「テキパキ仕事している公務員見たことありますか?」
さすがにいましたよね。
もし、いない場合は申し訳ございません。
元公務員の私にとっては非常に耳が痛い話(;^ω^)
法律の改正速度や内容もそうですが、行政の対応はいつもズレがあります。
民間人になってから既にヒシヒシ感じています。
(行政手続きは未だになぜ紙媒体が主流なのか・・・)
でも、批判的な意見もそれはあくまでも外部から見た話。
内部事情を知ったら納得できる場合もあります。
夜中の牛丼チェーン店の店員の対応が悪いと思ったら「ワンオペだった」なんて話もありまして、一概に接客応対をしている店員(職員)が悪いわけではありません。
その立場を公務員に当てはめると、私は元税務署職員の公務員でありますので、内部からの視点と外からの視点の両面から状況把握することが出来ています。
と疑問に思われましたら続きをご覧ください!
1 公務員の対応が悪いのは対応が悪いように様に見えているだけかもしれない
少し、公務員擁護の話になるかもしれません(笑)
冗談はさておき、内部・外部それぞれでの立場から公務員を見ました結論としては、「公務員の対応がそこまで悪いのか」と感じました。
確かに現実として変な公務員職員は存在します。
ですが民間でも対応の悪い従業員はいますし、腹が立つこともありますよね。
ですので、公務員だろうが会社員だろうが対応の悪い職員の割合としてはさほど大きな違いのかと。
とのご指摘もありますが、公務員の場合対応が悪いと直ぐに苦情に発展する性質があります。
そのため、普段から上層部より丁寧に接するように指示されていますし、私も心掛けていました。
接遇研修などは毎年複数回行いますし、苦情事例が発生すれば全署で共有します。
それでも変な職員もいますし、腹が立つ職員もいます。
ですが、公務員=高圧的のイメージだけが先行してしまっている感じは否めません。
結局は対応しているのは人間です。
対応している職員ごとで違いますので、公務員の一括りで「対応が悪い」と判断することはできません。
2 対応の悪い職員は能力が低いので重要度の低いポジションの仕事をする
とはいえ、横柄な対応をとる職員も一定以上いるのも事実です。
税務署は調査の印象が強く、誤解されるかもしれませんが、税務調査に優れている職員ほど言葉使いが非常に丁寧です。
(見た目の強さは人それぞれですが(笑))
理由は単純で、調査以外の部分で揚げ足を取られたくないから。
職員の中には本当に税務調査が好きな人が数多くいます。
本当に24時間調査の事しか考えてないツワモノの職員も在籍するのが調査担当の部署です。
そんな職員の源となってるのが、調査によって重加算税を賦課する事。
重加算税は申告内容を偽装したり隠したりした場合に対象となる一種の罰金制度なのですが、調査担当者は重加算税を賦課するまでには色々な工程を経なければいけません。
※ 『賦課』とは税金を負担させるという意味です
調査担当者として、調査途中で重加算税が賦課できなくなることは避けたいのですが、一番嫌なのが苦情による調査の終了です。
税務調査上で必要であった作業(調査行為)についての苦情は税務署も問題にしませんが、税務調査外の苦情では話は別です。
税務調査での苦情の一例
納税者「タンスの中まで調べるのはおかしい」
⇓
これは調査上必要な場合あるので税務署側は問題にはしません。
税務調査外の苦情の一例
納税者「税務署の職員が暴言を吐いて人格否定までしてきたこれは職員としてどうなのか」
⇓
こちらが事実であれば仮に偽装などしてたとしても調査を打ち切らなけらばいけないケースです。
調査に長けてる人は、自分が原因による調査終了を誰よりも望んでいません。
なので、調査を不本意に終わらせたくないので言葉遣いや態度は非常に丁寧になります。
前置きが長くなりましたが、以上が(調査)が優秀な職員です。
反対に、失礼ながら調査が下手な職員は対応が下手な人が多いです。
まず、年齢に関係なくタメ口で話す職員はアウト。
「そんなの社会の常識」だと思うかもしれませんが、実際にそんな職員はいます。
次に、正確な回答をしない職員もアウト。
職員も自分の専門分野があるので、回答できない部分はあります。しかし、できる・できないの区別はしっかりとします。
なぜなら、間違いが苦情の原因になるので。
