが高いのです。

性能や値段ではなく、ブランド価値を最も高く評価する日本で。

 

 

おわりに

 

わたしはアップル製品を使用しないので新製品が発表されても買い替えることはまずありません。

でも「アップルなら何かやってくれるのではないか」との期待は常にあり、なんだかんだ新型iPhoneの記事には目を通してしまいます。

 

自分が使用していない製品にここまで興味を持つことはありますでしょうか。

iPhoneにはそれだけの魅力や影響力があります。

 

iPhoneに核心的な技術向上は無かったかもしれませんが、熱狂的なファンがいる間は安泰ですし、iPhoneと比較されるうちはまだアップル社の掌で踊っていることになるでしょう。

 

ご参考になれば幸いです!