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確定申告で要注意!『収入』と『所得』の意味は全然違う

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確定申告の計算で必ず出てくる言葉が、「収入」と「所得」です。

一見同じ意味に思うかもしれませんが、確定申告においては全く意味が異なります。

また税務署職員は、収入と所得を別物と理解していますが、相談者の人も「収入」と「所得」意味を知っていると思い込んでいるので要注意です。

1:収入とは売上や額面上の給料の金額

収入とは、給与明細書の収入金額や売上金額をいいます。

手取りが15万円だとしても、給与金額が20万円であれば、収入は20万円。

また事業赤字が出ている会社でも、売上があれば、売上金額が収入金額となります。

「収入」は、売上や給料そのままの金額

2:所得とは経費を差し引いた後の金額

所得とは、売上金額から経費を差し引いた後の金額です。

売上が1億円の会社の場合、経費が8,000万円あれば、所得金額は2,000万円。

一方会社員や公務員の場合には、経費がありませんが、経費の代わりに『給与所得控除』があります。

給与所得控除とは、給与所得から控除できる金額で、給与収入の金額によって控除額が違います。

<平成29年分~令和元年分の給与所得控除の金額>

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超3,600,000円以下収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超6,600,000円以下収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超10,000,000円以下収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超2,200,000円(上限)

 

また年金収入に対しても控除額が存在し、年金の場合には金額以外に受給者の年齢によっても控除額が変化します。

なお年齢を判断する場合には、対象年分の1月1日時点の年齢となりますのでご注意ください。

(令和2年分の確定申告⇒令和2年1月1日時点の年齢で判断)

  • 収入-経費=所得金額
  • 給与収入は給与所得控除を差し引いた残りが給与所得
  • 給与所得控除は最低65万円控除できる

3:扶養控除などを判断するのは所得金額

配偶者控除や扶養控除などに該当するか否かを判断する場合、対象となる金額は『所得金額』です。

配偶者控除を適用する場合、配偶者の所得が38万円以内であれば適用対象。

たとえば配偶者の給与所得が103万円ある場合、給与所得控除65万円を控除した残りが38万円となりますので、配偶者控除が適用できます。

4:収入103万円までなら扶養対象になるのは給与所得

一般的に収入103万円までなら、扶養控除の対象となると言われていますが、これは給与所得控除65万円が存在するためです。

給与所得には、アルバイトやパート収入が含まれますが、注意すべきは自営業として活動している人。

自営業の場合、所得の計算は売上から経費を差し引いた金額です。

たとえばライターとして年間50万円の収入がある場合、経費が10万円のみなら、所得金額は40万円となり、扶養控除対象となる所得38万円を超えてしまいます。

一方、200万円の売上がある人でも、経費が300万円かかっていれば所得金額はマイナス100万円(赤字)ですので、扶養控除の対象となります。

そのためパートやアルバイト以外の収入がある人は、経費の金額を加味しないと正しい所得金額はわかりません。

5:確定申告で言葉の意味が分からない場合は税務署職員に確認すること

職員は誰が税金知識を持っているかどうかは、判断できません。

そのため確定申告で言葉の意味が分からない場合は、税務署職員に確認してください。

また税金の質問は、どんどんしてもらった方が税務署側にとっても嬉しい話です。

なぜなら一つでも税金知識を身に付けてくれた方が、来年以降の確定申告相談の短縮や職員からの指摘回数削減に繋がるからです。

支払う税金は少しでも減らしたいですが、そのためには正しい知識を身に付けることが必要です。

期限を過ぎてから指摘を受けた際には、余計な税金を支払うことになりますので、不明点は解明してから申告手続きをしましょう。

 

ご参考になれば幸いです!