能力の乏しい職員はその場しのぎになるので、とりあえず場をしのぐことしか考えていません。
同僚としても最悪なのが、まともな引継ぎをしないで相談者との相談を他の職員とバトンタッチすることです。
と思うかもしれませんが、国税局にとって最優先すべきは税務調査です。
ですので、優秀な職員は限りなく全ての時間を税務調査に当てたいと思っているのが実情で、調査以外の事務は二の次となります。
したがって、優先度が低い事務は国税局にとって優先度の低い職員が割り当てられるケースが多いので、横柄な態度をとる職員が相談対応をことがあるのです。
ただ、当然ながら調査担当ではなく内部事務を担当している職員にも優秀な職員もいますし、調査担当以外=ダメな職員ではありません。
(国税局は調査できない職員は全く評価しませんが)
しかし、その内部職員ほど一色単にされるので、ある意味一番被害を被っている職員になります。
3 応用が利かないのは従順に上司の命に従って行動するのが正解の組織だから
管理職や上の組織(国税庁、国税局)になればなるほど、部下の不祥事やイレギュラーな対応が一番嫌がります。
公務員にとって『何事も無かった』が一番評価される基準です。
確定申告をしようとして税務署に来署する機会があると思います。
その時に「ちょっと融通利かせてくれないかな」何て思いますよね。
職員としても融通したい気持ちはあります。
そちらの方が喜んでくれますので。
ただ、一度それをやってしまうとイレギュラー行為となり、他の税務署で「○○税務署ではこうやってた」と言われた場合の対応に苦慮してしまいます。
上層部にとっては避けたいのです。
なので、一律に無機質に対応する事を心掛けさせられます。
(税務署的な表現だと毅然とした態度)
また、内部から見た場合でも非常に非合理的な部分を感じました。
税務署の作業の何割かは業務改善可能で、それをするだけで時間もお金も節約できます。
あまり知られていませんが、税務署の職員も上層部に対して事務の改善要望書を提出する機会があります。
私は職員人生の大半を内部担当として従事してきたため事務の矛盾点や非効率的な事務をいくつも見てきました。
その結果、必ず費用対効果がある提案事項を10個以上の提案書として提出しましたが、1度も採用はされませんでした。
- 画期的なシステムが構築可能でも
- 大幅な事務の簡略化が可能であっても
- 納税者の利便性があがる場合であってお
それを行うことはありません。
実行するのは、組織の一番上(財務省)や国会がやりたいと思った事項のみです。
どうやら上の組織は内部担当の意見なんかは一切不要だったみたいです。
(10年勤務して痛感しました)
その代わりに事務量の増加だけが見込まれる無駄な作業は採用されます。
上にとってはリスク管理が一番大事でしょうがないのですが、現場の職員としては悲しい限りでした。
対応の悪い職員には論理的に問いただすことが大事
税務署(公務員)の対応の悪さはこれらが原因です。
- 公務員にとってリスクが最大の敵
- 能力の乏しい職員ほど目に映る
- 上の組織は改善に興味が無い
- 本当は丁寧な職員もいるけど中々気づかない
不親切な職員に当たって割を食うのは面接に来署された方ですが、一方で一生懸命に仕事に従事している職員も被害を受けています。
確定申告では若手職員ほど一生懸命に相談対応をします。
反対に、経験を重ねるにつれて、段々と要領よく仕事をこなそうとして最低限の対応しかしない職員も増加します。
(最低限もしない職員もいますが)
そのような職員と対峙した際に怒る必要はありませんが、失礼な対応をする職員に対しては意思表示をしてください。
意思表示後に対応した職員の上司が出てきましたら
- 今回の対応について
- 今後どう改善していくか
- その職員はいつもそうなのか
- なぜそのような職員を窓口対応させるのか
こちらを感情的にならずに聞いてください。
残念ながら公務員は自浄能力が無いですので、外から変えていくしかありません。
外からの意見を少しでも加えることで変化させるしか方法がないのでお伝えください。
その際には、感情的にはならないようにお願いします。
感情的な意見になってしまうと、税務署側も特別な人の対応として処理してしまいますので。
ご参考になれば幸いです!