税知識

帰省した田舎で話した相続税の節税は間違いだらけって話

TAX

 

「田舎の帰省時に相続の話しませんでしたか?」

 

お盆や正月に実家に帰省すると話題になるのが『相続』

上京し、就職すると兄弟(相続人)が揃う機会はそんなにありません。

 

ある程度の年齢になると、田舎では既に相続で財産を取得した人や相続税を支払った人から相続についての話題があった人もいるかと。

そんな人から出る言葉は『相続税の節税対策』

実体験に基づき、あれやこれやとアドバイスがあると思います。

 

まぁ、ほとんど間違いですけどね!

 

元税務署職員の立場からすると、世間的に話題になる節税対策は一方向からしか見ていなく、無理して相続税対策すると逆に財産が減る場合があります。

 

相続税の節税対策も大事ですが、相続税は相続により財産を取得し承継する一連の手続きの一つです。

相続税は安くなっても相続税以外の税金や手続きで手間暇がかかり、結果的にマイナスになることもあります。

 

そこで、危ない節税対策を中心にまとめましたのでご覧ください!

 

1 節税対策でアパート経営は安易すぎる

アパート

 

日本は人口減少社会であり、都心部以外の地域の人口減少スピードは著しいです。

 

「アパート経営は相続税対策になるのでオススメですよ!」

土地を持っている人や預貯金を保有している人は不動産業者銀行からこんなアドバイスを受けた経験もあるかもしれません。

でもそんな謳い文句に乗せられてアパート建てたはいいけど、いざ相続が発生して相続税を納めようとしたら手元に現金が残ってなかった。

相続税の支払いに苦慮し、止む無く財産を処分してなんとか相続税に充当するケースは税務署の立場からも見てきました。

 

アパート経営の危険性は3点です

  1.  常に満室はあり得ない
  2.  アパートに住む人は今後更に減少する
  3.  アパートには対応年数がある

1 常に満室はあり得ない

アパートを借りたことがある人はわかると思いますが、大体が2年契約です。

契約満期になって再更新のタイミングで転居する人が多いと思いますが、空室になった部屋が、翌月には別の入居者が住んでいますでしょうか。

 

試しにSUUMOホームズで月に一度賃貸物件を検索をしてみてください。

月に一度、同一条件で検索すると前月と同じアパート・マンションがヒットすることがあります。

「オススメ物件!、PR物件!」

なんて名目で表示されているアパートは入居者がずっといない物件です。

 

入居者がいなければ、そこには一切の収入は発生しません。

つまり、収入0で維持管理費(費用)のみが発生する収支マイナスの状態です!

 

2 アパートに住む人は今後更に減少する

少子高齢化で、一人暮らしをする若者の人数は減少しています。

実家の近くで働いている人はアパートを借りて暮らしているのでしょうか。

合理的に考えて、実家に住んだ方が家賃の支出は少ないので経済的です。

 

高齢者の人は持ち家の人が多く、持ち家を売却しても売却資金を元手に介護施設に入居するひとは結構います。

 

アパートの総数は増加しているけど住む人の総数が減少すれば、必然的に空室は増加。

その結果空室部分がどんどん増え、収入が減少していく可能性が高くなっていくのです!

 

3 アパートには対応年数がある

立地条件・賃料が同じアパートで築5年築30年の2棟があればどちらに住みたいでしょうか。

ほとんどの人が築5年ですよね。

 

立地が同じで築30年のアパートを選ぶ理由があるとすれば、家賃が安い場合しか考えにくいです。

 

ですが、家主側からみれば、家賃の値下げ=収入減なので、本当は値下げはしたくありません。

それでも値下げしないと入居者0になってしまうので、止む無く家賃値下げをするジリ貧状態に陥ります。

果たしてこの不安定な収入状況が資産形成をしていく上での一部であればもんだいありません。

しかし、資産の大部分が不動産賃貸だと自然災害や市場経済によっては一変する可能性があるリスクとなります。

 

2 相続税の減税効果には条件がある

比較

 

相続税の節税対策で、アパート経営を進める理由一つに相続税評価額の減額があります。

 

アパート経営してた場合

元々の評価額

建物 1000万円

土地 3000万円

 

建物は70%評価

1,000万円×70%=700万円

 

土地は82%評価

※ 借地権割合を60%とした場合

3,000万円×82%=2,460万円

300万円+540万円=840万円

合計で840万円の節税効果。

 

が、実際にはそんなにうまくはいきません。

 

アパートが満室状態であれば上記の計算になりますが、相続開始時点で空室部分は減額はされません。

相続発生した時点だけ空室だったならOKですが、何か月も空室であった部屋は貸していないとみなされるので、評価額の減少はしません

 

さきほど840万円の節税効果といいましたが、

アパートの半分(50%)空室だった場合には減額割合も半分の420万円になります。

 

更に、アパートを相続しても空室ならその部分の収入は0なので、支出だけが増えるWパンチです。

 

 

3 預貯金を郵便局に隠しても無意味

POST

 

昔、郵便局にお金を隠していれば税務署に見つからないという都市伝説がありました。

実際も都市伝説ですが(笑)

 

現在郵便局(ゆうちょ銀行)は民間の銀行と変わらないため、税務調査の一環の金融機関調査で財産を把握はできます。

また、数年後には個人番号(マイナンバー)と預貯金口座を連動させる法律が成立すると思いますので、隠す目的で郵便局や銀行に財産預けても無駄になります。

 

意図的に隠した場合は重加算税の対象となるため、本来納める税金にプラス最大40%の追加納付が必要になるのでオススメしません。

 

もし、「俺、銀行に相続財産隠してたら相続税免れたよ」なんて言っている方が周りにいたら、税務署にご一報をお願いします(笑)

 

まぁ真面目な話、隠す人がいなくなれば調査不要になるので税務署の人員は半分で十分です。

職員が半分になればその分の人件費が浮きます。

 

もし脱税する人が増加すれば無尽蔵に調査職員が増えることでしょう。

そうすれば人件費も増加するので、最終的に国民が人件費(税金)を負担することになります。

 

そんなのバカらしいので、脱税はダメ、ゼッタイ!

 

4 相続税を専門にしている税理士に依頼するべし

キャリア

 

税理士業務の中でも相続税は特に専門分野です。

 

税理士に依頼する場合、個人事務所の税理士であれば、相続税をメインに事業しているか確認しましょう。

 

相続税の税理士報酬は高額(最低10万円以上)になりますが、

・ 申告書作成にかかるコスト(時間)

・ 税務調査のリスク(時間と費用)

・ 節税の効果(費用)

の側面から見ても税理士に依頼するメリットは大きいです。

 

税務署は税理士関与を推進しているため、逆に税理士関与がない相続税の調査に積極的に行います

 

税理士報酬の費用と税務調査等のリスクを天秤に照らして考えてください。

 

おわりに

使っていない未利用の土地があるなら売却して現金化するのが一番いいです

現金を不動産にした場合の方が相続税の評価額が低くなり、相続税が安くなるケースがほとんどですが、相続した後を考えると不動産が正解なのかは疑問です。

 

相続財産が大きな土地1つしかないしかなければ遺産の分割について相続人間で揉めること必死です。

 

現金ならキレイに分割することも可能。

 

周りの実体験や知識を情報として得ることは大事ですが、鵜呑みにすると後々大変になるので注意が必要です。

 

ご参考になれば幸いです!