税務署の組織 PR

盛った話ばかり!元国税局職員の話は9割がウソである

嘘話
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元国税局職員を名乗る人の話は、9割ウソです。

「国税組織の人間はウソつくんかい!!」と思うかも知れません。

某元東京国税局長官が嘘をつく組織ですので、しょうがないですかね。

(冗談です)

私もそうですが、メディアに元税務署職員や元国税局職員の人を、チラホラ目にする機会が増えました。

元税務署出身の芸人の方もいますし、これからどんどん元税務署職員の露出は多くなってきます。

元税務署職員の話として、税務調査や内部事情の話がありますが、現職の税務署職員が聞けば、ウソだとわかるものが多いです。

実際、「この話絶対自分の体験談じゃないよな~」って話は税務署に在籍中はよく話しました。

まったくのデタラメではありませんが、発言者自身が、経験していない話をしていることはよくあります。

どうして、そんなことが起こるのか。

元国税職員の舞台裏をご覧ください。

1:税務署職員が税務調査で突然自宅行くことは9割無い

国税局

税務署職員が、税務調査で突然自宅行くことは9割ありません。

なぜなら、法律上の制約があるからです。

 ① 税務調査は税務署と国税局が分担して担当する

税務調査は、税務署と国税局が行います。

税務署と国税局には役割が決まっており、分担して税務調査をします。

国税局・・・悪質な納税者や金額が大きい事案を担当

税務署・・・比較的規模が小さい事案や、間違いが軽微なものを担当

税務署から連絡すると驚かれる人は多いですが、申告書の記載誤りなどで連絡するのがほとんどです。

それくらい、税務署の仕事は地味だったりします。

 ② 税務調査=マルサの女のイメージは間違い

税務調査聞くと、『マルサの女』をイメージするかもしれません。

マルサの女は、国税局査察部(通称マルサ)に所属する職員をテーマにした映画で、映画をきっかけに「マルサ」が一気に有名になりました。

しかし、マルサの女のような調査をする部署はほとんどありません。

確かに、査察部の調査では、金の塊や札束が見つかることはあります。

ただ、年に1回あるかないかです。

目に見えて脱税していることがわかるケースはありません。

脱税意識がある人ほど、巧妙に税金逃れをします。

脱税犯を捕まえるには、地道な調査が無いと解決できません。

なので、意外と地味な対処が多かったりします。

 ③ 税務調査の法律改正で無予告の税務調査は原則できない

平25年の税務調査の法律改正で、無予告の税務調査は原則できなくなりました。

よく抱く調査のイメージは、

国税局(K)「ピンポーン」

調査先(T)「は~い」

K 「○○国税局ですけど今から法人税の調査をします。ご主人はいますか?」

T 「えっ、朝からなんですの?失礼じゃないですか?」

K 「仕事なんで。ご主人はどこですか?」

T 「しゅ、主人はもう会社にいきました。」

K 「へぇ、そうなんですね。先ほど仲間から会社には電気も付いていないと連絡があったのですが、真っ暗の中で仕事されるんですか。」

T 「・・・・」

K 「ご主人出してくれませんか。ウチも暇じゃないんで。」

T 「・・・はい、わかりました。」

確かに昔はよくあった手法です。

しかし、こんな調査方法は現在ありません。

法律改正により、税務調査を行う場合には、事前に「調査しますので!」と調査をする対象者に連絡が必須となりました。

税務署(Z)「turrrr・・・」

調査先(T)「はい、もしもし」

Z「お忙しいところ恐れ入ります。私○○税務署個人課税部門の△と申しますが、Tさんは御在宅でしょうか?」

T「はい、私ですが」

Z「あっ、そうでしたか、失礼しました。今お時間少々よろしいでしょうか」

T「えっ、まぁ少しなら」

Z「ありがとうございます。実は今日お電話させていただいたのが、先日お出しいただいた所得税の申告書の件で税務調査をしたくご連絡しました。つきましては日程調整をしたいのですが、来週でご都合のよろしい日時はありますでしょうか?」

