好きな仕事の給料が安いのは、業種全体の問題。
あなた自身でなんとかなる問題ではありません。
もちろん、努力して給料が上がる可能性はありますが、並大抵の努力では稼ぐことは難しいです。
給料を上がる仕組みを知っていれば、対策が可能であり、現状から脱出することもできます。
1:人気のある業種はいつまでも給料は上がらない
人気のある業種はいつまでも給料は上がりません。
理由は簡単で、社員が辞めても替えが存在するから。
人気が無い職業なら働き手は少ないですが、人気のある業種は何もしなくても働きたい人が表れます。
- 美容師
- 声優
- テレビのAD(将来ディレクター)
- 保育士(子供がなりたい職業)
100人働ける職場で100人しかいない場合には、人材確保が絶対条件です。
しかし、1000人の応募があれば採用する側にとっては使い放題。
極端ですが、900人は使い潰しても、採用側は痛くも痒くもありません。
なので、あなた自身が行動しても組織として給料が上がることは難しい構造なのです。
2:商品の価格だけで勝負する業界は消耗する
商品の価格だけで勝負する業界は、常に消耗戦です。
技術などが一般化してしまったために、差別化が難しい状況を『コモディティ』と言います。
美容室などの業界では技術が均一化してしまっているので、消耗戦が激しい職業。
その中で給料を増やすのは、困難な状態です。
⑴ 単一の技術だけでは値下がり競争になる
単一の技術だけだと、値下がり競争になります。
美容師であれば、普通の人は髪を切ってもらうだけの場所。
お客さんからすると、特別な理由がなければ、値段の安い美容室に通うようになります。
となると、お客さんを呼び戻すには値段を下げなければいけません。
ただ、集客数が増えても単価が下がれば売り上げは下がります。
逆に客数が増えれば労働時間は長くなりますので、体力も消耗するようになります。
⑵ 10分カットの床屋さんでも給料には限界がある
1000円カットでお馴染みのQBハウス(現在は1,200円)は、10分で1人の髪の毛を切ります。
休憩含めると1時間に4人。8時間労働で32人の髪を切るのが限界です。
・1時間での売上
1200円×4人=4800円
理論上は1時間4800円の売り上げがありますが、毎日毎日満席になることはありませんし、時間帯によってはお客さんがいない場合もあります。
となると、1時間当たりの平均売り上げはさがりますので、従業員の給料は時給2000円が限界に。
時給2000円は、年間400万円程度の年収です。
20代ならいいかもしれませんが、経験を積んでも給料が上がる職場ではありませんので。400万円の上限をずっと継続することになります。
3:年収が低い職業は顧客の収入層も低い
失礼な話に聞こえるかもしれませんが、年収が低い職業は顧客の収入層も低いです。
収入が少ない世帯の場合、少しでも安い商品を買おうとします。
となると、少しでも売るためには商品の値段を下げることに。
商品の販売には必ずコストが発生しますが、その中で大きいのが人件費。
人件費を削ればその分安く販売できますが、人件費の削減は働いている人の給料が下がることにもなります。
年収600万円の正社員と年収200万円のアルバイトが働いても同じ結果なら、コストの低いアルバイトを採用しますよね。
となると正社員は採用しにくいので、働いている人の多くはアルバイトに。
ライバルが値下げをしたら対抗しないと倒産しますので、その業界のアルバイト採用が一気に高まります。
正社員の採用をしても倒産リスクには変えられませんので、業界全体の給料が低い状況が変わることが無いのです。
4:伸びてる業種に参入すれば給料は勝手に上がる
給料を上げるには能力も必要ですが、それ以上に伸びている業種に参入するのがポイントとなります。
一番いい例が高度成長期です。
どんな人が働いても勝手に給料が上がる時代。
日本全体を1つの業界として考えれば、業界全体の景気が良ければ勝手に給料は上がるのです。
しかし、今の日本は成長は見込めません。GDPの成長率も横ばいで、超高齢化社会で日本全体が成長することはないでしょう。
それでも、個々の業界を見れば話は違います。
IT業界は人材不足で、数少ない成長産業。
業界が成長すれば、その分人材不足になります。
人材不足になれば人材の質が低下しますので、良い質の人材確保には企業をお金を投資することに。
業界の景気が悪ければ人材投資はできませんが、景気が良ければ先行投資も可能です。
そうなると働き手に有利な環境が生まれてくるのです。
5:好きな仕事で給料を上げたいなら「ずらし」が必要
好きな仕事で給料を上げたいなら「ずらし」が必要です。
一部のカリスマ美容師や経営者を除けば、美容師で給料を上げるのはかなり難しいです。
しかし、普通の人でも給料を上げる方法があります。
それが、自分に希少価値をつけることです。
⑴ 他の業種と組み合わせて値段以外で勝負する
コモディティ化した業界では価格勝負になりますが、価格以外でも勝負できるネタを用意しましょう。
美容室であれば、アフターサービスや担当者で差別化を図りますが、他の業種とコラボするのも一つの選択肢です。
美容室×喫茶店
美容室×化粧品の販売
美容室×コーディネート
美容室に駆け込む人はいません。
ほとんどの人が美容室をその日の大きな予定とします。
それなら、髪を切った後にティータイムに入ることもあります。
美容室が喫茶店をやることが難しくても、近くの喫茶店と提携して運営することも可能です。
美容室に通った後にティータイムするのが習慣化すれば、+1000円客単価が増加しますので、その分だけ売り上げに貢献できます。
⑵ 関係性が薄い業種に飛び込んで希少性を出す
関係性の濃い業種に転職しても、似た経歴の人は大勢います。
しかし、関係性の薄い業種に転職した場合にはライバルが不在です。
私は元税務署職員ですが、元税務署職員でブログやライターをしている人数は極端に少ないです。
そうなると、興味を持ってくれる人や自分にしかできない仕事が舞い込んできます。
自分しかできない仕事の価値は、自分自身で価値左右できます。
自分の価値が上がれば収入も増えますが、自分の価値が下がれば収入は減ります。
そもそも、何もしなくても給料が増える構造が間違っています。
現状の給料で我慢するか、必要なリスクをとって収入を増やすかの二択です。
6:本当に給料が低いことが不満なのかを考えるべき
本当に給料が低いことが不満なのかを考えるべきです。
現実的に生活できないくらい、収入や職場環境が悪い場合には転職も必要ですが、そこまでして転職したいかをしっかり見直しましょう。
好きな事は、お金では変えられない価値。
好きな仕事で働いているのなら、人によっては1000万円以上の価値があるかもしれません。
少なくても、現状のまま急に業界の未来が明るくなることはありません。
いち早く変わることができるのは、自分だけ。
そのために転職の道を進むことも選択肢です。
ご参考になれば幸いです!