T「はぁ、調査ですか・・・ちょっと確認するので待ってもらえますか」

実際にはこんな風に税務調査の連絡をします。

納税者が隠ぺい又は逃走の恐れがある場合は、無予告の税務調査も可能です。

しかし、税務署の現場で無予告調査をすることは年に数回程度しかありません。

2:元国税局職員の税務調査の武勇伝は自分の話ではない

元国税局職員の税務調査の武勇伝は、自分の話ではありません。

元税務署職員の人はいますが、10年以上現場に在籍した人はかなり少ないです。

はっきり言いますが、たかだか数年程度の税務調査で、何度も修羅場を経験することはありえません。

 ① 話の話題にできるような税務調査は年に1,2件しかない

話の話題にできるような税務調査は年に1,2件しかありません。

話題になるといっても、税務署職員が聞いたら話題になる程度の話です。

一般の人に話しても、コア過ぎて理解できません。

数年で税務署を辞めた人が話せるネタは、せいぜい5件までです。

それ以上の税務調査ネタは、他の職員の話を引用してます。

 ② 重加算税案件をできる人は限られている

重加算税案件をできる人は、限られています。

重加算税とは、財産を隠したり、意図的にごまかした場合に支払う罰金です。

税務署には、所得税の申告だけでも、年間2,198万件の申告書が提出されます。

参考:平成29年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について

現実的に、すべての申告内容をくまなくチェックするの不可能です。

税務調査=重加算税のイメージが強いですが、税務調査の結果がすべて重加算税になるわけではありません。

実際、税務調査で重加算税になる割合は1割くらいです。

 ③ 優秀な税務調査官なら税務署の職場を辞めるはずがない

優秀な税務調査官なら、税務署の職場を辞めるはずがありません。

税務調査の才能がある職員はいます。

リアルに、1日中調査のことを考えて生活しています。

そんな職員は、税務署(国税局)の職場が天職です。

天職なら、わざわざ辞める必要性がありません。

途中で税務署を辞める人材が、多くの税務調査武勇伝を持っていることはありえません。

せいぜい数年間、査察に在籍した程度の経験だと思ってください。

3:税務署職員としての知識は役に立たない

税務署職員としての知識は、役に立たないことが多いです。

元国税局職員が、全部の税金に詳しいことはありません。

ゼロとは言いませんし、勉強されて知識を持っている人もいます。

しかし、元税務署職員だから税金知識があるというのは間違いです。

 ① 税務調査で必要な知識と申告書作成で必要な知識は違う

税務調査で必要な知識と、申告書作成で必要な知識は違います。

税務調査で必要なのは、間違いを指摘するための知識。

確定申告で必要な知識は、正しく申告するための知識。

似ているようですが、ジャンルが全然違います。

また、税務署では税金の種類によって部署が分かれます。

所得税を担当している職員は、法人税の知識はあまりありません。

法人税を担当している職員は、相続税の知識はほとんどありません。

そのくらい、職員の知識はバラバラなのが実情です。

 ② 脱税の手口は2種類しかなくいので税金知識は不要

脱税の手口は、2種類しかありませんので、税金知識を必要としません。

  • 売上除外
  • 経費の水増し

売上除外も経費の水増しも、架空の取引を行っています。

架空の取引があるなら、実際の取引も存在します。

税務調査では、実際の取引を見つけて指摘するのがメインです。

そこに、特別な税金知識は必要ありません。

4:元税務署職員の税理士は税務調査に長けている

元税務署職員の税理士は、税務調査に長けています。

税務調査を経験しているのもそうですが、税務署の裏側を知っているのが最大の強みです。

しかし、税務署職員の経験だけでは、税理士として本当に必要な知識は身につきません。

 ① 税務署に長年勤務すると税理士資格がもらえる

国税局や税務署に長年勤務していると、ほぼ自動的に税理士資格を得ることができます。

最近は減少しましたが、定年退職⇒税理士になる元職員は多いです。

勉強をして合格した人と、自動的に資格を取得した人では、どちらの人が知識があるでしょうか。

勉強して合格した人ですよね。

知識量に関しては、経歴ではなく、人を見なければいけません。

 ② 国税局の幹部だったOB税理士は顔が利くことはある

国税局の幹部だった、OB税理士は顔が利くことはあります。

忖度(そんたく)することはありません。

ただ、現役職員からすると税務調査がやりにくいのは確かです。

税務署や国税局時代に脱税犯を追い詰めていた知識を、脱税犯を擁護するための知識として利用するOB税理士もいます。

OB税理士もさまざまいますが、少なくてもOB税理士に依頼すれば税務調査来ないのは都市伝説です。

 ③ 税金の知識量は税理士の方が上

税務の知識量は税理士の方が上です。

税務署は、提出された申告書の適否を判断すればいいからです。

問題を作成するのと、回答をチェックするのは、どちらが簡単でしょうか。

回答をチェックする方ですよね。

税金では、税務署が回答をチェックする立場になります。

もちろん、知識が必要な場面は多いですが、常に申告書を作っている税理士には知識量では及びません。

5:公務員の守秘義務は退職後も継続するから暴露はできない

公務員の守秘義務は退職後も継続します。

公務員時代の話を話してしまうと、守秘義務違反で処罰の対象となります。

国家公務員法
(秘密を守る義務)
第百条 職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。
○2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表するには、所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又はこれに相当する官職の所轄庁の長)の許可を要する。
○3 前項の許可は、法律又は政令の定める条件及び手続に係る場合を除いては、これを拒むことができない。
○4 前三項の規定は、人事院で扱われる調査又は審理の際人事院から求められる情報に関しては、これを適用しない。何人も、人事院の権限によつて行われる調査又は審理に際して、秘密の又は公表を制限された情報を陳述し又は証言することを人事院から求められた場合には、何人からも許可を受ける必要がない。人事院が正式に要求した情報について、人事院に対して、陳述及び証言を行わなかつた者は、この法律の罰則の適用を受けなければならない。
○5 前項の規定は、第十八条の四の規定により権限の委任を受けた再就職等監視委員会が行う調査について準用する。この場合において、同項中「人事院」とあるのは「再就職等監視委員会」と、「調査又は審理」とあるのは「調査」と読み替えるものとする。

地方公務員にも同じ規定があるので、国家公務員だけではありません。

元公務員の話が抽象的なのは、法律違反にならないための対処法です。

リアルな金額や数字を出している場合でも、違っている場合があります。

現役時代に経験した話をそのまま話すことは、ありません。

実体験の体験談は面白いですが、鵜呑みにしないで、雰囲気だけ味わってください。

ご参考になれば幸いです!